どうも、高原紅霞です。今、とてつもない危機に陥っています。それは…………。
「………ほぼ全部赤点だったな、紅霞。追試決定だな」
「だっ、大丈夫だよ;私、教えるから」
「無理だろ」
「だよな、追試来週だし」
「セイザン・ユーマは黙ってな」
「ボクも出来る限り手伝うよ」
そう、実技関係以外のほとんどが赤点なんです…………(泣)。
「っつーか、あたしは赤点ばっかなのに、何で蒼牙は学年トップなのさ」
「…一応、真面目に勉強してるからな」
因みにこの間の長い反応をするのは双子の兄の高原蒼牙。
いっつもやる気無いくせに、成績がやたらに良い(学年トップだし)。
あたしとは大違い。本当に兄妹なんだろうか、疑いたくなる。
そして、あたしを心配してくれてる二人は太刀花マイと飛鳥ユーリ。
マイは天流宗家でユーリは地流宗家で普通は仲(?)が悪いはずなのに、親友なんだよね。不思議。
で、あたしを馬鹿にした二人とそれを一蹴したのは劉セイザンと飛鳥ユーマ、桐原海。
ユーマはユーリの双子の兄、セイザンは現在逆式中(まだ未完成らしい)、海野球部ではユーマとバッテリーを組んでいる。
蒼牙以外の五人はこの学園に入学して以来、一番仲が良い人達なんだよね。
「………よし!」
「マイ?」
「紅霞、今日家に来れる?」
「えっ、勉強見てくれるの!?」
「勿論。他の皆はどうする?」
突然、マイが声をあげたと思ったら、あたしの勉強を見てくれるみたい。やっぱり、持つべきものは友だよ(涙)。
「……俺は強制だろ?(蒼牙)」
「ボクも行くー(ユーリ)」
「俺も(冷やかしに)行っ…」
「セイザン、冷やかしだけなら、二度と朝日は拝めないと思え(笑顔な紅霞)」
「……はい(汗)」
「俺は部活がある(ユーマ)」
「ごめん(海)」
まぁ、皆来れない(内一人は脅した)けど、いっか☆
 
 
 
〜放課後〜
「そこはそうじゃなくて…」
「え?じゃあ……」
「そうそう、そうなるんだよ」
今、マイの家でマイとユーリに勉強を教わってる。
二人に教えて貰ったお陰で少しずつ解り始めた。まだまだ、道のりは遠いけどね;
「…暇だ」
「蒼牙、暇そうだね」
「姉さん」
「あ、リクおかえり。どうしたの?」
気付くと、マイの弟・リクがいた。何だかリクはマイに用があるみたいだけど……。
「ただいま。あの、姉さん、勉強教えて欲しいんだけど………」
「いいけど、後で良い?」
「あ、うん、ごめん忙しいときに」
どうやら勉強を教わりにきたみたい。
けど、マイがあたしに教えているのをみて、諦めたのかな。
引き際がいいのはいいけど、健気すぎる。いい弟だよ。
そんな時、
「…太刀花、俺が教えようか?」
「え?貴方は…」
「あぁ、彼は高原蒼牙。紅霞の双子の兄よ。蒼牙、こっちは私の弟のリク。
そうね、リク、蒼牙に教えて貰ったら?蒼牙、私より教えるの、上手いから」
「え、でも…」
「……構わない。どうせ暇だし、紅霞の後となると、いつになるか分からなくなるからな」
「蒼牙、どーゆー意味よ」
「文字通りの意味だが?」
さらりとあたしに対して失礼な事を言いつつも、リクの面倒を見ると言いきるとは……。
お人好しにもほどがあるぞ、蒼牙。
「じゃあ、お願いします。高原先輩」
っておい、リク!あっさりと承諾するなよ!
「………蒼牙でいい。紅霞と交ざって混乱するだろうし、第一俺は先輩なんて柄じゃない」
「そうですか、じゃあ蒼牙さん、ボクの部屋に行きましょうか」
「ああ」
「あ、後でお茶持ってくねー」
出会って数分ですっかり仲良くなっちゃって…。まぁ、二人とも性格が似てるからなー。
いやむしろ、マイの順応性に驚きだよ、あたしは。
「さて、と」
「?」
「次、行こうか?」
「え゛」
「そだね。次、数学いってみようか♪」
「イヤ――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「来週追試の紅霞に拒否権はないよ」
「マイに賛成〜」
というわけで、マイとユーリのお陰で追試は全てクリアできました。でも…
「次も追試にならないように、今から勉強教えない?」
「そうしよっか」
「…二人はあたしを勉強漬けにするつもりですか?」
「「気のせいだよ」」
とまぁ、最近では二人の部活が休みの時はマイの家で勉強会が当たり前となってしまった(泣)。
んで余談だけど、あの日以来、リクは蒼牙に勉強を教わることが多くなったとマイが言っていた。
 
 
 
 
 
遅くなりまして、すみません。そして駄文でごめんなさい。
一応第三学年は全員出演したはずです。台詞が少なかったり、キャラ・言葉遣いが違っていたらごめんなさい。
リクは友情出演というか、成り行きというか…………。
最後まで読んで下さって、ありがとうございました。