学園中のゴーストを集めて行われた私の入団テスト――から一夜明け、
「今日は『なんでもない日』のパーティ――遅刻したら首をはねられる!」 「――うん、今日は『なんでもない日』だけど
「うん」と頷き合うのはユウさんとスペードくん――で、
「…今更ですけど、寮伝統の 「招かれた上で、手土産を持参すれば問題ありません。
そう言ってジェームズさんがユウさんに手渡したのは、小麦色のピクニックバスケット。
「…さん、本当にお菓子が好きなんですね…」 「………く、食い意地が張っているようでアレですが……甘いモノの 「……ということは、お嬢様もユウと同じく『太らない体質』で――」 「「太りますよ?!――えッ!?」」
わけのわからんことを言うジェームズさんに否定の言葉を返した――ら、まさかの方向から 思っても見ない方向からの、そしてまさかの否定に、反射でバッとそちらに顔を向ければ、そこには驚き顔のユウさん。
「ユウさん、嘘はいけません。 「き、昨日は場の勢いで食べすぎちゃっただけで…! 「ん、おー…?ふぅ…むー………どーやら無自覚の嘘ということでもなさそうですねぇ〜―― 「ぅわ、は…!ははっ…!ひ、く…!くすぐ――ヒヤはははは!?!」
「まさか」と言葉を返しても、それにユウさんは ……ある意味、これは女子として最高の体ではなかろうか。
「ゴフ!」
ユウさんの腹部を揉むように撫でまわしていた――ら、不意にゴン!と強烈な衝撃が脳天に奔る。
「……なにするんですかジェームズさん…!頭蓋、割れるじゃないですか……!!」 「…そんなヘマはいたしません――…それよりマネージャー、迎えが来ましたよ」 「ぅー…んー〜……?」
「どーも〜…。あー……なんていうかお取り込み中だったかなぁ〜……」 「………………いえ、ただのじゃれ合いですのでお気になさらず」
気まずげな苦笑いを浮かべて言うのは、オレンジの前髪をピンで後ろに留めた制服姿の青年。 なんともまぁ、アレな姿をさらしてしまった――が、これはこれでよかったとしよう。 ――うん。
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魔法封じの首輪を外してもらうため――もとい、ハーツラビュルの寮長に謝罪をするため、 ダイヤモンドさんの案内でハーツラビュル寮に到着した――ら、複数のダイヤモンドさんに迎えられるという異常事態に遭遇したものの、 …因みにダイヤモンドさんは、ユウさんに限ってだけは触れるということを一切しなかった。 …ただこの寮の外観的に、屋根裏なんて作れたのか――という疑問はあるが、
「……パーティの日はいつもこう、ですか?」 「…いえ、今日は『特に』というだけです」
ダイヤモンドさん――に限らず、 …おそらく、ノランさんはこの状況を――いや、たぶんハーツラビュル寮の …確かに「死者が――」というのは、尤もと言えば尤もなコト――…ではあるけれど、
「どうでしたか、私の実力は」 「……文句の言いようがありませんね――… 「…ぇ゛」
小さくため息を漏らしながら言うノランさん――に、思わず変な声が出る。 …さて、どうやって納得できる
「…記憶になくとも魂に強く残っています――お嬢様の
ニコと薄く笑みを浮かべ言うノランさんの表情はとても爽やかで――…不思議ときらめいて見える。
「ノ…ノランさん?」 「はい?」 「その……た、魂は大丈夫、ですか…?」 「……………ぁあ、大丈夫ですよ。 「ぅ、ん……?ぇえ…な、なんか…難しい、ですね…??」 「…まぁなんというか……不健全な魂の成れの果て――がゴースト、ですので」 「……………そういうことなんです?」 「そういうことなんです」
なんとも頷きにくいノランさんの解説に、思わず聞き返す――ものの、 …確かに、行くべき場所へ行くことを拒んで現世に留まってしまった――というのは、未練という淀みが魂にあったから。
「――ですので、セクション・ハーツラビュルは貴女の入団を歓迎し、 「………それは総意、ですか?」 「はい、それはもちろん。何度も言うようですが我々はゴースト。 「…………そ、れは……えーと……」 「ははっ、なに、コレはお嬢様の話ではありませんよ」 「ぇえー……それはそれでなんだかなぁ…」
何故だか、上機嫌といった様子で言葉を重ねるノランさん―― …当然のことだけど、
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■あとがき 色々と分別が緩いため、セクハラ(物理)を無自覚にやらかす系夢主です。そして、逆の場合にはやらかした方が事故る(笑) けーくん先輩とは微妙に距離感がある感じ、かと思います。実姉様方と近いモノでも感じ取ったのか、けーくん先輩が苦手意識持ってる感じです(笑) ただ「映え」うんぬんに関しては、(目的に違いあれど)仲良くあれこれやってそう(笑) |