終わっ――ていない。
「…………」
正直なところを言うと、やりきった感が凄い。 ……まぁ
「(…かといって、下手に興奮に任せて暴れたら――…本末転倒だよねぇ……)」
こういう場合、 …とはいえそれも、爽快感を優先した
「……他人の
自分 そしてその安易さに追い打ちをかけたのは、団員たちのモチベーションの維持。 そもそも、私が演者として舞台に立つことに――悪は、無い。 芸の世界とは、基本足の引っ張り合い――だからこそ、 個人の都合で考えれば、その段階にまで進んでいるのであれば、 たとえ「そんなこと――」と笑い飛ばず様なヒトたちだったとしても――
「(…一人だったら――…我慢、できたんだけど……ねぇ…)」
いつかに棄てた表舞台への出演権―― だけれど、その裏側に従事したことで、足を踏み入れずともその全容は理解している――
「…
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サーカスの団長による大仰な口上から告げられるパレードの開始。
馬車の上から、高らかに響くファンファーレ――それが終わりを迎える頃、 馴染みのキャラクターたちの登場と明るいマーチに、子供たちから喜びの声が上がり、
カラーリングは 挑発的な笑みを浮かべ、彼女のための特設ステージと化したフロートの上で「行くわよー!」と彼女が声を上げると、 急な主役の交代――それも
イレーネをメインに展開される パスティスがパフォーマンス勝負を挑めば、それを当然ようにイレーネたちは受けて立ち――ポップとゴシックが混在しながらも調和した音楽の中で、
そんな調子でパスティス一派とイレーネたちの 全てのキャストがフロートが「ファンタピア」の仕様に統一され、 ――その礼を以て、ファンタピアのハロウィーンパレードは終幕となるのだった。
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――とりあえず、ハロウィーンウィークにおけるファンタピアの 正直なところを言えば、気が抜けた――感はある。 …しかし、だからといって演目を改める 人前に出ることを この度の「舞台」の本義が「団員たちへの返礼」で、彼らを愉しませることが本来の目的――だとしても、そこに比重を置くことは、もう不可能だった。
「…
ファンタピアの大ホールの舞台の上に立つ私――の横に、ふと姿を見せたのはノイ姐さん。 …ただ、彼女の弁が正論だとするのなら――
「なら、おかしいよね?」 「うんまぁ、その通りなのだけれどね?」 「…けどなに」 「フフッ、それを私の口から話すのはさすがに情けが無さ過ぎる――あと数時間の事だ、
どこか愉しげに語るノイ姐さんの口調に、釈然としないモノはある――けれど、それを呈したところで己の未熟さをさらすだけ。 ――とはいえ、コレは極めて個人的な
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■あとがき ひたすらに独白――と、ずっと温めていたハロウィーンパレード、の描写でした。 あれこれ調べて、あーでもないこーでもないと編成やら演出を考え、無駄に衣装まで描いてイメージを練り上げ―― ――た末にざっくりと文章にしたらとつてもあっさり終わってしまいました(苦笑) 現実の芸能というのも、多大な準備と労力の上に成っているのかと思うと――…エンターテイメントってとんでもねー贅沢品ですね…。 |