昨日の今日で既に一つ問題を起こした――のだから、今日はアレで打ち止めだろうと思っていた。
「……まったく…これは首輪……いえ、退去勧告止む無し案件ですよ――
朝っぱらから一騒動起こし、その罰として放課後―― 窓拭き百枚――なんて、冗談みたいなノルマを二人と一匹でこなさなくてはならないだけに、たった一人でも欠員は大きな痛手―― …あとまぁ強いて言うと――
「リスク管理が甘かった―― 「そーそー、アンタたちの躾がなってないからこんなことに――」 「――あ゛?」 「ヒッ…!」 「……よく聞こえませんでした。もう一度言ってくださいな」 「…………………ナンデモナイデスゴメンナサイ…」
この状況で、思い切りよく 「なんでもない」と言うトラッポラくんに「そうですか」と返し、改めて頭を回す――前に、ジェームズさんに根本的なことを問う。
「…9割方、修復は可能でしょう――ただ、小石程度ではダメです。握り拳ほどの原石でなければ」 「…………その 「……いえ、成人男性の平均、です」 「ふむ――……それでも十分大きいですね…」 「あれだけの 「わお…目の前がクラクラしてきましたねぇー…」 「っ――なら!早く鉱山へ向かうべきだ!魔法石が見つからなきゃ元も子も――」 「――以前に、テキトーな魔法石を持って帰って来ても仕方がないんです」
話し合うばかりで行動を起こそうとしない私たちに痺れをを切らせたのは生徒その2――インディゴの髪の少年デュース・スペード。 初対面の相手にいきなり厄介事に巻き込まれ、その解決に成り行きで協力した――とはいえ、 だからこそ――
「あくまで問題の核はシャンデリアを直すことであって、魔法石うんぬんはあくまで過程―― 「っ…」 「――まぁでも、後先考えずに面倒事に首を突っ込む無謀さは評価しますけどね―― 「「ヴっ!!」」
視線は向けず、言葉に毒を含ませ吐き出せば、その直撃を喰らった2名が苦しげに呻く。
「…さて、大食堂のシャンデリアを修理するためには、ドワーフ鉱山産の握り拳台の魔法石が必要――ということでいいですか?」 「はい――それが手に入れば、9割方問題ありません」
最後に改めてジェームズさんに確認を取れば、それにジェームズさんは静かに頷き肯定を返す。
「ドワーフ鉱山は閉鎖された廃坑――おそらく行き場のないはぐれゴーストたちが多数いるでしょう。 「…」
薄く笑みを浮かべ言うジェームズさんのセリフ――に、なんと返したらいいやらわからない私だった。 |
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闇の鏡を使って目的地――この世界で初めて魔法石が採掘された採掘場として、 日はとうに暮れ、心許ない月明かりだけが照らす森は――これだけ大所帯で行動していても、どうにも薄気味悪い。 …それを、強く実感しているのはどうやら私だけの様で、
「こんばんは――……って空き家か…」 「…この荒れ具合からいって……何十年と家主は不在、ですかね…」 「――ぶえ!顔にクモの巣が――…ペペペ!」
森の中にひっそりと建てられた山小屋――の
「…なんか家具が小さくね?子供用――…って!七個もあるってどんだけ大家族だったんだよ…?!」 「ぇ、あの…ドワーフ鉱山って言うくらいだから 「………ぇ、ドワーフって地名じゃないの?」 「そう…だったのかっ?!」 「ぇ…ぇぇと……??」 「いやいや、私に助けを求められましても―― 「はぁ?!誰が世間知らずらだよ!
学園で用務員として働くゴーストたちは職務上、人間に対して害をなさない――けれど、 ――ただそれは、今に始まった事じゃあなかった。
「……それは…まぁ………みなさんと同じ常識の上で生きてませんからねぇ――根本的に」 「は?…なにそれ……なんかめっちゃ腹立つんだけど…!」 「っ…――そ、そんなことより!ここに魔法石の手掛かりは無かったんだっ、炭鉱へ急ぐ行くぞ!」 「ちょっ…そんなことって――」 「はいはい、口論は歩きながらにしましょうか。 「っ…煽ってきた張本人がそれ言う?!」 「いやいや、煽ってませんし。事実を言っただけですし」 「…っ――オレ、アンタ嫌い!」 「おや……そこは意思が通じちゃいましたねぇ?」 「っ――…!やっぱ嫌いだわアンタ!」
からかいの色を含ませ、「ふふ」と笑いかけながらトラッポラくんに同調を返せば、 バタバタと小屋を出て行く少年少女たちを微笑ましく思いながら見守っている――と、
「…オマエ……性格悪いんだゾ…」 「ふふふ、なにぶん年下との接点が少なかったもので、テキトーな接し方がわからないんですよ」 「………絶対ウソなんだゾ…」
ジト目で「ウソだ」と断言するグリムくんに、苦笑いしながら「酷いですねぇ」と言う――けれど、
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■あとがき やっと…まともに版権キャラと絡んだ…よ…(吐血)好感度…底を抜いててメンゴだよ…(倒) 長らく脱線に次ぐ脱線と、のったりとした展開にお付き合いいただきありがとうございます…! そしてこれからもこーゆー展開が続きまーすっ(逃) |