しかし私には馴染みのある
「(
「イデアー!!」 「っ――ふぉワァああー!?」
心の垣を取っ払い、更には部屋の
「――シュラウドくん?!何事ですか!!?」
――と、タブレットからクロウリーさんの声が聞こえてくる。
「イグニハイド寮はマレウス・ドラコニアの殿堂入りに賛成。 「っちょ、その声はヘンルーダさんですね?! 「二百年経とうが 「あ」
クロウリーさんのご尤もな指摘に、ヘンルーダさんはたぶん間違ってはいないんだろう …たぶん?こちらの
「…これで、場は整った――さぁ…!話し合いの時間だイデア…!!」 「っ――」 「…ヘンルーダさん、無駄に 「っ、な――……………………あ゛?」
「 「………」
平然と、まるでそれが適切であったかのように言うヘンルーダさん――を、シュラウドさんは更に不機嫌の色を濃くしてジロと睨む。 直接的な「対面」を避けるため――にしても、もっとましな方法があったのではないだろうか――
「――ではマネージャー、お話を」 「「………」」 「…
私とシュラウドさんの …この反応から察するに、おそらくシュラウドさんは何度かヘンルーダさんから「答え」を促された――…もしくは急かされた、んだろう。
「…それでは、不躾ではありますが、
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アイドルやアーティストのライブに限らず、クラシックコンサートやミュージカルなどにおいても、 変な話、所詮プロジェクションマッピングは見せかけ――スクリーンに映し出された映像でしかない。
「――…要するに、妥協点ってワケ」 「…妥協、ではないですよ?総合的に考えた場合の 「ふーん…… 「…はい――凡人を満足させるだけなら、それで事足りますから」 「……。………………そういう 「ええですから――シュラウドさんがこの仕事を『自分が手掛けるまでもない』と思うのであれば、別の方を紹介していただけると大変助かります」 「………」
ベッドの上であぐらをかき、こちらを見下ろすのは――不機嫌そうな表情のシュラウドさん。 正直言って、今に限ってはただただ事実――こちらの本心を話しているだけなので。
「先代と違って、今代の資金はオーナーのポケットマネーだけなので…。 「……それなりの技術者を低賃金での長期雇用………。 「いえいえ、その方について教えていただけるだけで充分ですよ。 「……」
割と、シュラウドさんにとって都合のいい――逃げ道につながる要素を提示しているはずなのだけれど、どーにもシュラウドさんの表情は晴れない。
「――とはいえ、こちらが求める 「…………ん?」 「
ヘンルーダさんの手を借りてシュラウドさんに手渡されたUSBメモリーには、採用試験的な課題――
「――あ、因みに期限は只今よりきっちり三日。 「………拙者が試験を受けるのは決定稿なんです?拒否権は??」 「もちろん 「…」 「試験内容を見て、それで程度に検討がついたのであれば、その時点で事の是非を決めてくださって結構です。 「――………ちょっと待って。…なんでそこでオルトが出てくるんだよ…?!」 「……オルトくんとは元の約束もありますし…。 「…ぇ、あ、いや……そ、それは優しい職長どのの計らいで、そこまで余裕のない状況ではないデス、がぁー…」 「ほお、それはそれは――ジェームズさんに、良い 「ほ、な゛っ…おっ――…!…っカ、カマかけやがりましたナ…!」 「…――誰が、悪いってんです?」 「……ぅぐ…」
あえて視線は向けず、正論だけを投げつければ――ふと 早々に仕事を片付けて、空いた時間を個人的な時間として使う――それに悪はまったくない。 完璧にこなした上での自由時間の確保であれば、
「…ボスと職長はノットイコールだったんじゃ……」 「確かにノットイコールですけど、ジェームズさんの 「くぅ〜……オーナーは見逃してくれたのに…」 「人の振り見て我が振り直せてないヤツに、他人を責める権利はないですからね――ただ逆を言えば『有る』ワケですが」 「ぐう正論…」 「――と、ヘンルーダさんの言質もとったところで、我々は失礼しますね」 「………ぇ、なに?…… 「いえ、日々虎視眈々です」 「……ぇ…そう……だったんです??」 「ええまぁ――…年長者のみなさんの話を聞いているうちに、サクっとメスを入れた方がいいと思いまして」 「…いやっコレ、サクっとメスをーではなくザックと鉈!では?!」 「はははかもですねぇ―― 「!」 「――では今度こそお暇――」 「――ただいまー…ぁ…………………ぇ、レオンくん?!」 「……なんて?」
お暇しようとしたその刹那、お散歩から帰ってきたらしいオルトくん――の
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■あとがき 二章なのに、六章なのか??と疑いたくなる展開でした(苦笑) ぶっちゃけ、本編の流れ度外視のファンタピアの運営優先展開です。 間違いなく、六章に多大な支障を生むだろうなーと思いながら現実を見ないようにしておりますっ(脱兎) |