夏未につねられたうえに引っ張られた両頬が痛い。
さすがに漫画のようにぷっくりと赤く腫れるようなことはなかったが、
それでも軽く腫れて痛む頬は熱を帯びていた。が、この痛みはある意味でにとっては大きな助けとなっていた。
「(この痛みがなかったら顔、ニヤけたままだったわね…)」
ゴッドハンドを使わずとも、いいセービングを見せる立向居。
彼の活躍を見る度に、は顔には平然とした表情を浮かべながらも、心の中では大いにニヤけていた。
もし、この状態で両頬が痛くなかったときには、心の中の表情が思いっきり表へ出ていただろう。
――まぁ、そうなった日には遅かれ早かれ夏未のお怒りを受けるような気はするが。雷門イレブンと陽花戸イレブンの合同練習を、
笑顔で見守る夏未と秋たちの背中を眺めたあと、は再度立向居に視線を向けた。しかし、先ほどと違って立向居がいいプレーをしようがなにをしようが、
心の中ですらニヤけた表情は浮かべることはない。
顔に張り付いているのは冷静な表情。
だが、の瞳の奥には好奇心を含んだ不適な色があった。
「(上手くいけば、夢にまで見たあの布陣を実現できる…!)」
「…また発作か?」
思いがけず漏れたの笑み。
それをたまたま見てしまったらしい鬼道は、あからさまに迷惑そうな表情でに言葉を投げた。の「発作」によって鬼道に迷惑をかけていることは確かだが、
そこまで露骨に迷惑そうな表情を見せることはないのではないだろうか?今回に関しては、主に迷惑をかけたのは鬼道ではなく吹雪。
吹雪に全力で嫌な顔をされるのは仕方ないが、
さして迷惑をかけていない(基準)鬼道にここまで嫌な顔をされるのは、としては不服なところだった。
「…変質者扱いしないでくださいます?」
「陽花戸イレブンは変人だと思っているぞ」
「………」
鬼道の言葉を聞いたは、やっと鬼道の思う「迷惑」が理解できた。鬼道が迷惑だと思っているのは個人的にではなく、雷門イレブンとして。
チームの中に変人がいる――そう陽花戸イレブンに思われていることが迷惑のようだ。突然、吹雪に抱きついてみたり、ニヤニヤとニヤけてみたり――
そんなことをしていれば、10人中9人は「変な人だ…」と思うことだろう。陽花戸イレブンはその9人の中に完全にはまっているようで、を見る目には奇異の色がある。
しかし、そんな陽花戸イレブンの中で立向居だけが未だにに対して明確な印象を持っておらず、
そもそも奇異の色どころか興味の色すらなかった。あくまで立向居に変人と思われていなければ、としてはその他からの印象はどうでもよかった。
それに、陽花戸イレブンも露骨にを避けるようなことはしていなかったので、
は特にフォローをするつもりなどなかったのだが、
彼らと共に練習をしている雷門イレブンにとって迷惑となるのであれば、これは改善しなくてはいけない。は迷惑をかけるためにイナズマキャラバンに参加しているわけではないのだ。
「――では、名誉挽回しましょうか」
「…できるのか?」
「汚名返上は無理でも、名誉挽回できるわよ。
――今まで鬼道に見放されていないのが何よりの証拠でしょ」
不敵な笑みを浮かべ、自信満々の様子ではそう言うと鬼道に背を向ける。
そして、まるで何事もなかったかのような調子で「キャプテン集合ー」と円堂と戸田を呼んだ。立向居と同様にの奇行を見ていなかったこともあり、
円堂はいつもと変わらない調子での元へ駆け寄って行く。
それに対して、陽花戸イレブンキャプテンの戸田の表情は完全に強張っており、
足を進めるその姿はまさしく――「意を決した」といった様子だった。
「(アイツが動いたのなら、改善はすぐだな)」
そんなことを思いながら鬼道は仲間の待つフィールドへと戻っていった。
第77話:
変人の名誉挽回
陽花戸イレブンから変人認定を受けていた。
しかし、すでにはその変人という不名誉な印象を拭い去る、
新たな印象を陽花戸イレブンに与えることができていた。
「攻守共に、仲間との連携を意識して、一対一は極力避けるように」
そうが作戦を伝えたのは雷門イレブンではなく、陽花戸イレブン。
の言葉を受けた陽花戸イレブンは、気合の入った返事を返すと、フィールドへ向って走って行った。陽花戸イレブンの指揮をが執る――
それを絶対条件に練習試合を行うことを戸田に持ちかけた。その時はやはり「変人」のレッテルがあったの指揮を受けることに戸田は難色――というか、
困惑の色を見せたが、雷門イレブンのファンである彼らにとって雷門イレブンと試合は願ってもないこと。
屈託のない円堂のあと押しもあって最終的に戸田が条件を呑み、
陽花戸イレブンはの指揮の下で雷門イレブンと練習試合を行うことになった。そして、雷門イレブンとの練習試合に向けて、が陽花戸イレブンの指揮を執った結果――
のコーチング能力と、司令塔としての統率力が明らかとなり、
へ対する変人のイメージが一気に影を潜めたのだった。
「(しかしまぁ、ファンを自称するだけあって、話が早かったなぁ…)」
自分に対する印象の切り替わりに関してはさして驚きはしなかったが、
雷門イレブンと試合するに当たっての作戦と注意を伝えたときの
陽花戸イレブンの飲み込みの早さには、も舌を巻いた。雷門イレブンと顔を合わせて早々、自分たちはファンだと伝えただけあって、
本当によく陽花戸イレブンは雷門イレブンを研究している。
おかげで10を言わずとも、5〜6ぐらいの説明で彼らはの伝えたいことを理解してくれるので、
実践練習の時間が思っていた以上に確保できたこともあり、
陽花戸イレブンの連携は、雷門イレブンともいい試合ができそうな仕上がりとなっていた。実際、の見解は間違っていなかったようで、
フィールドで雷門とぶつかる陽花戸イレブンは善戦していた。
「素晴らしか采配ばい。――さすが、彩芽の愛娘たい」
「…………母を…知っているんですか…?」
雷門イレブンと陽花戸イレブンの試合を見守っていただったが、
不意に自分の横で口を開いた陽花戸中校長の言葉に、思わず校長の方へ振り返った。驚きの表情を見せているを見た校長はどこか懐かしそうな表情を見せると、
フィールドの上でサッカーボールを追いかける少年たちに視線を移し、徐に口を開いた。
「彩芽はワシらの先輩の娘たい。彩芽が施設に入る以前はよう会っとった。
……彩芽は元気かいね?」
「…はい。大きな病気もなく、仕事も順調です」
「そんならよか。元気が一番たい」
安心した様子で校長はそう言うと、徐にジャケットの内ポケットをごそごそとあさり、
そこから一枚の写真を取り出し、に手渡した。校長から手渡された写真に写っているのは3人の少年。
1人はにこの写真を手渡した校長に、もう1人は円堂にどことなく面影が似ている。
そして、写真の中央に立っている少年は、どこか懐かしい感覚を覚える容姿だった。
「彩芽は木崎先輩ば『父親』としては嫌とった。
やけん、施設さえ移るときに写真ば全部ワシに預けて行ったんたい」
「…この人が…私の……」
「そうたい。その人が君のお祖父さんたい」
漠然と懐かしい感覚を覚えた写真の少年は、若かりし時代のの祖父に当たる人物。
そう言われてみれば、母親や自分と容姿に似通った部分があるような――気もしなくはなかった。
しかし、意外な場面での意外な発見に、の思考回路は若干の麻痺状態にあった。
両親――祖父母について一切話してくれることがなかったの母親――彩芽。
両親のことはもちろん、自身の幼少時代の時代のことも彩芽あまり教えてくれなかった。
それ故に、彼女が施設で暮らしていたというのは初めて知った事実だった。
お互い何事もない平穏な暮らしをしていれば、もっと早く知り合えていたのかもしれない――
そんなことを思いながら、は究極奥義「正義の鉄拳」を習得するためにボールと向き合う円堂に視線を向けた。
円堂大介の残した裏ノートに書かれていたままを実践する円堂。
しかし、「ギューン」の部分に対する答えが未だに出ていないようで、
気で作られた拳が薄っすらと一時現れるだけで、
究極奥義は愚か、お世辞にも必殺技とすら言えない不発の形で終わっていた。
だが、陽花戸イレブンの逆立った髪と頭に巻いたハチマキが特徴のフォワード――
松林の放ったレインボーループは必殺技ではあったものの、遠距離からのロングシュートだったこともあり、
円堂ごとゴールを割れるほどの威力は残っていなかったようで、ボールは円堂の拳に当たって弾き返った。
はじき返されたボールに即座に反応したのは、長身のフォワード――黒田。
円堂に体勢を立て直す暇も与えずシュートを放った。
「もらったァ!」
が、しかし――
はじめから円堂の正義の鉄拳習得に当たって、バックアップの体制を考えていたらしく、
土門が黒田のシュートをあっさりと蹴り返した。1点目は堅い――
と思っただったが、雷門イレブンの方が一枚上手だったようだ。
「君、エイリア学園との戦いば終わったら、ワシを尋ねてきんしゃい。
君に渡したかもんがあるんたい」
「はい、是非お邪魔させていただきます」
が笑顔で答えると、校長も嬉しそうに微笑む。
穏やかな気持ちでいたところに、鬼道の「くるぞ!」という声が響く。反射的にフィールドに視線を戻せば、ボールをキープして雷門陣内に攻め込んで行っていた戸田が、
土門のボルケイノカットによってボールは雷門へと渡り、土門が奪ったボールは栗松へと渡った。
「(ここに来てナニワランドでの特訓の成果が現れてきたわね)」
新たに身に着けた必殺技――ダッシュアクセルを発動し、
栗松は金髪と色黒の肌が目を惹くディフェンダー――大濠を一気に突破すると、ボールを風丸へとつないだ。栗松からのボールを受けた風丸は一気に加速すると、後方から追いかけてきていた戸田と、
赤いリーゼントが印象的なミットフィルダー――志賀をあっという間に引き離してしまった。やはり――というべきか、
雷門イレブンと陽花戸イレブンの間にある実力差は、そう簡単に覆すことはできないようだ。だが、今はまだ小手調べ。
聞くのと見るの、見るのとするの、その間にある差異を修正するための準備段階だ。
とりあえず、点数さえ取られなければ、の頭の中にある試合展開としては支障もなかった。
「(単身で立向居くんのゴッドハンドを破れるのはおそらく吹雪だけ…。
でも、あの様子だと失点の心配は必要なさそうね…)」
試合開始早々、ボールを奪われた時点で明らかだった吹雪の不調。
陽花戸イレブンを指揮する立場としては願ってもない話だが、
雷門イレブンのサポートに入っている立場としては頭の痛くなる話だ。勝つための布陣として、吹雪をフォワードに持ってくるのは、当然の選択といえる。
だが、吹雪の心情を考えれば――これの布陣はあまりにも酷だった。
「ローズ――スプラッシュ!」
「ゴッドハンド!」
リカが放った必殺シュート――ローズスプラッシュ。
イバラと花びらを纏った華麗なシュートではあったが、ゴッドハンドが相手では威力不足だったようで、
立向居は完璧にリカのシュートを止めて見せた。見事な立向居のセーブに、キャプテンの戸田が「見事だ!」と立向居を褒めると、
不意に雷門陣内の一番底からも「よし!」と声が上がった。
「『よし!』じゃないだろ円堂!!」
すっかり対戦相手であることも忘れて立向居を褒めてしまったのは円堂。
近くにいた塔子に思いっきり突込みを入れられたところで、
ふと対戦しているということを思い出したようで、間の抜けた声で「あ」ともらした。円堂の反応に苦笑いを浮かべる者、立向居のゴッドハンドに改めて驚く者、シュートを止められたことを悔しがる者と、
それぞれの反応を雷門イレブンメンバーが見せている中、は戸田に視線を向ける。
すぐにの視線に気付いた戸田は、
に答えるようにコクリとうなずくと、他の陽花戸イレブンメンバーに目配せする。
すると、先ほどの戸田のように陽花戸イレブンメンバーはコクンと頷き、フォーメーションを整えた。
「いきますよ!」
完全に陽花戸イレブンのフォーメーションが形成されたところで、
立向居ががたいのいいディフェンダー――玄海に向ってボールを投げる。
それを玄海はなんなく受けると、流れるような動作で、
青と白のねじりハチマキが印象的な美少年ディフェンダー――筑紫へとつないだ。ボールを玄海から受けた筑紫は、雷門陣内へと上がっていこうとする。
しかし、即座に風丸がスライディングでボールを奪いにかかるが、
それを筑紫はジャンプでかわし、そのままフィールド中腹まで上がっていた志賀にパスを出した。志賀の後ろには吹雪と一之瀬がついていたが、
志賀は2人をダッシュで引き離し、雷門陣内へと深く切り込んでいく。
しかし、志賀の進行を阻むのは塔子、小暮、土門。
3対1のこの状況、明らかに志賀に分が悪いかと思われたが、思いにもよらないアシストが入った。
「「ニニンサンキャクー!」」
志賀の右足と松林の左足の間にボールをはさみ、二人三脚の要領で一気に相手を抜く――
それが陽花戸イレブンが習得しているドリブル技のニニンサンキャクだった。思っても見ない陽花戸イレブンの必殺技に対応できずに松林と志賀の突破を許す塔子たち。
だが、悔しさよりも見事な陽花戸イレブンの連携技に対する期待どの方が高いようで、
塔子たちの表情は悔しさよりも楽しさの方が強く出ていた。ニニンサンキャク発動のまま、雷門陣営最後のディフェンダーである壁山も、
一気に抜き去るのかと思われたが、絶妙のタイミングで戸田のアシストが入り、壁山も突破された。今度こそ、陽花戸イレブンの1点目は堅いと思っただったが、それは甘い見通しだった。
「アイスグランド!」
いつの間にやらフォワードのポジションからディフェンスに回っていた吹雪。
あっさりとアイスグランドを使って戸田からボールを奪取すると、ドリブルで陽花戸イレブンへと上がっていく。しかし、無理に1人で持ち込むようなことはせず、丁度のいいところで土門へとパスを出した。
「(あのディフェンス能力……おしいなぁ…)」
遺憾なくディフェンダーとしての能力を発揮する吹雪の姿を眺めながら、
心の中ではその能力を発揮しきれていないことを残念に思った。吹雪の義理の姉――源津霧美。
彼女はが知るディフェンダーの中でも、
トップクラスのディフェンス能力を誇るディフェンダーだった。吹雪はそんな彼女の指導を受けたディフェンダー。
身体的な能力は本人のポテンシャルによるところが大きいが、
技術的な部分だけを見れば、吹雪のプレーはかつての霧美を見ているかのようだった。ディフェンス一択。その選択肢も間違いではない。
だが、それは本人が認めないだろうし、現在のチーム状況を考えると認められるものではなかった。
「(可能性がなければ押し切るけど……。
士郎くんにはあるのよね…フォワードとしての可能性が…)」
ボールを追わず、吹雪だけに視線を向けていた。
頭の中をめぐる「吹雪の今後」に少し頭が痛くなったが、
不意に聞こえた一之瀬とリカの声に視線を2人の方へと向けた。左右に弾き飛ばされた一之瀬とリカ。
どうやら、筑紫と角刈りと厚い唇がトレードマークのディフェンダー――石山の繰り出した必殺技――
ブロックサーカスによってボールを奪われたらしい。一之瀬から奪ったボールを、陽花戸イレブンはパスで雷門陣内へと運ぶ。
そして、ボールが松林に渡ったところで、松林は早々に雷門ゴールに向ってシュートを放った。松林のシュートに対して、果敢に正義の鉄拳習得のために向っていく円堂。
しかし、やはり明確なヒントを得ていない円堂の放つ「正義の鉄拳」はさしたる威力を持ってはおらず、
先ほどと同様にはじき返すのがやっとといった程度だった。またも生まれたこぼれ球に黒田が素早く食らいつき、
手薄となった雷門ゴールを抉ろうとヘディングを放つが、
バックアップに入った鬼道によってクリアされ、一点目とはならなかった。そこで鳴り響いた長いホイッスル。それは前半戦の終了を知らせるもの。
ハーフタイムに入り、ぞろぞろと自分のチームのベンチへと戻っていく選手たち。
陽花戸イレブンベンチでは、戸田たちをが迎えていた。
「みんな、いい動きだったわよ」
「ありがとう。でも、俺たちが雷門イレブンといい試合ができたのは御麟さんのアドバイスのおかげだ」
「ああ、御麟の言ったとおりの場所に突破の隙があったもんな」
から受け取ったドリンクを飲みながら戸田の言葉を肯定する松林。
その松林を更に肯定するように黒田や筑紫はうなずき、志賀や石山は「そうそう」と言葉で肯定した。陽花戸イレブンからの賞賛の言葉に、あえて謙遜などせずに「ありがとう」とは礼を言うと、
会話の輪の中に入っていない立向居に視線を向けた。戸田たちフィールドプレーヤーたちには雷門に対抗するための戦術などを伝えたが、
ゴールキーパーである立向居に対しては、は特に何のアドバイスもしてはいなかった。というのも、シュートを止める基本は、力と力のぶつかり合い。
それ故にが立向居にアドバイスできることは特にこれといってなかったのだった。
「立向居くん、雷門のシュートはどうだった?」
「はいっ、どのシュートも強力で凄かったです!」
に雷門のシュートの程を聞かれ、笑顔をキラキラと輝かせて強力だったと答える立向居。
そんな立向居には笑顔で「それはよかった」と言葉を返す――が、
内心では「発作」の発症を理性で押さえ込むことで必至だった。発作を理性で抑え込みながら立向居を見ていただったが、不意に発作が一気に収まる。
その原因は何気ない戸田の一言だった。
「円堂君の必殺技のために、チーム一丸となってるあの姿勢。信頼がなければできないな」
「…必殺技……か………」
「ぅん?どうしたんだ、御麟」
「……んー…ちょっとねぇ…」
志賀に尋ねられ、なにやら楽しげにしている雷門イレブンの様子を眺めたあと、
立向居に視線を移してからは言葉を返し黙る。
しげしげとに見つめられ、立向居はどきまぎしながらも黙っていると、不意にが「よし」と声を出した。そして、徐に立向居の元へ近づき、ポンと彼の肩に手を置くと、陽花戸イレブンの方へと振り返った。
「みんな、立向居くんのマジン・ザ・ハンド習得に、一肌脱いでくれない?」
「え……、ええぇ!!?マ、マジン・ザ・ハンドですか?!」
「おぉ!そいつは名案だ!俺も立向居のレベルアップのために何かしてやりたかったんだ!」
「立向居のマジン・ザ・ハンド…か、そいつはいいや!」
マジン・ザ・ハンドという言葉を聞き、立向居は驚きの声を上げたが、
石山や松林たち陽花戸イレブンは、の提案した立向居がマジン・ザ・ハンドを習得するという案に「やろうやろう」と賛成的だった。最初こそ、戸惑いの色を見せていた立向居だったが、
マジン・ザ・ハンドの習得――それは立向居にとって魅力的な話だったようで、
最終的には陽花戸イレブンとに向って「よろしくお願いします!」と大きく頭を下げるのだった。
■あとがき
汚名返上は難しいですが、名誉挽回はそこまで大変ではない気がします。
特に今回の夢主の場合、初っ端で悪い印象を与えている以上、それを払拭するのは一筋縄ではいかないと思います。
ただまぁ、この件は言葉遊び(?)の感じが強いんですけどね(苦笑)汚名返上も名誉挽回も結局は似たようなもんなので(汗)