「……ホントに、いいの?」
心配そうな表情――ではなく、どこかつまらなそうな表情で「本当に」と確かめてくるのはシュテルさん。
「校内に
――と言って断っていた。
「…――世話の焼き甲斐のない後輩だね」 「………え」 「思ってないから。 「…ぇ?」 「…ゼッちゃん、ヒトの気持ちって変わるんだよ――でなかったら、俺が教員免許を取る道理が立たないでしょ?」 「…は?単に封本閲覧と魔法行使権限が欲しかっただけでしょ」 「………それも、あるけど――さ?」
後輩の世話を焼きたかったと言うシュテルさんの言葉を真っ向から否定したのはリュゼさん―― なるほど、魔法学関連の教員免許にはそういう
「シュテルさん、大丈夫です―― 「「あー……」」
「……そんなに世話焼きたいならヤマ張ってやんなよ」 「あ〜確かにシューくんの 「…はーー……ソレは実際に授業受けてたから――日々の人間観察のタマモノ、だよ」 「………なるほど…」 「「「……」」」 「…なら可能だろうさな――二週間もありゃあ」
テスト範囲を丸暗記すれば間違いない――のは事実だけれど、無駄が多いのもまた事実。 一対一―― これなら――
「 「…授業を教師の品定めに使おうとしてる生徒がいるぞー」 「…フン――そういうつもりなら受けて立つまでだ」 「――あ、魔法薬学についてはダンさんからご教授頂いているので 「…」
わざわざなことを――デイヴィスさんを煽るようなことを言ってくれるフェガリさん――ではあったものの、 ファンタピアのあれこれの合間を見て足を運んでいたのは植物園。 そして――
「……錬金術も、ふつーにやれる 「……――なんっ…だと…?!」 「あー…偏りあるカモだけど、ヴォルス兄さんの指導のもとルーファスの研究日誌読み解いたんなら――…ねぇ…」 「……今更思えば、 「ぅわあさっすがあ」
――そう、実は錬金術に関してもちょっと自信があった。 錬金術に関する基礎知識はパーシヴァルさんの言う通りヴォルスさんから懇切丁寧に教えてもらって――自分のモノにした。 ――あああと、実践魔法と魔法解析学、それと魔法史については、ワースさんから大まかにだけれど基礎は教えてもらっているので、
「………ジョンの赤点回避よか簡単な気がしてきたな」 「…ちょっ――ダンチョー!!?」 「「ぁあ〜」」 「ニ、ニヤニヤすんなし…!!」 「… 「しっ、しみじみ言わないでクダサイよ…!」
なんとも言えない呆れ交じりの笑みを浮かべフェガリさんが「ジョンの赤点回避」と持ち出せば、 先代及びリゴスィミ劇団において、舞台装飾などの制作を担当しているジョナサンさん――が
「……」 「ああうん。裏方は部活と同じ扱いで赤点取ったら活動停止――ただウチは 「ファ?!」 「ぇ……………ぁー…ぅん…?…もしかして…グリちゃん…筆記試験、受ける…の?」 「…一人と一匹で一人前の生徒――だが分業制ではないぞ」 「ぅわ」 「くっ…!自分より不安なヤツ出てきた…!」
聞いてない――し、
「…――グリム――…と、ついでにユウの 「!」 「担当クラスから赤点を出したとなれば――俺の評価に関わるからな」 「………素直でないのぉー」 「…本心――だッ」
ニヨと笑みを浮かべながら「素直じゃない」と言う兄さん――の尻に、デイヴィスさんは否定の言葉と共に蹴りを入れる。 …たぶん、デイヴィスさんの ――さあこれで、
「月末の公演、呼ばれずとも見に来るからな」
ファンタピアと外界を別つロビーの 新代のお披露目公演にはワケあって足を運ぶことができなかった
「では、招待状を送らせていただきますので――必ず、来てくださいね?」 |
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ファンタピアのロビーにて、兄さん及び … 個人的にはありがたく、マネージャーとしては申し訳なく、そしてオンボロ寮生としては――気まずかった。正直言って。 間違いなく、現状に対して多くの悩みを不安を抱えているのはユウの方――だというのに、
「ただいま戻りました――……………ェ…」
心の中で意を決し、ドアノブを回してそれを押し、ダイニングキッチンへの足を踏み入れた――ところ、 ぇ……ちょっと待って欲しい…。ぃやうん…。正直なところちょーーーっとだけホッとしたような感情があるのもホントなんだけど――ちょっと待って。
「……」 「頑張りすぎて疲れたようです」 「…………そ、れは………方便、ですか……」
いるだろうと身構えていた
「…いえ、疲れたのは事実でしょう――現にグリムもこの有様です」 「ふなぁ〜〜〜…………」 「ゎ…あ〜……なんと満足げな寝顔……」
いつもの定 ――だとすれば、ユウもグリムくんと同様に疲れていて、
「…食事についても、適当に見繕って届けてあります―― 「……」
きっちり
「…飼いならす覚悟があるのなら、止めはしませんが」 「っ――……そーゆー言い方しますか……」
ジェームズさんの方針に倣う気配を見せなかった私に、ジェームズさんが投げた …厳密なことを言えば、
「――では、グリムは自分が運びます」
そう言って、テーブルの上で気持ちよく爆睡しているグリムくんを抱き上げるのは――ペニーさん。
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■あとがき OB陣が、ようやっと帰って行きました。もう、しばらく出てこな――…ぁ、月末公演のくだりどうしよ…(汗) これでオリキャラ大放出が収まる――…と見せかけて、今後はオリ生徒とオリゴーストがニョキニョキ出てきます。なんでだよ!! …公式主と行動が重ならないってなるとね、その間(ストーリー)を埋めてくれる相手がどうしても欲しくなってしまうのですよ…(苦笑) |