そして、それに付随する細々とした準備についても、ほぼすべて算段が付いた――…のだけれど、
「ははは、心配のし過ぎだぞ?」 「そして逆を言えば、お前はどれだけ精霊を信用していないんだ?」 「っ――そ、そういうつもりではっ…!」
ルーファス様の 賢者の森の真の
「オイオイ、あまりからかってやるなよ」 「からかったつもりはないんだがな――…この 「ぅっ…?」 「あーあーだから気を付けろってのに… 「――だが、こうした方が覚えが早いだろう?」 「……あの、なぁ………はぁ〜… 「…問題ないと思うがな――
含みのある笑みを薄らと浮かべ、私に視線を向けるのは、灰褐色の髪を三つ編みにして緩く結った男性――の姿をとった精霊・ヴァイン。 人ならざるクオリティのイケメンに見下ろされ――ているのはこの際置いといて、
「………そういう 「でなければ、逆に問題だろう?彼女にはマスターの 「……それもそーだが……」 「フフっ、ネージュったらいつまで経っても心配性ね!」 「―――……お前たちのせいだぞぉ…お前たちのぉ………」
ネージュさんの
「…ネージュ様、ヴァイン様。あまり神子様をお引き留めするのは…」 「…そうだな、今生の別れというわけじゃない――からな」 「……」 「あー…真に受けないでくれ。ただの言葉のアヤだ」
今生の別れ、なんてヴァインさんの
「さぁ、早く戻るといい――一分、一秒も惜しいのだろう?」 「……話を引き延ばしたお前が言うかねぇ…――だが、その通りだな。
何やら一人で納得して、私にNRCへ戻ることを促すヴァインさん――
「ジェダ、ネフのこと、くれぐれも頼みましたよ」
小屋の前、木々の生い茂る森の中で開けた場所で、 リュビさんの
「…ネフも神子様の手前、身勝手な行動はとらないと思いますが…」 「つーか、んな 「「………」」
自分に心配の視線を向けるジェダ――と、同じ …おそらく、ネフラが真面目――かはともかく、ちゃんと自分の役目を果たすだろうという確信を得られたのはよかった――
「神子様」 「ッ!」 「……どう…されましたか?」 「っ…に、荷物の精査をした方が――…いい、のかなぁー…と……」 「…?……時間が惜しい――…のでは…?」 「…かと、いって…ジェダたちに無駄な負荷をかけるのも忍びないので………」 「あ゛〜?荷物が減ったところで 「…籠、なので……」
そう言うネフラとジェダ――に倣って、全員の視線が向く先は、彼らと同等の大きさをもつ籠。
「フフっ、元は私やリュビの飛行訓練に使っていたモノだから――二人にはちょっと重いのよね〜」 「……」 「わ、私が同行できればよかったのですが……っ」 「…………」
あっけらかんと笑顔で言うエトワールさん――に、僅かに不機嫌そうな色を含んだ視線を向けるのはネフラで、 …なんとなく、彼らの心情――そして彼女たちの個性になんとなくの当たりが付き――とにかく、これ以上の
「…一人では重くとも、二人であれば問題ありません――ただ、騎龍としては半人前なので 「……………――……ことが落ち着いたら練習に参加しても?」 「ッ――ダメです!!そんなことをしたら――神子様の首が圧し折れてしまいます!!!」 「………いや、そもそもオレらそこまで速く飛べねーし…」
|
|||
白と濃緋の緋袴に、アレンジと装飾が多量に、だけれど上品に施された 尤もな話、ノイ姐さんの力を借りれば、わざわざ オンボロ寮から賢者の森へ向けて出発し、
「………」
全ファンタピア団員の同意が揃い、 ――だから、 …血は繋がらずとも、私にとって兄さんは
「(
頭を抱えてヘドバンをかました――くなるほどのやるせなさを、理性と根性で圧し留める――と、 …しかしここはぶっ倒れてもいい場面などではまったくなく、寧ろそれは不出来に無様を塗り重ねる、バカもアホも、愚かさえ なんとも矛盾した――というより、堂々巡りと言うべき行為だけれど、
「…………………――……はっ――…ぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜……………」
なにか、そこで心が折れてしまいそうな気がして、ずっと堪えてきたため息を――思いっきり、吐いた。 胸一杯、なんなら体一杯に溜まった不安やら嫌気やらのマイナスを吐き出す――のと一緒に、 ――であれば、
「――――」
ただそれも、
|
|||
■あとがき 安易にボコボコとオリキャラが増えていますが、今後の展開に関わってくるのは二人くらいです。 じゃあなんでそんなに増やしたの――と問われれば、バックボーン構築時に生まれちゃったんだよ、という…。 ホントのホントに異邦人であれば、こーゆーことにもならなかったんですが……(苦笑) |