「ブリュネはさ、本当に中世の騎士みたいだな」
苦笑いしながらはブリュネの背を身ながら呟いた。
『騎士』などと称されブリュネはどう言葉を返していいものかと悩んでいるのか不思議そうな表情での顔を見た。
「深い意味があるわけじゃない。だが、俺はそう思った」
嬉しげに笑ってからブリュネの横には立った。
「今だって、俺が印を切るよりも先に前に出て妖怪を倒してくれただろ?そーゆーところが騎士っぽい」
「…?そうでありますか?
ジブンにとって殿は命に代えてもお守り通さねばならぬ存在。当然の事をしたまででありますが…」
さも当然のことでも言っているかのように言うブリュネを見ては絶えきれずに笑う。
ブリュネに関しては何故笑われたかすら理解できていないようで、また不思議そうな表情を浮かべてを見ている。
「ブリュネにとっては『当然』か。これは完全にブリュネは騎士気質決定だな」
クスクス笑いながら言う。
別に嫌な気分ではないが、珍しく楽しげに笑うを見てブリュネの中で『騎士』というのは、
誉め言葉なのかどうなのか更に判断しにくくなっていた。
『ナイト』といえば、カッコがつく。
だが、騎士といわれるとどこか硬く厳しい、融通の利かないというイメージがつく。
ブリュネ自身、自分にそんなイメージがあることを自覚していた。
それ故に、遠まわしにそういった意味で言ったのではないかとブリュネは想像していた。
「……殿はそんな式神は嫌でありますか?」
「いーや」
少々不安な気持ちを持ちながらブリュネはおずおずとに尋ねた。
だが、はケロリをした顔でブリュネの不安を打ち消した。
いつも通りの不適な笑みを浮かべて真っ直ぐブリュネを見た。
「寧ろ、好きだ。ブリュネみたいな式神は珍しい。騎士道を本当に重んじている主思いのやつは…。
だから胸張っていい。青龍族ではブリュネと一緒にいる時が俺は一番安心できるんだから」
「嬉しい言葉であります。そのように思われていたとは…」
「ブリュネは特別。安全圏だからな」
『安全圏?』とブリュネは聞き返すがは苦笑いを浮かべて気にするなと言って誤魔化した。
だが、ブリュネはそれを深く探る事はしない。
言う必要がないから言わないのだから、それを深く探るのは失礼だと思っていから――
そんな事を思っているのかと思うとはまた笑う。
「本当に……ブリュネの傍は安らげるよ」
笑っているのはだけ、ブリュネはやはり不思議そうな顔だった。