正直なところ、うんざりしていると言えばうんざりしている。 だから、まぁ?
「――昨日の今日で何事ですかトラッポラくん」 「ぅおわ!!」
しようなく腹を括り、屋根を一段ずつ降りて――寮の玄関前にストンと着地する。 …尻もちをつくくらい驚かせてしまった事は、まぁこちらにも非はあるけれど――も、
「どっ…どこから出てきてんだよアンタ!!」 「…どこからって……屋根の上からですよ? 「いきなり飛び降りてきたらフツーに驚くわ!!
座り込んだまま、反射やら恥ずかしかったやらで「驚くわ!」と正論っちゃ正論を吠えるトラッポラくん――だったけれど、
「――エース?一体どうし――…たの?」 「どーしたもこーしたもねーよ!今日からオレっ、ここの寮生になる!!」 「は?即刻却下ですが?」 「さん…!」
どーしたもこーしたもなく突拍子もないことを言って寄越すトラッポラくん――に決定事項を言い渡す。 どうすっ転んでも面倒なことにしかならない――が、何気にトラッポラくん――と、スペードくんには貸しがある。 吐き出した――かったため息を、またもぅんぐと呑み込んで、 |
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トラッポラくん曰く、寮のキッチンの冷蔵庫に入っていた3ホールあるタルトのうち、その1ホールの1ピースを食べただけなのに、 食べかけのタルト――だったならまだしも、3ホールものタルトが手付かずの状態だったにもかからず、 程度の過ぎた罰則は相手側の
「明日、謝りに行こう」 「ぇえー……マジでぇー…?」
寮長が横暴だというトラッポラくんの意見を肯定しながらも、 なまじ頭が回るがために、牽制だのブラフだのカードを切って
「…――はぁ…わかったよ。謝ればいいんでしょ―― 「うん、わかった」 「…」
提案者が責任をもって同行する―― 微妙に、なにかこう呑み込めないものがあった――けれども、当事者であるユウさんが平然と受け入れているのだし、 ……それに、考え方を変えれば、これは「貸し」だ。
「――…で、今日の寝床についてなんだけど………」 「ぇ、と… 「―― 「……」 「さん……」
愉しさに負け、思わずニヤニヤ顔でトラッポラくんに声をかた――ところ、 自分ルールとか、あとは立場とか責任とかで、常日頃から自分を律して理知的に振る舞っているけれど、
「…お嬢様、これ以上の 「ブっ…!トラブッタ……!くふ…!ふふ…! 「っ…こンのォ……!」 「…気に入らない、なら出て行くといい。 「………」 「エ、エース、ここは穏便に……!」
海溝の如きシワを眉間に刻み、私とジェームズさんを睨むトラブッタくん。
「……オマエら…性格悪すぎなんだゾ…」 「ふふっ、ならイイじゃないですか――底意地悪いよか、ねぇ?」 |
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■あとがき 一章連載開始となりましたー。とりあえず版権キャラとそれりなりに絡めてよかったです…(笑) …ただその絡み方がある意味幼稚というか、良い感じではないのがなんとも……(苦笑) 夢主とエースくんの関係が、良化するかは筆者もわかっておりませーん。 |