「大丈夫か?怪我はないか?」 「は、はいっ…全然大丈夫です…!」 「…ケガはなくとも怖い思いはしただろう――…助けに入るのが遅くなってすまなかったな…」 「そっ、そんな…!シーゲルさんが謝ることじゃ…!寧ろ迷惑をかけてしまってすみませんでした…!」 「いやいや、
ユウさんを囲み、あれこれと 屈強な体格とその そして、
「…………マネージャー……ワース殿から 「……でもウチの 「ふな゛っ!誰がイジめ――モガッ?!」 「ハーイ、グリちゃんはちょっと黙ってようね〜〜」 「………自寮生の危機を見逃せなかったのは仕方ない――…にしても、他寮生まで拾って 「…保身のために他人を切り捨てる無様を晒せと?」 「……オーナーの 「…」
青い顔をしたマキャビーさんを片手にふん掴み、 ハーツラビュルの次はサバナクローの寮長と摩擦を起こした私に対する呆れ、 …なにせ、兄さんの負担にはなりたくない――とか言っている私が、 そう、ジェームズさんの怒りや不満はご尤も――だけれども、こちらとてイラっともムカっともしているのです。
「…まったくもって、安くありません。 「……だとして、ただのマネージャーの 「…確かに…問題のない相手ではないですけど――…仲良くするよりはマシでしょう。 「なにも無い――が、最善なのですが」 「………」
無感情に、静かに重く、ジェームズさんはご尤もなことを言う――…から眉間にしわが寄った。 確かに、ジェームズさんの言っていることは尤も――正しい、とは理解している。 ジェームズさんの言い分が、尤もな
「…私の行動が、直情径行だったことは認めます。 「……」 「でも、今回の 「…、……」 「あの 「……」 「いやいや、しませんよ?そんな 「……………それ、は………」 「さァて、なにがどうなるやら――ですね。
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ここ最近、保健室の利用者が増えている―― 階段からの転落、実験中の大釜に手を突っ込んだ――など、その内容は事故の当事者たちの不注意によるところが大きいように思える――が、 確かに?ユウさんとグリムくんの保護者は未だにクロウリーさんですよ?ですけれども?
「いやはや、仕事が早くて助かりました」 「 「……今晩だけで済むと思うので…なにとぞご協力のほどをっ」 「…拝まなくていいから…――…それにそもそも 「――ということは 「…ソ……ソ、んなことは……ナイ、んですよ…? 「んふふ――わかってますよ、みなさんが目を光らせてくれていることは。
ファンタピアのロビーに設置されたソファーセットの一人掛けソファーに座っている私―― ここ数日の内に起きた事故の調査――は、ユウさんがクロウリーさんに しかしそれに関して問題というものはないだろう。 ユウさんたちからそれまでに行った 監視カメラといったNRCの警備関係を管理しているのは、警備員の役割も兼ねている
「…ただ不自然というだけで、犯行の決め手となる『証拠』としては弱い―― 「……お嬢って、意外とせっかちだよね―― 「アレ…は……ホラ……正解に確信が持ててませんでしたから……。 「うわ、一番ウザい
他愛もない会話をヘンルーダさんと重ねつつ、 実力主義の独自 …色々、双方に対して思うところはあるけれど、今日のところはその色々を呑み込むとする。
「――お、動き出しましたね」
ワヤガヤと賑やかな寮生たち――の陰に隠れて動き出したのは一人の寮生。 一人サバナクロー寮から鏡舎と移動し、彼が向かった先は購買部――ではなく、スカラビア寮へとつながる鏡の前。
「……慣れたモノ――ってヤツですかねぇ……」 「感心してないでさっさと行って――
無駄のない動きに思わず感心していた――ら、膝の上のヘンルーダさんにぺちぺちと膝を叩かれ出立を急かされる。
「ではヘンルーダさん、色々お願いしますね」 「はいはい任されるからさっさと行って――ああほらやっぱり調理場だ。ぇえとルートは――」
スクリーンに映し出された地図――スカラビア寮の見取り図を一瞥し、私はファンタピアと外界を繋ぐドアをくぐって――
『――部屋を出たら右に進んで。寮生は出歩いてないけど警戒は怠らないように』 「了解です――!」
――スカラビア寮の用務員室から
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■あとがき 展開というか、設定というかに改変および無茶が生じております――が、各寮に調理場(食堂)が無いこと自体どーかと思うワケで。 集団生活という「学習」を考えれば、毎日朝昼晩と600人近い生徒が大食堂に会すのも「学習」の一環なのでしょうが……。 田舎育ちの人込み嫌いには勘弁願いたい――のはともかく、各寮の調理場設定保持のため、このまま押し切りますっ(逃) |