「さて……どうする…」
ツクモとの契約によってコゲンタとの意味のない口喧嘩が減りことが進め易くなった
しかし、気持ちばかりが先走り、はイマイチ先が見えなくなっていた。
「……」
殿、ここにじっとしていてはなにも起きません。この辺り一帯を調査してはどうですかな?
「ふむ。それもそうだな。ここでじっとしていたところで何が起きるわけでもなさそうだしな…」
そう言いは立ちあがる。
自分の腰に装着されているホルダーにドライブがあることを確認し玄関へと足を運んだ。
すると不意にコゲンタが口を開いた。
よぉ…なんか随分とお前、女くせェカッコしてねェか?』
「……なんだ、悪いのか」
不機嫌そうにコゲンタに尋ねは玄関の戸に手をかけた。コゲンタは興味がなさそうに『いや』と答えた。
『いつもならこんなカッコ、絶対しねェのにしてるからよ。実はこーゆーのが趣味なのかと思ってな』
ふと思い出したようにニヤニヤと笑いながらコゲンタはに言う。
しかしは平然と『違う』と言い放ち理由を説明した。
「いつもの服では…ついつい、ヒョウオウをいいわけにしそうになる…
だから、それをふりきるためと、新規一転という意味も込めてだ」
決意の衣ということですな
「まぁ、そう言うことだ。これで納得か、コゲンタ」
はっきりと言葉を返しは自信に満ちた表情を見せた。コゲンタは『いいんじゃねェの』と言いドライブに戻って行った。
ツクモはドライブに戻る間際に『殿の決意、確り受け取りました』と言った。
は『ああ』と嬉しそうに返してアパートを出た。
『ちっ…あいつはもう、吹っ切ったってのに……俺は…』
悔しそうにコゲンタはドライブの中で呟いた。
 
 
 
妖怪どもが襲って来ようともの表情に動きなど一切生じなかった。式神達を降神し妖怪達を排除させる。
それだけの事をするために気を張ることはは一切しない。
妖怪達はコゲンタとツクモによって簡単に一掃される。は『ご苦労』と言って直に二人をドライブに戻す。
それは今のところずっと行われている行動だった。
『なぁ〜…いつまでこんなこと続けてんだ?』
「知らん。取り合えず……近くに式神の反応が……あ」
は不意に指を指した。
コゲンタとツクモがが指差す方向を見てみればそこには建物がポツンと建っていた。
「あそこに…式神と人の反応がある」
それにしても…殿は優れた術者ですな
「その言葉、素直に受け取っておくよ。ありがとうツクモ。
だが、今は気力の量が減少しているから…いまいち正確ではないがな」
『気力の量が減ったぁ?そんなことあんのかよ??』
「普通ならないさ。だが、今回のことがことだ。気力が減るくらい大した問題…だが、腹をくくるしかないだろう」
そう言いは建物へと足を動かす。それに従いコゲンタとツクモも霊体のままの後ろに続いた。
 
 
「ソウタロウさんから聞いているよ。さぁ、一戦交え様じゃないか」
「は?」
建物の中は完全に陰陽道に精通している作りだった。そしてそこに居たのは一人の男。
どうやらこの世界でのの祖父――ソウタロウの知りあいらしい。
「まぁ、詳しいことは後々。いずれにせよ一戦交えなくてはいけないんだから」
男は適当なことを言い、式神を2体降神した。
「芽吹と玄武…苦手でもなければ得意でもないか…」
『しかし、油断は禁物だぜ。特に芽吹はな』
「お前に言われなくとも分かっている。
お前は加護力が低いからな、芽吹の相手はツクモにさせる。ツクモ、行けるな?」
殿の命とあらば!
ドライブからツクモが降神され芽吹――芽吹のバンナイの前に姿を現した。
「即行ッ!」
阿多之運命ッ!!
 
 
 
「う〜む…予想以上に強いな」
少々荒っぽい戦いでしたが…割と的確な指示が送れていましたね
バンナイは値踏みするようにを見て言った。
は不機嫌そうに『荒っぽいくない』と言った。だが、それをバンナイはあくまで『荒っぽい』と言った。
ですが、あなたの戦法が荒っぽいのは操っている式神が荒っぽいからですね。
あなた自身はとても華麗な戦いをする方だと私は思うのですが?
そう言われてはコゲンタとツクモを見た。確かに、この二人は攻撃力重視の『オフェンス型』だろう。
バンナイの言葉に嘘はない。故にもコゲンタ達も何もいえなかった。
私はあなたと華麗な戦いをしたいですね。ですから……どうでしょう?私と契約しませんか?
「ああ、俺もそろそろ妖力の高い仲間が欲しかった所だ。是非ともよろしく頼む」
はい、様をガッカリさせるような戦いはいたしませんよ
 
芽吹のバンナイと契約した!
種族 芽吹族 性別 才能 節季 啓蟄 属性
相性 有利・青龍族 不利・雷火族 武器 陰陽鞭 金枝四号鞭 特殊能力 敵の「魅了」の術無効
攻撃1 ビンタ 攻撃2 ビンタ&蹴り ←A
必殺技 獣牙の術 ↑←A 必殺技2 呪いの術 →↓←A
超必殺技 金枝四号鞭 ↑←↑←A 超必殺技 九字印奈落 ←↑→→↓A
 
完敗だ〜!
「うおッ!?」
玄武のコロクが突然飛びついてくる。は驚いて色気のない声をあげた。
オラ、女の闘神士には初めて負けたよ!ビックリした〜!!
「そ、そうか…女の闘神士は男の闘神士に比べて少ないからな。あと、実力も大体は男の方が上だからな…」
オラ、あんたが気に入ったんだ!契約してくれないか!絶対に後悔さないから!
「では、その言葉通り後悔させないでくれよ。よろしく頼むな」
まかしといて!絶対にはオラが守りきるからな!
 
玄武のコロクと契約した!
種族 玄武族 性別 運命 節季 冬至 属性
相性 有利・黒鉄族 不利・霜花族 武器 陰陽鉈 六根斬 特殊能力 加護力1.5倍
攻撃1 スライディング? 攻撃2 ヘビパンチ ←A
必殺技 防御力アップの術 ↑←A 必殺技2 獣爪の術 →↓←A
超必殺技 六根斬 ←←↓↓A 超必殺技 亀甲重砕破 ↑→↓←←A
 
「無事契約したみたいだね。修業がしたくなったら、ここにおいで。いつでも相手になるよ」
そう笑顔で言う男を残して達は建物を出た。
一度、アパートに戻っては見てはいかがですかな?戦い続きで大分お疲れでしょう
建物を出るとツクモが直に言った。すると血相を変えてコロクがドライブから飛び出しに飛びついた。
つ、疲れてる!?大丈夫!?
「ああ、大丈夫だコロク。寧ろ、お前の方が大丈夫か?」
顔を真っ青にしてを問い詰めるコロク。
端から見るとコロクの方が重症に見えて仕方がない。そんなコロクには笑顔を見せて尋ねた。
しかし、様の気力は大したものですね。多くの戦いをしたというのに全く疲れを見せていないとは……
「まぁ、これも血筋の問題だろうさ。
疲れてはいないが…今後のことを決めるためにも一旦アパートに戻るとするか……」
疲れてないとか言って無理してないよね〜?
「してない。残念ながらお前達に遠慮するほど俺は謙虚じゃないよ」
フッと笑ってはコロクに返す。コロクは笑って『それを聞いて安心した』と言った。
心の中では『なんじゃそりゃ』とか突っ込んだ。しかし、本当に突っ込む気には全くならなかった。