ジェダとネフラの力を借り、 …でも、それもいたしかたないと言えばその通りだろう。
「マネージャー………」 「……」
地の底を這うような低い声で、 …なんだろうな、コレはアレかな?
「ふふっ、アンタの演技を見抜く程度、アタシたちにはワケもないのよ?」 「まーぶっちゃけ9割方コイツらと一緒に騙された――がな!やーやー大したモンだわ〜♪」
腕組みして見下ろしてくるジェームズさん―― ハーロックさんをはじめとした9割方の面々は
「…しっかしマー……自分をエサにするかネェ〜 「ハッ、 「…………それが 「っ――まさか!狙われる立場ではありましたけどっ、 「「イヤイヤイヤじゅーぶんじゅーぶん」」
私が身柄を狙われる立場にあることは事実だけれど、
「――
ジェームズさんの声が纏う
「後手を取るな、リスクを取れ――…の、精神で……」 「…」 「フーン?」 「……絶対的地の利に圧倒的 「「……」」 「………ソレってよーするに、
自分の身を囮にしてまで …俗に言うところの地雷――
「命に差はあれど、死によってもたらされる 「………そ、りゃア…… 「ハロウィーンパレード成功の鍵となるのは 「…尻尾を掴むか、掴まされるか――…なんにせよ 「 『――因みに、共謀者に当たりつけときながら放置したのは職長デース』 「ハ?!」 「あ゛ーンン〜〜?」
唐突に
「……まさかとは思いますけど、兄さんが全部の絵を描いていた――…んですか」 「…いえ……そういうわけでは……」 「俺がレーイチに頼まれたのは後のフォローだけ――…そこまでと、釘を刺されたそうだよ」
パーシヴァルさん曰く、兄さんに釘を刺した存在がいる――ということは、 おそらくコレは、もっと大きな視点――もしくは全く別の角度から
「……細かいことは、あとで改めます――ので、ひとまずダンさんたちと合流して全員まとめて灰魔に引き渡しましょう」
色々と腑に落ちない事はある――けれど、 …とりあえず、兄さんが呑み込んで、ノイ姐さんが見逃した
「…今更な
不意に、怪訝な様子で不安を口にしたのはイレーネさんで―― おそらくイレーネさんが心配しているのは、同区員であるスミスさんのこと。
「大丈夫ですよ。端から私の手を噛むつもりなら、目の前で 「ん?」 『…スミスの 「ちょ…………――……わかってたけど、トンでもないジジイね…」
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パレードの最後尾につくメインフロート――その背面部分に設置されたポールに掴まり、
「ふぅぅぅぅ〜〜〜〜〜〜…………!!」
目に入る見慣れたすべて――ゴールの向こうに設定していた車庫に到着したことを理解する。 たとえ練習で上手くいっていたとしても、時にその努力を無残にひっくり返す「魔」が潜むのが所謂「本番」というもの。
「 「っ――はい!」 「…一糸乱れぬ 「――けど途中、アンタ自身は
張りつめた緊張の糸が緩むか――というところで私にかかった声は、 ――しかしイレーネさんの指摘は事実なのだから、これはきちんと呑み込んで、次の
「演者としてあれだけの歓声を浴びるのは久々で………思わずテンションが…」 「……まぁ、ソレを読み間違えたトコは、正直あるワね…」
これまでは、パレードの始まりを宣言する口上のあとは、
「…だから言っただろうに」
――それに、異議を唱えていたのがジェームズさんだった。 ……まぁ、緊急事態とはいえ
「――なら、この子を引っ込めるのが最善手だったって?」 「……」 「ニハハ、今回ばかりはオレもアニキの肩もてねーワー」 「まったくまったく、演者一同同意見だろーよ」
パレードのクオリティ向上――転じて公演の成功という意味では、私を演者として投入したのは正しかった。
「しかしまぁ、だからこそリゴスィミの連中は文句たれるカモだなァ?」 「アア〜〜〜 「…マキャビーさん?!なに言ってんですか!!?」
観客からの
「えー? 「ぃ、いや……散々練習したコトじゃないですか…」 「――ハァん?」 「…ぇ、なんでそこでイレーネさんがご立腹…?!」
私が加わった舞台を「楽しい」と思ってもらえたのは嬉しい――のだけれど、
「…アンタ、走ったワね?」 「へ、ぇ……は、はい」 「 「…………………――ぁ………ぁあぁ〜〜〜…………!!」
イレーネさんの、静かな指摘に――…彼らが話題とする「要素」を理解する。
「……とはいえ、アンタの 「「だよ 「いやっ、ぅん?!それはっ!? 「…そうもこうも、やっちゃったモンはしようがないでショ。 「………――っ!!?」 「ウワ、ネーさんってばオニ〜――マ、個人的には願ったり叶ったりだけどサー!」 「ゥクク――まァ諦めるこったお嬢。 「…………ぇ――わかりきってた、んですか?!」 「そりゃア――」 「… 「――………………………………なら、とりあえずストは起きないですね。 「「「………」」」 「…その生温い笑み止めてください!!」
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■あとがき 人前で舞を舞うことはあっても、厳かな「儀式」でのことだったので、 ここしばらくパフォーマンス中に歓声というものを浴びることが無く、思わずテンション上がっちゃった夢主でした(笑) 美の探究者としてのエゴと共に、芸者としてのエゴも持ち合わせるので、意外と普通にオーディエンスの影響を受けます。 |