「いつの世も、下っ端は上の人間の道具さ」
「……そうかもしれんな」
「だが、道具は道具なりにこの闘いの意味を探して悩んでんだ。
俺達地流が正しいのか、それともお前等天流が正しいのか…」
男――ネギシは悟ったように笑う。はこの地流の男となぜか話しこんでいた。
地流と天流、どちらが正しいのか。だが、それはこの二人では答えは出ないだろう。だが、話し合ってみたかった。
「さぁて、そろそろ始めようか。どちらが正しいかは闘えばわかる。
俺がわかっているのは勝った方が正しい。ということだけだからな」
「…力がすべてということか?」
「違う。力の伴なわない正義や悪は……無意味なのさ」
「惜しい存在を倒すことになりそうだな…」
「それはこっちも同じ台詞を言わせてもらうよ」
 
「あんさん等強いなぁ〜それをみこんで1つたのまれて欲しいんや!
あんさんだけには言うけどな、実はおいらの巻き物がなくなってしもうたんや!
あの巻き物はおいらの命のつぎに大事なんや!あれがないと、おいら生きていけないんや!な、頼むわ!」

『なら、アンタ今生きてなんじゃなの?』
『うん。その巻物がないと生きていけないんだったら、君生きてないよね?』
コマキとコロクの口からご尤もな質問が呼び出た。
それを聞きネギシの式神だった――繁茂のマスラオは慌てて『モノの例えですわ』と言った。
は不審に思いつつも『どんな巻物だ?』と尋ねた。
「巻き物にはな、「地」という目印があるんや。」
「それなら、お前さんが持っていやしたでしょう?あっしに攻撃してきたときに完全に使っていやしたね」
「ゔ…」
オニシバにそう言われマスラオは口をもごもごと言わせた。は不機嫌そうに無言の威圧をかけた。
「あんさん、堪忍や!ちと負けてくやしかったんや!
悪気なかったんやて!いと小さきものの小さな過ちやさかい堪忍してや!」

「俺達にそこまでお前を弾圧する権利も義務もない。
だが、1つだけ覚えておけ、腹いせに人に当るのは最低な奴がやることだ…
お前にはいいものがあるんだ、人をひがむより…それを磨け」
はそう言うとオニシバにドライブに戻るように言った。
『契約しなくていいんですかい?』とオニシバは尋ねるが、は首を横に振った。
「愚か者―ッ!!人を騙すとは何事かッ―――!!」
「むおぉ――!!カ、カニエモン!!ちょいまってーや!おいらに罪ないて!」
「問答無用!人を騙すこと自体が罪なのじゃ―!」
「んな殺生な!姐さん!さっきのことはホンマ土下座して謝るさかい!おいらをた、助けてやって!」
 
繁茂のマスラオと契約した!
種族 繁茂 性別 成長 節季 芒種 属性
相性 有利・朱雀 不利・大火 武器 陰陽巻物 金言全集 特殊能力 バトル開始時式点5に回復
攻撃1 スライディング 攻撃2 タックル&キック ←A
必殺技 防御力UPの術 ↑←A 必殺技2 獣牙の術 →↓←A
超必殺技 金言全集 ←↑→↓A 超絶必殺技 一石二鳥巻 ↓→↓←↓A
 
「……調子いいな、お前…」
「んな悠長なこと言ってる場合ちゃうて!
カニエモンは閻魔式神っちゅー怖い異名持った式神や!甘く見てると痛い目にあうで!」

「大丈夫だ。なんの為の闘神士だと思っている。
マスラオ、お前は俺の通りに動いてくれればそれでいい。頼むぞ」
「ああもうホンマどうにでもなれっちゅーんや!」
「汝等の罪は重いぞッ!!」
 
「皆生きているだけで罪なんだよ。生命の犠牲の上に生命は立つ。
……そんな細かいことまで罰していては、世の生き物すべてを罰しなくてはならないんだよ。
少し心を広く持てカニエモン」
「……子供に諭されるとは不覚…」
「子供いいはりましてもこの方は闘神士や!物事を深く考え、行動しはる…最高の…」
「マスラオ、お前は喋りすぎだ。少しその口、閉じておけ」
は軽くぱんっとマスラオの頭を小突いた。マスラオは『姐さんそれは堪忍や〜』と言って笑った。
「繁茂の言う通り…お主、中々の闘神士と見た。是非、わしと契約を結ばぬか?」
「俺なんかで良ければ…是非とも頼む、カニエモン」
 
凝寂のカニエモンと契約した!
種族 凝寂 性別 理知 節季 大寒 属性
相性 有利・椿 不利・黒鉄 武器 陰陽小槌 大弾正 特殊能力 敵の「睡眠」術、無効
攻撃1 なぐる 攻撃2 連続タックル ←A
必殺技 氷塊の術 ↑←A 必殺技2 一撃死 →↓←A
超必殺技 大弾正 ↑←↓←A 超絶必殺技 判決水泡刑 →↑→→↓A
 
『ワシはいくらでも殿の力になろう』
「ああ、感謝するよカニエモン」
 
「なにかあるとは思ったんだが……」
『はずれ…のようですな』
深い溜息をつきは言った。ツクモも辺りを見渡すが、彼の目には特に目を引くものは写っていない。
「もどるか……」
「ちょっとまてぇ〜〜〜!!!」
「!?チッ!いつの間に後ろを…!」
「…なぁッ―――――!!!前回と同じボケかますなぁ!!」
「前回??何を言っている貴様、俺は貴様なんぞと顔を合わせた覚えはないぞ」
男――ナカムラは大声で嘆く。は不信そうな顔をしてナカムラを睨んだ。
『何事ぞ』
「カニエモン…あったこともないというのにコイツがあったことあると言い張って…」
『!貴様!新手の結婚詐欺師じゃな!
そのようなこと、殿が許しても…このカニエモンが絶対に許さんぞ!!』

「…カニエモン、俺、まだ結婚できる年齢ではないんだが?……聞いてないなコイツ…」
 
「やるねー美人のねーちゃんYo!特別にオレ様と契約結ばせてやるYo!
…と言ってもこのレースに勝てなけりゃ、ダメだけどな!」
けらけらと笑いながらナカムラの式神であった――秋水のナマズボウは言った。
「また走るのか……」
殿の足であれば、なんの心配もないだろう』
一度契約を結ぶときにを走らせたことのあるムミョウは自身ありげに言った。
は『そうだが…』と自信なさげに言葉を返すが、ムミョウはさらに言葉を足す。
『ならばよく考えてみよ。…あの陰の薄い闘神士でさえ契約を結べたのだ、殿に結べないはずがない』
「……それもそうだな。奴にできて俺にできないはずがないか」
「お喋りはそのくらいにしとけYo!そんじゃ!レッツらゴー!」
 
「YoYo!おめぇ、やるじゃんかYo!いいぜ!契約結んでやるYo!」
「よろしくな、ナマズボウ」
 
秋水のナマズボウと契約した!
種族 秋水 性別 根性 節季 霜降 属性
相性 有利・柊 不利・白銀 武器 陰陽サスマタ 三番掻 特殊能力 敵の「呪縛」術、無効
攻撃1 頭突き 攻撃2 殴り&頭突き ←A
必殺技 噴水の術 ↑←A 必殺技2 呪縛の術 →↓←A
超必殺技 三番掻 ↓←↑←A 超絶必殺技 鳴動震撼波 ↓←↑←↓A
 
「しかし、ナマズボウ…お前、どこでそんなラッパー風になったんだ…?」
『ん?これは結構前の闘神士の影響Yo!』
「………その闘神士色々と教育間違ったな…」
そう言っては心の片隅で、ナマボウズの言葉遣いを正そうと目論み始めていた。
しかし、そんなの考えを一人の女の声が止めた。
「いい走りっぷりだったねぇ…それに中々の腕も持ってるみたいじゃないか」
『………甘くみない方がねーちゃんのためだYo。あのチヨロズって式神は色々隠し持っていやがるからYo』
達の前に不意に現れた白銀のチヨロズ。
先ほど契約した、白銀とは相性の悪い秋水一族であるナマズボウはに耳打ちをした。
は『まさか』とナマズボウを疑った。
「ナマズボウ……あんた、このあちきの陰口言うつもりかい…?」
『!?そ、そんなつもりはないYoー!ねーちゃん!オレ様を助けてくれYo!!』
「助けるもなにも、彼女の気分を害したのはお前だろう。ここは穏便に謝っておけ」
は自分の背に隠れるナマズボウにキッパリと言った。
ナマズボウはバツが悪そうに『悪かったYo』とチヨロズに謝った。
「なんだいあんた、もしかして平和主義者ってやつかい?」
「無駄な闘いは好まん方だ。善悪は兎も角として勝つのは俺達だし、無駄な体力は使いたくないからな」
チヨロズに問われては割とあっさりと答えた。
一部の式神達は思いにもよらないの答えに驚いたようだった。
「だが…避けられない…もしくは俺にとって守るべきものを傷つける存在には……容赦なく叩きのめすつもりだ」
「ふぅ〜ん…自分の正義を貫くってわけかい?
……それはいいことさぁ…でも、力の伴わない正義なんて馬鹿の綺麗事さ」

「なら、試してみるか?俺に己の『正義』とかいうのを貫くことのできる力があるかどうか」
はニヤリと不適な笑みを浮かべる。それを見てチヨロズもニヤリと笑った。
「いいねぇ。その勝負、このチヨロズがしかと受けたよ!!」
 
「あんた、強いねぇ…流石、あちきに勝負を挑むだけあるねぇ。
あちきはあんたみたいな強いおかたをさがしてたんだよ今まで、チンケな闘神士ばかりだったからねぇ」

『あったり前じゃん!ご主人様は最強で最高の闘神士なんだから!』
「コマキ、恥かしいからやめてくれ」
コマキが不意にドライブから顔を出してチヨロズに言った。
は困ったようにコマキを止めた。しかし、コマキは言葉を止めなかった。
『ご主人様はつよーい!式神としか契約しないの!だからさっさと他の闘神士探してよね!』
「ンフフ…残念だけどあちきはあんたの強さにホレちまったんだよ。誰がなんと言っても付いて行くよ」
 
白銀のチヨロズと契約した!
種族 白銀 性別 正義 節季 寒露 属性
相性 有利・秋水 不利・白虎 武器 陰陽大鎌 今狙刈 特殊能力 味方の「毒」術の成功率1.5倍
攻撃1 タックル 攻撃2 キック斬 ←A
必殺技 毒の術 ↑←A 必殺技2 落雷の術 →↓←A
超必殺技 今狙刈 ↑←↑↑A 超絶必殺技 天道断罪斬 ←↓→↓←A
 
『あッ―!何勝手に契約してるのさ!!破棄しろ破棄―――ッ!!』
『甘露の、あんたの耳はお飾りかい?あちきは誰がなんと言うとについて行くって言ってんだよ』
『ご主人様いいの!?!』
「いや、別に仲間が増えることはいいことだし…問題ないだろう…?」
不思議そうになぜか怒るコマキを見ては首を傾げつつコマキに言葉を返した。
コマキは『むむむ…!』とチヨロズを睨んだ。
チヨロズはふふんとコマキを見て鼻で笑いにまとわりついた。そして、の頬にキスをする。
「!?チヨロズ!?」
『あ゙――ッ!なにしてんのさッ!!』
『キスの一つや二つで慌てんじゃないよ。
これはあちき流の本当に信頼した闘神士に送る親愛の接吻だよ。ありがたく受けとっておくれ』

「あ、ああ……一つ失礼な質問をするが……俺はどう見ても女だよな?」
『そうだねぇ、あんたは女だねぇ。だけど、式神からの愛に性別なんて大した問題じゃないんだよぅ』
そう言って笑うチヨロズにコマキ以外の式神全員が色んな意味での脅威を覚えたという…。