「キケケケ…このボクに喧嘩売ろうだなんて…本当に君達の方が気が狂ってるよキケケ…」
男――キタオは達を見てきちがえたような声で笑った。
式神達は本能的に恐怖感を覚えその表情をゆがませた。もこの男の異常さには気付いているし、
危険なものを感じているが表情を歪ませることはなかった。
きちがいに負けるほど落ちぶれているとは思っていないからだ。
「(こーゆー奴はぶん殴るのが一番手っ取り早い…
ジュウゾウを出したいところだが、ツクモに確り捕まっていてつかえんし……)」
『オイ、そんなに悩むぐらいだったら俺を使えばいいだろ』
「?コゲンタ?」
突然ドライブからコゲンタが姿を現した。その背中からは強い決意がうかがえた。
『ここらで俺も腹くくるぜ。、この世界ではお前を俺の本当の闘神士として認めてやる!
白虎族の名にかけて…お前の力になってやらァ!!』
突然の告白だった。はなんの突拍子もないコゲンタの言葉に言葉を表情を失った。
しかし、不意にその顔に笑みが浮かび目に光りが戻った。
「本気で契約ということだな。これで…心置きなくお前に印を叩き込めるな!」
『はっ!気の抜けた印叩きこむんじゃねェぞ!!』
「愚問!」
 
 
 
「ひゅ〜強いねお前さん達」
「完全に契約が成立したからな」
キタオの式神であった――霜花のオニシバはがしがしと頭をかきながら言った。
そんなオニシバの褒め言葉には素直に答えた。
「しかし…こいつぁ、まいったぜ。闘神士もやられちまったし、また宿なしに逆もどりでさぁ…」
「なら、俺と契約しないか?ここであったのも何かの縁だろう」
「……旅は道連れ世は情ってやつですかい?」
「まぁ、そんな感じだな。
だが、別に無理強いするわけじゃないんだ。お前がついてきてくれれば俺としては心強いんでな…」
は珍しく下手に出た。別にどうしても仲間になって欲しいわけではない。
しかし、下手をすればオニシバに契約を強要しているようで嫌だったのだ。すると不意にオニシバはの手を取った。
「あっしは風の吹くまま、気の向くまま。
いつもならば、明日の朝にはおいとまするかもしれませんが……あっしの命お前さんに奉げましょう?」
の手にキスを一つ落として忠誠を誓うオニシバ。英国紳士のようだ。
 
「ちょっと待った、式神がなーに闘神士に向って色目使ってるんだ?」
 
笑顔を引きつらせ達の前に姿を見せたのはマサオミ。
その後ろには霊体だがキバチヨもおり、その顔に青筋を浮かべている。
「あっしはこれから闘神士となる方に忠誠を誓っただけですがねェ」
『その忠誠の誓い方がおかしいっての』
「その通り。あんた日本型の式神なんだから、普通に契約だけ交わしてればいいんだよ」
 
「で、お前は何をしに来たんだ。
人の契約邪魔しに来ただけなら今すぐにでも殴るぞ。前回よろしくな

 

ゴゴゴ…と音を立てていがみ合うオニシバとマサオミ達を止めたのは無表情で拳を作っただった。
マサオミは前回のの幻の右ストレートを思い出してことの本題を話し出した。
「………も、もうここにはもう何もないぜ。
地流のやつらは太陰神社に向った。あそこにマホロバが封印されているようだ」
『あそこか…!』
「心当たりはあるようだな。……しかしお前…どこからその情報を…」
「おっと、それは聞かないのが無言のお約束だよちゃん。じゃ、俺は一足お先に行かせてもらうぜ」
そう言いマサオミは達の前から姿を消した。は溜息を一つついてからオニシバを見た。
「すまん。邪魔が入った…な。オニシバ、これからよろしく頼む」
「あっしで良ければいくらでも…」
霜花のオニシバと契約した!
種族 霜花 性別 進路 節季 大雪 属性
相性 有利・玄武 不利・埋火 武器 陰陽銃 回天三八式改 特殊能力 味方の「睡眠」の術成功率1.5倍
攻撃1 キック 攻撃2 キック&銃 ←A
必殺技 妖力ダウンの術 ↑←A 必殺技2 獣牙の術 →↓←A
超必殺技 回天三八式改 ↓←↓→A 超絶必殺技 義志爆裂弾 →↓→→↑A
 
 
 
「京西町…か」
「そうよ。京西町西部の竹林の先に太陰神社はあるわ」
「ぬぉ!?」
が一人で呟いていると不意に横から声がした。
見てみればそこにはヒロコが平然と立っていた。はジト目でヒロコを見た。
「…変な目で見ないで」
「突然現れた挙句に人の行こうとしてる場所口にされたら誰だって怪しむだろうが」
当たり前のことを言う。しかしヒロコは軽くを無視して言葉を続けた。
「わたしはなにもできないけど、早く行った方がいいわ。着実にマホロバは復活し様としている」
「……そして、お前の…いや、いいや。皆、行くぞ」
「!?ちょっと…!今なにを…!」
はヒロコに何か言おうとしたがそれを途中で止めた。ヒロコは珍しく表情を動かしを見た。
しかし、は『どーでもいいことだろ?』と不適に笑い、ヒロコの前から走り去って行った。
『なに言おうとしたんだ?』
「だから、どうでもいいことだ。俺にとってもお前達にとってもあいつにとってもな」
そう言いはただ不適に笑っていた。
 
 
 
「ゲッ、待ち伏せしてたのにそっちから来たよ」
男――サトウは『あちゃー』と言いたげにの顔を見た。は不機嫌そうにサトウを睨んだ。
「大した闘神士じゃないようだし…さっさとやられてくれよなぁ〜」
あからさまにやる気のないこの男。の額に青筋が浮かび式神全員の背筋に冷たい何かが走った。
「大体、乳臭いお子様が無理して大人っぽいかっこしたってかっこつかな……」
「貴様、それ以上の我が主君への侮辱の言葉は……闘神士人生だけでなく、その命も奪うことになるでござるよ」
ジュウゾウはボーガンを構え言った。サトウは『餓鬼を侮辱したぐらいで死んでたまるか!』と言って印を切った。
が下げていた顔を上げる。その顔には冷酷さだけがある失笑が浮かんでいた。
 
 
 
「くっ、一生の不覚をとったわ!わしは燃えつきた。真っ白に燃えつきたわい…」
『大げさすぎやしませんか、ライデン殿』
「む、オニシバか。なんじゃお主、この娘と契約したのか!」
オニシバはジュウゾウに負けたことを嘆いているサトウの式神だった――霜花のライデンに声をかけた。
ライデンはオニシバを見て驚きの表情を見せた。
「う〜む…一生一匹狼を突き通すと思っていたが…なにがあった?もしやこの娘にたぶら…!」
「霜花の、この世には言っていいことと悪いことがあるでござるよ…
あと、先ほどのそれがし達の会話を聞いてはおられなかったでござるか?
それがし達の主君に対する侮辱は、ご法度を通り越し…死刑でござる」

「なぬ!?この小娘…!」
「ですから……主君への侮辱は死罪と言ってござろうが…!
ボーガンをライデンの首筋に押しつけジュウゾウはライデンを圧迫した。
が止めようとするがそれを式神達が止めた。どうやらジュウゾウと皆、同じ考えらしい。
ライデンは『わかった!お主等の闘神士を侮辱などせん!』と慌てて言った。
「これでは脅しだな…。
ライデン殿、私と契約したくなければ契約しなくとも結構です。私に無理強いするつもりはないので…」
「なんじゃと!?ワシをいらんというのか!?お主は!!」
「いえ、そうではなく……」
「わしは絶対にお主と契約してやる!天変地異が起きようともな!」
物凄く剣幕にライデンに言われに弁護する余地は一切なかった。
『はぁ…』とライデンに気付かれないようには溜息をついた。
 
霜花のライデンと契約した!
種族 霜花 性別 進路 節季 大雪 属性
相性 有利・玄武 不利・埋火 武器 陰陽大砲 士魂十六糎 特殊能力 味方の「睡眠」の術成功率1.5倍
攻撃1 タックル 攻撃2 四股 ←A
必殺技 妖力ダウンの術 ↑←A 必殺技2 獣爪の術 →↓←A
超必殺技 士魂十六糎 →↓←↑A 超絶必殺技 逆天砲武嵐 ↓→↓→↑A
 
『すいませんねェ…あの方は頑固で…』
「お前が気にすることじゃないさ。もとはといえば…俺が雑魚闘神士の挑発に乗ったのが悪かったんだよ」
ライデンのことを謝るオニシバ。しかしは苦笑いして言葉を返した。
『いや、あの男の言葉にはあっしら全員が腹立ちました。特にあっしはかなりね』
『オイコラ、オニシバ。お前、にばっかり声かけてねェで、ライデンの相手してやれ。かなりご立腹だぞ』
『やれやれ…困ったもんだ』
「すまんなオニシバ…契約したばかりだというのに…」
『いいんでさぁ。あっしは好きでの式神やってんですから。では、ライデン殿の機嫌、とってまいりますよ』
そうに言いオニシバはドライブに戻って行った。コゲンタはそんなオニシバを見てなぜか舌をうった。
「?なんだコゲンタ、なにか気に触ることでもあったか?」
『……別にねェよ』
「にしては随分と不機嫌そうだな」
不思議そうに首をかしげる。そんなを見てコゲンタはなぜか少々腹が立った。
『お前、本当にそうだよな!闘いの時だけは勘が鋭いくせにこういうときだけ……このっ…鈍感闘神士!!
「んなッ…オ、オイ!コゲンタ!?」
の声も聞かずにコゲンタはドライブに戻って行った。