この世界は最高に素敵な場所です。でも、生き地獄とも言える気がしてならないのは私だけですか?
迂闊には抱き付けない。彼らには最強の守り人がいるのだから。
生死の狭間を駆け巡り、確実にたどるは……意識遠のく気絶オチ。
頼むからグーパンチはやめようぜ。これでも一応女なんだしさ、………お互いに。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「闘神士…だったんですね」
「あーうん…どうやらそうだったみたい…ミソヒトに怒鳴られて思い出せた」
驚きの表情をもとの普通の表情に戻せないままリクが私に尋ねてきた。ポカンと私を見てるその姿もこれまた可愛い。
心の中ではにまぁっと笑っているが表上ではそれなりにそれを感じさせないまともな表情を浮かべて言葉を返した。
「あの…つかぬことを聞くんですけど…流派は…」
リクに問われて自分でも不思議に思ったので流派章を眺め…
…ようとしたが、そんなもの着けてないことを思い出して固まった。
取り合えず、記憶喪失者という設定を生かして記憶のあるときからの相棒であるミッ君を見て尋ねた。
『なんじゃい。お前の流派を聞きたいのか?』
「うん。覚えてないのよ。しかも、流派章ないし」
『色々と忘れるついでに失ったのぉ』
「好きでそんな目にあってませんから」
豪快に笑いながら言うミソヒト。そんなミソヒトと私の会話にリク達は苦笑いを浮かべている。
そんな彼等を見て私は本当に良くできた式神と契約させてもらったもんだと心の中でことの首謀者に感謝した。
以心伝心、それを司った式神だからこそ、この芸当ができるのだろう。
あとで、ミッ君には盛大にお礼を言っておかなければ…。それより、酒振舞った方がいい?
『お前の流派は地流じゃ』
「「!?」」
「……えー…?」
驚愕の事実とでもいうかのようにリクとソーマは表情を歪めた。
しかし、私は心の何処かで地流と流派に自分が属す事はまずないと確信的ななにかあった。
…というか、ミッ君の口ぶりを見る限り、嘘を――いや、冗談を言っているようにしか見えないのだ。
いい式神ついでに結構ミッ君はお茶目さんらしい。本当に最高だよあなた様は……!
『…というのは冗談じゃ。コイツは天流の闘神士。少々異端なところはあるが、童、お主の共となるべき者じゃ』
ミッ君がリクを真っ直ぐと見て言う。
リクは一瞬は驚いたのか、たじろいだがやはりそこは天流宗家の血なのか、
ミッ君を良い式神と判断したようでミッ君を真っ直ぐと直視して黙ってミッ君の話を聞いている。
その場面を眺める限り、リクとミッ君がパートナー同士みたいで、ヤキモチ妬くわよミッ君!!
つか…異端とはどういった意味なのか…。失礼な意味なのか、それとも……。
『なにをボーっとしておる。数少ない天流の者にあえたのだ、挨拶ぐらいしたらどうじゃ』
「あ!そうだ!…えーと、あんまり本当に名前ぐらいなものしか思い出してないけど…
天流闘神士、。できれば今後もよろしくね」
「はい!…良かった。天流の仲間が増えて」
「よかったな、リク!」
微笑みあう少年二人。生き地獄只今体験中。
しかし、夢だと思ってしまうと『まぁいいか』その一言で大胆な行動に出てしまうのが私の恐ろしい所だって話です。
でもね、一種特権だと思うから、病気だから。まぁいいということにしておきましょうよ。
そして、ここで気づいた。これが夢じゃないってことにね。

 

 

「二人とも可愛い―!」

 

 

温かきは人肌なわけよ。
 
 
 
太刀花荘に住み始めてから3日。生き地獄でありながらも素晴らしい生活は送れております。
形は一応高校生な年齢ということなのですが、学校は行っておりません。
いや、住民票もないので入学等もできないっていうのが一番大きい理由なので、行っていないというよりは、行けないのよ。
ここはかなり重要ですよ。
抱きつき癖があると説明したらリクもソーマも苦笑しつつ、『心臓に悪いからできるだけ…』といわれた。
確かにいきなり人に抱き付かれては…驚くよな。私だって驚くよ。
でも、癖だから仕方ないと諦めている節もあるようでここ最近は抱きついても苦笑いも怒りもしなくなった。
人間のなれって…素晴らしい!!
「リッ君、トマト8等分によろしく〜」
一度はチャレンジしたリクの手料理……。
降臨したよ…黄龍の爺様が…!!笑っていらっしゃいましたよ。君、イエーイ☆』って。

 

 

 

軽ぅ―――――――いっ!!!!

 

 

 

漫画だったら吐血してますね。ビックリしたから。こんな料理ってあるんだなぁ…って感じでした。
私でもこんな料理は作った事ないよ!!そんなわけで、ここ3日間は暇人である私が料理を担当している。
料理は下手ではないので、取り合えず二人には食べられる物を提供している。
まぁ、ありきたりなレパートリーしかないのが欠点だが。あと、魚の生きがよくないのが痛い…。
でも、朝食等の場合は刺身なんて食べるわけないし別にどうでもいいといえばどうでもいいことだけどね。
「ソーマ君達遅いねぇ…リッ君、配膳とかあたしがやっておくからソーマ君呼んできてもらえるかな?」
「あ、はい」
リクは本当に素直な子だ。私が頼むと割と何でも言う事を聞いてくれる。
まぁ、家事の手伝い的な頼み事しかしていないんだから聞いてくれてもおかしくはないんだけれど。
リクは台所から離れてソーマのいる前庭へと行ったようだった。
ここ最近、特に地流闘神士も襲ってくる事なく、とてーも過ごしやすい日々を送っております。
それと同様に、私の資金源も突き止める事はできずにいる。
調べ様がないことも確かだが、この家から離れないのも一つの原因だ。
平凡でも充実した日々を送れている。
だが、その頭の片隅で私のいなくなった現実世界はどうなっているのか少々心配だった。
職業体験の相方である野球男児はどうしているだろう?それがかなり気になっている。
機転の気かなそうな奴だから余計心配なところである。あとは、うちのHPどうなるんだろう。
とか、かなり私欲が絡んだ内容ばかり浮かび上がる自分の頭に呆れつつ、納得しつつだった。
「…にしても遅いなぁ」
配膳も終えたというのにソーマどころか、リクすら帰ってこない。不信には思いつつ、特に行動は起すつもりはない。
きっと戻ってくるだろうし、もし地流に襲われているのであれば、戦いの音が聞こえてくる。
しかしそれが聞こえないということは、二人の身みには、危険がないという事ができる。
ならば、私が行ってもどうしようもないだろう。
だが、野次の気質の強い私なのだから。ここに黙って座っているわけない。
先ほどの言葉は単なる冷静でカッコのいい正論を言っただけのこと。私はそんなにカッコイイ人ではありませんから。
萌えを貫く夢見人ですから。
ウキウキしながら立ち上がってリク達の様子を見に行こうと玄関に向うと、いきなりリクが突っ込んできた。
一人の少女を抱えて。
 
 
 
「ふはぁ〜ご馳走様でした!久しぶりにおなかいっぱい食べさせてもらいました!」
「お粗末さまでした」
リクによって担ぎ込まれた少女は私にとって馴染み深い存在だった。だが、私の中で胸騒ぎが巻き起こる。
この世界は本当に陰陽大戦記の世界なのかどうなのか。それが私の今一番の疑問であり不安要素。
始めから、狸里のポンキチが姿を見せた時点で色々と疑ってみるべきだった。
「ボクはユエといいます。今回は介抱してくださったうえに、お食事まで…感謝の言葉もないです」
少女の名はユエという。お腹を空かせて太刀花荘の前庭で倒れていたそうだ。
それをリクが放っておけないと家に担ぎこんで私とぶつかったワケだ。何処かで聞いたような話の展開。
残念ながら聞いたとかいう次元を超えている。そんな話を作ったのはなにを隠そう私自身だ。
そして、この目の前で愛らしい笑みを浮かべているのは、私の生み出した闘神士兄弟の一人だ。
リク達が会話を進めているなか、私はただ一人眉間に皺を寄せて思考をめぐらせていた。
それをリク達に気づかれないように更に考える。
どう考えてもおかしいのだ。このユエという少女は私の知っている陰陽大戦記には絶対に現れる事のないキャラクター。
現れたとしても私の開設HPのなかに限った事である。なのに出てくるということは……。
「…さん、さん!」
「はい?!」
突然腕を掴まれ大きな声でリクに現実世界に引き戻される。一瞬、ことが飲みこめずに呆然とする。
視線の中に入ってきたのは不安げなリクとソーマとユエの顔。どうやら相当、私の眉間には皺が寄っていたらしい。
不安気、とはいうがソーマとユエに関しては何処か恐怖心が伺えた。ことに気づいて慌てて顔をかえる。
苦笑いだったが三人の顔からは一応恐怖心が抜けたように思えた。
「ど、ど、ど、どったのリッ君」
「あのっ…ボクを仲間にしてもらえませんか…?」
ユエの弱々しい目が私を見る。心細そうなその目は完全に力を失っている。
あの話の通りに今ここでユエをこのアパートの住人にしておかなければ、確実に…あいつが黙ってはいない。
大惨事になることは火を見るよりも明らかか…。
「あたしに決定権はないけど、可愛い子は大歓迎だよ。それに、ユエちゃん悪い子に見えないし」
ニッコリと笑ってユエの不安を取り除くつもりで優しく頭を撫でてあげる。
リクに目配せして『ね?』と同意を求めるとリクも笑顔で『勿論!』と私と同様に笑顔で答えを返してくれた。
ユエの表情がどんどん明るくなり、私が思い浮かべていたユエ像よりも…可愛かった。
いやはや、お母さんビックリよ。
「あ、ありがとうございます!あ、あつかましいお願いなんですけど…住み込みでここで働かせていただけませんか?
もちろん、お給料とか要りませんから!
ボク、この通り一文無しのうえに行く当てもなくて…家事全般はこなせますから!」
「あらら〜あたしのお仕事なくなっちゃうね〜」
ええぇ!?ボ、ボク、さんのお仕事をとっちゃうつもりは…!」
冗談のつもりで言ったがユエは間に受けてあわあわと慌てる。私はそれを見て心の中でクククと笑う。
性格の悪い悪戯だがこのユエが私の『生んだ』ユエであれば、私の予想通りの答えが返ってくるはずなのだ。
そして、返ってきた答えは。
「(こりゃあ…大変なことになりそうだねェ…)」
 
 
 
「ミッ君。ミッ君はさ、この事の首謀者と顔見知りなんでしょ?つか、えーと…ナノとか言ったっけ??」
『うむ。お前をこの世界に送ったのはナノという人の形をした『神』じゃ。ワシ等と同等の力を持つ…な』
ミソヒトの口から出た言葉には以外と驚かなかった。ここは陰陽大戦記の世界。
しかも、この私が歪めた陰陽大戦記の世界ならばなにがあったとしても理解できる。
だが、作者が世界に迷い込むという設定は今まで一度もない。どうゆう風の吹き回しやら…。
『お主はこの先に何が起こるか…大体の目星はついておるのだろう?行動を起さなくてよいのか?』
「……私がいなくとも、この後三人のピンチにはユエちゃんのお兄さんがお迎えにやってきてくれるよ…」
地流闘神士ミゼンと戦うリク達を遠目からミソヒトと共に眺めている。
ミゼンは鳳凰のラッカと従え、若き闘神士を相手に余裕の構えだ。それもそのはず、このミゼンは地流でも力のある闘神士。
伏魔殿内捜索部部長――クレヤマとは無二の親友であり、予期好敵手だと記憶している。
それ故に、高位式神鳳凰一族と契約できているのだが。
この男の実力は本当のところ、この三人を全員相手にしても余裕で勝利できるだろう。
奴の本気はどれほどかなどは考えたこともないが、クレヤマの好敵手になるのだ、かなりの実力であることは確かだ。
「(これを裕に倒すんだから……あの人はものすごいんだなぁ)」
ミゼンが素早く印を切る。
それを目で追うだけで私はいっぱいいっぱいだ。表舞台に出なくてよかったと思ってしまった私はやはり臆病者だ。
だが、ここで落ちる気にはならない。それに、放っておいてもこれは誰一人犠牲者を出さずに終わりを告げる。
それを歪めて大変なことになってはそれこそ一大事。
それは流石に嫌だ。ことを見守るつもりでいた私にとってはそれは一番に防がなければならない。
、いいのか?あのままではあの式神が倒されるぞ?』
「は?」
ミソヒトに声をかけられ視線を離していたリク達の戦いに再度目を向ける。
そして、私が見たのはありえもしない光景だ。ユエの式神――朱玄のライヒが膝をついている。
ユエが印を切れないために攻撃手段を断たれているにしても、ライヒが膝をつくはずなどありえない。
闘神士が新米とはいえ仲間がいる。コゲンタとフサノシンはおそらくライヒとの連携をとりたがらないとは思うが、ライヒのことだ。
上手く丸めこんでいくらでもあの二人を見方に付けるスキルはあるはずだ。だというのに……。
「どうしてこんなことに…ってオイ!なんでや――!!!
ラッカの横にはもう一体。赤龍のセッキがいる。闘神士は並のようだが…式神の質がいい。
こりゃ、流石のライヒ様も膝をつくわけだ。普通に三対二だもんなぁ…。そりゃそーか。
やはり、私という存在があるが為に、この話は変わり始めているらしい。
チィッと小さく舌をうち、私は戦いの中にミソヒトを降神した。四対二ならまぁ、なんとかなるだろう。頑張れ俺達。
「あら、猫ちゃんと小鳥ちゃんのお次は巨大カブトムシかい?」
いくら弱っていてもいつもの強気は失う事はない。それがライヒの強さであり、性格が悪く見えるところである。
だが、そんなライヒの破天荒さというか、個性が私は割と気に入っている。
こういう奴がいないと面白くないし、そうでもしないとライヒの相方の性格が引き立たない。
……よく考えれば、それが一番大きな理由の気が…。
、随分と無礼な式神を助ける気のようじゃな」
「……え?じゃあ、目的はユエちゃんやリッ君を助けるってことで」
「失礼なのはアンタの闘神士じゃない。赤銅」
「ラ、ライヒ!!さんごめんなさい…ライヒが失礼な事言って…」
「ああ、気にしなくていいよ。貶されてるのはなれてるから。
でも、少しライヒサマには黙っててもらおうかな?ユエちゃんが闘神士おりちゃ大変だしね」
小さいユエの肩を叩いて私はユエに下がっているように言う。
ところがどっこいライヒなしでこの二体の相手ははっきり言って至難の技の技だ。
はっきり言って無理!第一に鳳凰一族が相手っていうのがもう駄目。
だって、鳳凰一族は式神の中でもかなり強い力を持った式神だしー。つか、属性考えると余計無理くさ!
頭の中では色々策をめぐらせつつ、目線はミゼンともう一人の闘神士にいっている。二人とも、隙がない。
格闘技でもやっていたのかよ。くそ!誰だこんな設定作った奴は!!……お前だよ。
「はてさて、ミッ君。カッコのよろしい事は言ってみたにしても…どーしましょうかね?」
「さてな。ワシに聞く前に自分で考えたらどうじゃ?」
「……ミッ君もイケズだねぇ〜。もう精一杯考えた末に聞いてるからね
強がってフッと笑みを浮かべながら言う。
しかし『わかっとるわい』とぶっきらぼうにミソヒトは言い放ち私はなんとなく疎外感を感じた。
もう少しフォローしてくれたっていいんでないのミソヒト!!つか、お前も策がないのかよ!!
お先真っ暗に程近い戦況の中、頭に引っかかるのはあの存在。
強き闘神士サマは一体いつになったら我々の前に姿を現してくれるのか…。ミソヒトと私の気力が尽きるのだって時間の問題だ。
「長期戦にするつもりはありません。そろそろ、終りにしてさしあげましょう」
「御意。必殺、炎尾千舞」
ラッカの腕にある羽がハラハラと落ちたかと思えば羽は焔の刃と火球に姿を変える。
ラッカの基本的な技であり、強力な火属性の技。勘弁願いたい。こっちは火属性に弱い金属製なんですけど!?
ここで闘神符の一枚でもあれば戦況を変えられるというのに…リクに分けてもらうべきだったかなぁ…。
そんなことを頭の片隅で考えつつミソヒトに火急を鉄球で打ち消すように命じる。
だが、数が数だけにミソヒト一人で間に合う話じゃない。
「なにやってんだか…あのお人は…ッ!」
ぶつくさと呟きながらいちかばちか印を切ろうとドライブを動かすが、不意にそれを止める事態が起きる。
私が早く来いと思っていた事だ。ニヤリと笑って心の中でミソヒトに戻るように言った。
 
 
 
「ユエを傷つけようとはな…どうやらこちらも手抜きはする必要がないようだな」
 
 
 
長い蒼髪を流し、全体的に黒い印象を受ける。
言葉を放った少年はその顔に既に勝ち誇ったような笑みを浮かべてミゼンを見ている。
少年を見るミゼンの顔には怒りと憎しみの感情がある。
それもそのはず、この二人は、いや、ミゼンにとってこの少年は我が子を奪った人間なのだから。
『…あの娘に任せてよいのか?』
「あら、ミッ君。あの子がだってことに気づいたの?」
『当たり前じゃ、長年人間と付き合っておればこの程度の予想はつくわい。で、任せておいてよいのだな?』
「勿論。あの子の実力はあたしがよく知ってますからねぇ…ミゼン達如きで落ちるようなお人じゃないよ」
不満気に尋ねてくるミソヒトに余裕の笑みを浮かべながら言葉を返す。どう頑張ってもミゼン達に勝機などない。
寧ろあってくれては困るんですけど。
リクとソーマの二人にはコゲンタ達をドライブに戻すように言って戦いの場から少々距離を置く。
あの場にいてもおそらくは彼――いや、彼女の足手纏いになるだけだ。それは勘弁したい。
だって、睨まれたくないし。
「(さぁ〜て…ゆっくり見学といこうでないの)」
このときの戦いは一生忘れない。そして……自キャラ萌え、最高。(ヤメレ)
 
 
 
 
 
大馬鹿者!!
俺にだけならまだしも、他人に迷惑をかけるとはどうゆうことだ!!あれほど他人に迷惑をかけるなと…っ!!」
…物凄いな本物は。ユエの兄、いや、姉である――がユエを怒鳴りつける。
ユエはしょぼんと肩を落とした状態でビクッとその身を強張らせた。その近くで私はまたビクッ!と驚かせてもらった。
いや、あまりに唐突だったモンで…。しかも、の声は物凄く大きい上に迫力十分なのね。
あと、完全にその声に含まれた怒りの部分が空気をぴんっと張り詰めた物にしていたせいもあり、思う以上にビックリした。
だが、そんな私を気にする素振りもなく。…というかユエのことで必死で私の存在が眼中にないんだけなんですけど。
不機嫌そうに拳を握っている。
だが、それをの式神である龍虎のが苦笑いを浮かべての拳を止めていた。
様、もうよろしではないのですか?ユエ様もご無事だったのですし…』
『そうよ。これ以上言ったらまた失踪しちゃうわよ?』
「縁起でもない事を言うなライヒ!ユエ、今度こんなことをしてみろ、そのときはお前からライヒを奪うぞ」
ドスの聞いた声で脅すように言う
溺愛している弟だっていうのに…他人サマの前では厳しい姉(兄)を演じるとは…以外とも大変だな。
多分、この場に渡した違いなければ、こんなに怒鳴る事はなかったんだろうなぁ…優しく慰めるも見てみたい…!
『あの、様…ライヒを助けてくださりありがとうございます』
「え?あ、ああ…ユエちゃんが闘神士降りるのが嫌だったからね。それに仲間だから助けるのは当然だよ」
不意にが私に声をかけてくる。霊体ではあるが私より高い位置にはいず、必ず私の頭より低い位置にいた。
やっぱり、礼儀正しい子だ…!ああ、本当にと大違いだ。
あからさまに年上とわかる外見を持つ私に対しても特に敬語を使う事はなく、あくまで見下すような態度をとる
多分、直感で私を自分より実力ない人間と判断したんだろう。…そりゃそーか。HPの対話文見たって明かだっての。
だが、それとうってかわってのこの態度!ああもう、最高に可愛いなぁは!
「………」
「…!」
そんな阿呆な事を思っていればのきつい視線が私に突き刺さる。貶されたことを感じ取ったらしい。
…まったく、こうゆう事だけには勘の鋭い娘っこだ。恋愛には鈍々の鈍感なのにさ!
「…なにか、失礼な事を連想しただろう。あんた」
君ったら目が怖いよ。目が!お姉さん断じて君が可愛いとか思ってないよ!」
…言っておきますが、半分冗談です。でも、は可愛いところもあるのよ!多分!!
「リク、と言ったな。……今からでも遅くはない。こいつを今すぐ追出せ
「え゙」

 

 

 

そ の 対 応 は 、 い か が な 物 か と 思 い ま す よ 。