光が晴れ、意識が現実に戻る――と、私は完全に気を失った寮長殿を――…お姫様抱っこしていた。 そんなことを思いながらとっとこと――人の輪に戻る。
「えーと…ブロット?でしたっけ? 「…了解しました――ローズハートを自室へ搬送。その後の診察と処置はダブニーが指揮を取れ」 「「「イエス・サー」」」
冷静にテキパキと、部下に指示を与えるノランさん――に応じ、 そしてそれに長身の緑髪の青年――副寮長さんは、
「…さて、どうしましょうかね――あの、鬼の首取りそうな
一連の騒動の中で逃げそびれた――のか、 確かに寮長殿は、暴走の末に私に物理的に鎮静された――が、トラッポラくんたちとの決闘には勝利している。 ……それも
「……ノランさん、寮長殿のフォローをお願いします」 「了解です――ダイヤモンド、手伝いを頼む」 「…………はぁ〜……りょーかぁ〜い…」
出しゃばるのは悪手かと思い、ノランさんに任せてみる――と、ノランさんは少しばかり嬉しそうな表情で「是」と応え、 ……ため息の中に不満や迷惑そうな色が無かったところを見ると、
「はぁ〜〜………くん…あなたには言いたいことも聞きたいこともたっぷりと――」 「あ゛〜〜〜…ダメ…っだ、なぁー………思ってたより……重、ぃ……」 「…は?」 「っまさか……アレ、肩代わったのかよ?!」 「な……なんですってぇ?!」 「………しょーがない…じゃ、ないですか……コレ、が――…一番手っ取り早かった…ん、ですから…――」 「っさっ…!?」 「待てユウ!今は…!」 「あーもー……自分の |
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…いつ、以来だろうか。 油断していた――いや、厳密に言うと見通しが、考えが甘かった――だ。 超常の力の行使には代償がついて回るモノ――…とはいえ普通の人間に、内に溜めた穢れを浄化する能力はない以上、
「……………姐さん」 「なんだい?」 「…どれくらい……寝てた?」
応えと共に、私が横なっていた自室のベッドの上に姿を見せるのは、少しクリームがかった白の毛並みを持つメスライオン。 ………は?丸一日??
「………いや…丸一日ってなに……早すぎでは?!」 「――であれば、お前の力だけじゃないということさ」 「……………っ――……!!ぅ、お……!!ォぉおお……!!!」 「……女の子なのだからその野太い呻き声はおやめよ…」
女の子なのだから――と、尤もであっても姐さんにはある意味で言われたくない注意――を、 ああ、ああ、ああ――やってしまった。 綺麗さっぱりぜーんぶ裏切っちゃったよ!!兄さんをぅ!!
「ぅぁあぁぁぁぁぁ……ぁぅぇぁぅぃぃ゛い゛〜〜〜……」
丸一日前には偉そうに「負債に納得ができる」とか そんな自分の情けなさに
「…フフっ、なに、そう落ち込むことはないさ。 「……………ぇ」 「でなければ、可愛いお前のお呼びとはいえ、駆け付けられるわけがないだろう? 「!!!」 「ハハハ、大丈夫大丈夫。今回はきちんと折り合いをつけて――さ」
言われてみれば当然――というか、尤もなことに、その問題に考えが及ばなかった自分に――…
「…………姐さん」 「ん」 「まず、話を改めてもいい?」 「――そうだね。お前には腑に落ちない部分が色々あるだろうからね」
私の「まず」の言葉にノイ姐さんは苦笑いを漏らす――けれど、私の提案に応じてくれる。
「…どうして私と暁の契約が解除――…ぅんんいや…破棄とも違うし………、……抹消……?」 「…そうだね。その表現が適当かもだ――白紙に戻される、という意味で」 「………」 「ここは我々の 「………待って。それ、おかしくない…?
無から有を生み出し、世界という 人々に存在を認識されずとも――というか人間との …それは相手が――獣神の干渉を規制した存在が、獣神じゃあないってこと、…ではないのデスカ……?!
「…もちろん、この世界を 「…………は?」 「あっちで、聞いたことはなかったかい――獣神に逆らった、始まりの 「………………………ぅン?!」
姐さんの上げた いやいやいや、ご勘弁いただけるだろうか。
「ぁあ…ぁぁー………〜」
ふと、兄さんが口にしていた「特権領域」「役者が違う」というセリフを思い出し――…更に頭痛が悪化する。 … 根も葉もない神話であれば、神を「
「…そんな…武闘派ウン千年 「…それ、なのだけどね? 「…………ぇ、なんで??」 「お前の 「あ!――ぁー………んん…?」
不敵な笑みを浮かべ言うノイ姐さんの 呼べなかった――という結果しか理解していなかったけれど、改めて思い返せばおかしな点がちらほらある――
「…なにか気にかかることが?」 「うん…あのね? 「…ふむ」 「その時は、なんとなく弾かれる感覚があったんだけど……今回は、なかったんだよね…。 「……………いや、まさか。あの暁に限ってそれはないだろう? 「でも………みおりも、 「…その時は日向が――……む?」 「
心の奥底からゴポゴポと湧き出す心配と不安を、 自分だったから、この
「……………」 「ぁあぁぁあぁぁ…!落ち着いて…!落ち着くんだ…! 「…………ごめん…」
頭をグリグリと寄せてくるノイ姐さん
「…とりあえず、行動を起こすには今はまだ時期尚早―― 「………他の八双……か…」 「…まぁ彼ら 「……」
苦笑いしながらノイ姐さんが提起する |
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■あとがき 世界観を損なう――と言うよりも、「世界」を喰い物にした上に悪改までする――原作へ対する冒涜行為、にも等しい状態ですね…(目逸らし) …ただ、言い訳をさせていただきますと……かつて生モノでもないというのに同人界のタブーとされた某ゲームの夢主が……おって、ですね…(汗) とおーい親戚ジャンル的なことで、何かしらの役割を担ってもらおうと思って引っ張ってきたら―― …根っ子にずっぷり突き刺さった上に引きこもられて……お手上げの惨状でーす…(白目) |