強要をされるままがに受容し、押し付けられたモノを押し付けられたまま再現し、 過去の再現――古典の保持と継承の必要性は理解している。 我が家が氏守神と祀る彼の皇神は、其の中でも群を抜いて気まぐれかつ …なーんて、語ってみたけれど――正直なところ、私にはあんまり関係のない
「――ビックリした」 「フフ、それは光栄です」
持ち上げた私の右手に留まっているのは、真白なフクロウ――の姿をとった賢梟ノ神。 正直な感想を、包み隠さず「
「…これで、 「ええ――そしてファンタピアについても、私の 「…………ぇ」 「もちろん、私一人で賄える
平然と、さも当然といった様子で言う賢梟ノ神――だけれど、それは、ちょっと、待って欲しい。 彼の言っている
「………ブレシド」 「はい」 「…それ、は――無理、ではないんだよ…ね?」 「ええ、無理ではありませんよ?ただ、お勧めはしません――し、気分も良くはないですが」 「!?」
ニコと笑みを浮かべ――ながらも、その顔にほの暗い色を纏わせ「良くはない」と言う賢梟ノ神――呼称・ブレシド。
「――まったく、賢梟とは思えぬ発言だねぇ?」
不意にスルと、下ろしたままの腕に巻き付いたのは――白い
「フフ、同列となった今、ノイ様に遠慮する道理はありませんし――なにより、我が 「ぁあー……そーだねぇ〜…そういう男だったねぇー…お前という 「………ぇ?」 「…なーに昔の話――って以前に、『賢梟』なんて 「……………」 「……貴女の
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何度も同じことを言うようだけれど、 ざっくりとしたアイディアはあって、そこからのプラン――そして成功のビジョンというものも見えてはいる。 それでも状況は好転しているし、ちゃんと進行している――
「………」
やるべきことが多くあるのに、残された時間は多くない――という状況下、 日中は各自業務がある――という正当な理由により、 …本当なら、ざっくりしたアイディアでしかないプランを、イメージを伴う
「……、さん」 「はい?」
緊張した声音で、何か意を決した様子で私を呼ぶユウさん――
「あの…その――……今朝、のこと……なん、ですけど………」
気まずそう――だけれどその目には意を決した ヘンルーダさんの乱入――ハロウィン騒動によってうやむやになってしまった気まずい話題を、
「…私が、さんの心配をするなんておかしな話だって、分かってはいるんです。 「…なら、ユウさんはご両親に何かあっても心配、しないんですか?」 「!」 「ぁあいや、ご両親は言い過ぎましたね。学校の先生――辺りが適当ですかね」
誤魔化すつもりはない――けれど、冗談を言うように笑いを含めてユウさんにそう尋ねてみれば、 頭では、相手の言い分の正しさを理解していても、心がそれを正しさと認めない――
「自分より優れている人間を心配するなんて道理が通らない――でも、心配って 「…それ、は………」 「間違いなく相手が自分よりも優秀で、強い人だったとしても、心配するしないはその人の自由―― 「―――」
自分の面倒すら満足に見れない人間に心配される―― その心配を不敬と弾ずる者もいるだろう。
「心配されている――…それは、ある意味で嬉しい事なんです。 「…………」 「ユウさんに心配してもらえるのは嬉しいこと――だけれどそれは私にとって
全ては不安の根源たる異世界から脱するため――…と言いきれたなら、まだ「生みの苦しみ」とか言い訳も立つのだけれど、
「普通に考えれば、大した傲慢――独善的な考え方だとは思います。
心配される一方だった 旗頭である以上、揺らぐことは許されない―― 私を心配するのは ――でもだからこそ、私にとって心配してくれる
「あなたにこれ以上を望むなんて、無恥にもほどがあると思います。 「――………………ぇ?」
起き上がって姿勢を正し、ユウさんの隣に座る形で真正面から …この反応から察するに、たぶんユウさんは拒絶されると思っていたんだろう――
「誰に心配されたところで、私の向く先は変わりません―― 「…、……? ぇと…あの……それは、どういう……?」 「……ユウさんみたいな 「!」 「――ま、今も十二分にその気は見えているとは思いますが」
率いる 目的の達成――それを最大の目的とするのなら、独裁というやり方は私のような …まぁ、あくまでコレは理想論――…どうあっても、私では到達できそうにもない境地という
「…大見得を切っておいてなんですが、 「―――」
無恥を、無茶苦茶を自覚した上で、それでもユウさんに求めるコトは―― 目的と優先順位を変える気がない以上、その達成と保持のためとあらば、私はいくらでも他人を喰い物にする。 ――他人など、簡単に切り捨ててしまう私なのだから。
「………――……考える…時間を、ください――…」
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■あとがき 相手を助けることができない立場で心配をするというのは――どう、なんでしょうね。 「してあげられることがない」とただ成り行きを見守り続けるのも、薄情かもしれませんが…… …案外、結果ではなく、心配する――相手を思う気持ちを持つことが、大事なのかもしれませんね…。 |