「なるほどなるほど…?あなたもユウさんと同じくニホン――異世界、もしくは未知の惑星のご出身、と……」 「…この娘に関しては 「いやいやしかしですねぇ…? 「………だから、なんだと?」 「…………はぁ…わかりました…彼女についてはあなたに一任しましょう…――ただし!
黒衣のゴーストに「クロウリー」と呼ばれた仮面の男の念押しに、黒衣のゴーストは静かに頷く――
「では、お引き取り願おうか――もちろんそこの少女とモンスターも」 「ぇ」 「…それは、どういう 「なに、 「……」
張りつめるような空気の中、
「はぁ……わかりました。
ため息交じりに、どこか諦めたような様子でクロウリーさんは黒衣のゴースト――ジェームズと呼んだ …うんまぁ当然だよね……縁もゆかりもないだろうイレギュラーのために、やり手だろうジェームズさんに貸しを作ってしまった――…んだから。
「…――さて、これで君たちの宿の確保はできました――が、 「ぁ、ぁの……な、にを…させられる…んでしょうか……」 「なに、そう身構えることはありません。 「ムー!ムムゥ〜〜!!!」
確認を取るようにクロウリーさんはグリムくん――簀巻きにされて身動きどころか話すことすらできない黒い ムガモガと暴れ――たくとも暴れられないグリムくん――だったけれど、
「掃除なんてイヤなんだゾ!天才であるオレ様が掃除なんて――」 「――なら、君をここに置いておくことはできません。 「ニャんだとォ?!ず、ズルいんだゾ!!」 「ズルい?ズルいとは聞き捨てなりませんね? 「…――そうだな。脳天に 「………貴方、ねぇ…」
クロウリーさんの問いかけに、ジェームズさんは小さく意地の悪い笑みを浮かべて「そうだな」と同調する。
「どうしますかグリムくん?ここを去るか、ユウさんと2人で雑用係としてここに残る――か」 「ぐぬぬぬぬぬ…!」
場を改めるようにクロウリーさんはグリムくんに
「――ではユウさん、グリムくん、明日から我が校の雑用係として励んでくださいね!
最後に「では!」と晴れやかに一言を残し、クロウリーさんは ……所詮「学園長」ってことですか、ね。 |
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学園長から正式に とりあえずの身の振り様――学園での立場と、明日の仕事が決まったユウさんとグリムくんは、 …んで、
「「「ボスーーー!?!!」」」
…なぜか、スポ根展開―― 私に蹴り飛ばされ、塀に叩きつけられた ……確かに、やりすぎた感はある。 がららと音を立て、崩れた塀の山から起き上がる
「――やはり、貴方は 「………うん?」 「レイヴ・アロガンス――…この名前に聞き覚えは?」 「――全然」 「…」
半ば確信をもってジェームズさんは問いを――「レイヴ・アロガンス」という名前を出したようだけれど、 問われたことに
「――っくしゅん!」 「む」
屋敷を出た時に降っていた雨は既に止んでいる――けれども、それで濡れてしまった
「話は中で続けるとしよう」
そうジェームズさんに促され、頭を回すことなく「はい」と答えてジェームズさんに先導される形で素直に屋敷の中へと戻る。 真白な埃が均等に積もって――いないある扉の前。
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■あとがき |