松本 : みなさん!おっはよーございまーす!!
全員 : …………。
松本 : あれー?照れてるのかなー?挨拶は恥ずかしいことじゃないよ!
さぁみんなで――おっはよーごっざいまーすっ!!
全員 : ……………。
松本 : ……………。
− 静まり返る控え室 −
松本 : なんだねみんな、ノリの悪い。
澪理 : …これからろくでもない企画に巻き込まれるって言うのに、
元気溌剌としていられるわけないでしょうが…。
松本 : ろくでもない?それは5年前の話ですよ。今年は(なにをしても)イイじゃない企画!
しかも!11周年に引っ掛けてイナズマイレブンオンリー企画ですよー!!
澪理 : その、オンリーっていうのが微妙に嫌なのよ!!
11周年とはいえ、稲妻11オンリーサイトじゃないんだからそこらへん考慮するべきじゃないかな?!
松本 : そのためのリクエスト企画です。
澪理 : 嘘をつけぇ…!!
松本 : はっはっはー。
某鬼神の人に比べれば、御麟さんの凄みなどへのかっぱぞよ〜(笑)
澪理 : っだぁ――!!(怒)
松本 : ふぼすっ!!
− 澪理に渾身の力でぶん投げられ、壁に激突する松本 −
澪理 : はぁ…はぁ…はぁ……。
霧美 : ふふふ、まぁ落ち着き澪理。
澪理 : 霧美……。
霧美 : 松本さんにとっては年に一回の大事なお祭りや、
ええやないの、今日ぐらいは松本さんのわがままに付き合ってたげても。
澪理 : …別に、私たちが付き合うぶんにはいいのよ。これもう宿命だから。
……でも、このアホ企画に円堂たちが巻き込まれるかと思うと申し訳ないっていうか?!
なんかもういたたまれないのよ…!!
明那 : あー…。確かに修也たちをとんでもワールドに引き込むのはちょっと気が引けるねぇー…(苦笑)
蒼介 : …そう気にすることもないでしょう。
原作がそもそも「超次元サッカー」というトンデモ世界観なんですから。
澪理 : 蒼介、トンデモ世界観に更にトンデモ設定ぶっ込むことで定評があるのが、
今そこで出血多量で死に掛けてる四角の奇人でしょうが。
幸虎 : 大丈夫だって澪理、虎丸たちならこの程度ちゃんとこなしてくれるって。
海慈 : そうそう、シローたちもだいぶ耐性付いてると思うぞー?
9周年の企画に、トモダチコレクション での生活も経験しているわけだからなぁ〜。
澪理 : …………。(←本気で返す言葉がない)
勇 : ――そも、トンデモの塊であるお前と付き合っている時点で、
彼らは松本の毒牙にかかっているも同然だろう。
澪理 : ――――!!!(←とどめ)
− 思わずその場に崩れ落ちる澪理 −
九郎 : いっ、勇兄!!な、なんでわざわざ澪理に止めを刺すの!
澪理、海慈兄の時点で納得してたのに!
勇 : とどめのつもりはなかったんだが。
蒼介 : 現状に対する認識が甘かった――ということでしょう。
望 : 人の振り見て我が振りなおせってヤツだね!
澪理 : ――……!!(←追い討ち)
九郎 : 望ー!?
望 : ん?あれ?使い方間違ってた??
九郎 : ま、間違ってないけど!けど!なんでわざわざ澪理に追い討ちかけるの!!
望にまで言われちゃったらもう澪理立つ瀬ないよ!
望 : 立つ瀬……。
朔 : 澪理の立場がないということだ。
望 : ……なんで?
朔 : アホで通っている双樹 の弟にまで、失態を突きつけられたからだ。
望 : …………――ん?オレ、アホで通ってんの!?!
九郎 : 今更?!
望 : ちょっ、九郎酷ぇ!!
真斗 : …まったく、
九郎に心配され、望に追い討ちをかけられ――本当に、どうしようもないな、お前は。
泰河 : ま、蒼介兄と勇兄に言いのめされたあとじゃー、
どうすっ転んでもお前にとっていい展開には転がらねーだろーがな。
ステラ : そうよ澪理!こんな展開、割といつものことじゃない!
澪理 : ッ…!!!(←撃沈)
真斗・泰河 : ステラ……(汗)
ステラ : え?…ウソ?!励ましたつもりだったのに!!
明那 : あはは…。言葉の無自覚リーサルウェポンが炸裂だねぇ…(苦笑)
幸虎 : いや、明兄には言われたくないって。
蒼介 : ええ、不動のエースは明那兄さんですから。
明那 : う゛う゛…。これでも自重はしてるんだよ……(泣)
松本 : くおらあああぁぁ!!!!(怒)
松本さんを無視するとは何事か――ッ!!!
澪理 : 黙る!!
松本 : また?!(←マジで気絶する5秒前)
海慈 : はいはいはいはい、どーどー澪理ー。(←澪理を羽交い絞め)
霧美 : 松本さんに八つ当たりしたかてこの企画は終わらへんよ〜。
澪理 : じゃあ!この溜りに溜まった憤り!どこにぶつければいいのよー!!
霧美 : それはこの企画にぶつけたらええん違う?
澪理 : ……は?
霧美 : せやから、その澪理の憤りを――
この企画をぶち壊すぐらいの勢いでぶつけたらええやないの。
澪理 : !
松本 : ちょ!霧美さん?!
霧美 : 先人の例に従って、澪理の思うがまま――大暴れすれば、それでええと思うよ。
澪理 : よーし!そーいうことなら全力全開で暴れてやろうじゃないのよ!
そうよ、そうですよ。どーして私が松本なんぞの思い通りに動かなけりゃいけないのよ――
――やられる前に殺れ!どーにかなる前にぶち壊す!!
望 : おおっ!澪理のスイッチ入った!!
澪理 : おうともよ!さっさとこんなアホ企画ぶち壊して――帰るッ!
真斗 : ――まぁ、こんな茶番に付き合わされるぐらいなら、帰った方がマシだな。
泰河 : ――だな。でもまぁ、お前が相手だったらまだやる気も出るんだがなァ〜。
真斗 : あ?
泰河 : ハッ。
九郎 : ちょっ!真斗兄!泰河兄!!オレたち今日は同じチームなんだから仲良く!仲良く!!
真斗・泰河 : ハッ、誰がこんなヤツと。
明那 : あー…じゃあ代わりに蒼介と幸虎が頑張んないとな。
くだらないことでも負けは負けだし――チームの不和で負けるのが一番カッコ悪いからなー。
幸虎 : だ、大丈夫だって明兄っ。
いざという時は泰河も真斗もちゃんと協力してくれるから!
蒼介 : …寧ろ、コイツの張りきりが空回らないかの方が心配です。
幸虎 : ほぉ…!オレはお前のその余裕がチームのほころびになる気がして心配だよ…!
九郎 : ああっ!蒼介兄と幸兄までケンカしないでー!!(泣)
幸虎 : は?!ちょ、九郎っ、オレたち別にケンカしてたわけじゃないって!
蒼介 : そうだぞ、九郎。
俺はただ――(チームの足を引っ張る気がする)コイツの心配をしているだけだ。
幸虎 : ――――
明那 : さー行こう。今すぐ行こー。
こんな楽屋ネタは松本さんしか楽しくないからな〜。
− ぞろぞろと控え室から出て行く面々。
それを見送っていたのは―― −
松本 : …あの、霧美さん?なぜあのようなことを御麟さんに言ってくれちゃったの?
霧美 : んー?それはね?ああでも言わんと澪理、ぐだぐだ文句言うて納得せえへんし、
無理やり参加させても、その度にぐたぐた言うて企画が滞るから――
――自発的に意欲をもって企画に参加するように、思うたんよ。
松本 : …え、じゃあなに?霧美さん、松本さんの味方??
霧美 : うふふ、うちは基本、澪理の味方やえ〜。
ただ、言うたやろ?先人の例に従って――って。
松本 : あ、なるほど。
さすが霧美さん、我が家の法則をよくわかっていらっしゃる!
霧美 : うふふ〜。知らぬが仏やね〜。
松本 : いや、知って仏のような笑顔を浮かべている方がおられますが。目の前に。
霧美 : ――はい?
松本 : ゴメン!うそ!失礼しましたッ!!
霧美 : うふふふふふふ〜。ほらな行こか〜。
松本 : 了解どすえー!
− 霧美に続いて松本も控え室から退場 −
朔 : ……。
勇 : ………。
朔 : …あの、勇…兄さん……?「法則」って…?
勇 : ――「抵抗もネタの内」。
朔 : …………(汗)
松本 : みなさま、長らくお待たせいたしました!
【キノコの隠れ家】開設11周年記念企画【イイじゃないの企画】より
松本の欲望補填企画――イナズマ十一番勝負を開催いたします!!
− 空砲が打たれ、高らかに響くファンファーレ。
そして、行進曲にあわせて選手たちが入場してくる。 −
松本 : ここでDeliegio所有のアリーナ【サンフラワーアリーナ】に、
本日の主役!十一番勝負に臨む選手たちが入場してきました!
− ガラガラのアリーナに大歓声が響く中、
若干緊張した面持ちのイナズマジャパンと、完全にしらけ倒しているオリキャラ軍が入場する。 −
松本 : 本日!熱い戦いを繰り広げるのは、
FFIにて日本代表として世界としのぎ削る日本の中学サッカー界のスター選手が集結するイナズマジャパン!
そして、そのイナズマジャパンの一部サポートメンバーとその内輪の面々を集めたクセモノイレブン!
超次元サッカーならぬ、超次元十一番勝負が繰り広げられることでしょう!
− やっぱり人がいないのに沸きあがる歓声。 −
松本 : さぁ!年々睡眠時間を削られる量が増えている気がしないでもないこの欲望補填企画!
今年も松本の命と睡眠時間を貪り喰らっていざ!開幕です!!
− アリーナ中央に整列した面々。
そして彼らのいる前にある壇上には、嬉々とした様子の松本。 −
松本 : ではここで、松本しか嬉しくないはずのこの企画に
それはもう快く協力してくださった――会長サマこと、華雅屋夏斗様より開会宣言です。
澪理 : な゛っ…!
夏斗 : はい、始めましての人もそうでない人もこんにちは。
イナズマイレブン時間軸における華雅屋の次期会長の華雅屋夏斗です。
今日は(我が家の残念な産みの親のしょーもない)お祭りです。
ですが(そんなどーしようもないものでも)勝負は勝負、(楽しい見世ものにするため)全力をつくすのが一流というものです。
みなさんには、(我々を)楽し(ませ)みながらも、全力で取り組み、勝利をもぎ取って欲しいと思います。
− 拍手に包まれながら壇上を後にする夏斗。 −
松本 : 会長サマ、開会宣言ありがとうございました。
因みに、この十一番勝負開催にあたり、Deliegioはもちろん、
心皇一門や堵火那家に会場設営、競技構成などにご協力いただきました〜。
蒼介 : …!
勇 : …………。
松本 : 現在、観客席はガッラガラのスッカスカですが、
この模様は、時間軸とか次元とか全ての事象をすっ飛ばして、
ご協力いただいた全てのご家庭にリアルタイム放送されておりまーす!
どっかの鬼神さんとか!どっかのオリキャラに苦労させられてる人+鬼師匠とか!
特別措置でどっかの初代攻主さんのところにまで中継しているよー!
澪理 : じゃあ…ま、まさか……!!
松本 : うん、そう。みなさん御麟さんを生贄に差し出したんだよ(笑顔)
澪理 : くぅぅぅ…!!相手が相手だけに文句の一つも言えない…!
松本 : 本当は夢主イレブンでも組んでイナズマドリームイレブンと試合でもやってみようかと思ったんだけど、
サッカーの試合描写の恐ろしさを今、血反吐が出るクラスに思い知ってるところだからやめたんだー。
して、適当に夢主集めてとりあえずイレブン組もうかと思ったんだけど、
某無敵の方から「十一番勝負なんてどうだ?」と提案されて、
某鬼神の人から半ば強引に稲妻11オンリーネタにされました。
澪理 : うう…去年は後輩ぬんうん言ってたのに……。
松本 : ああ、それは仕方ないよ、御麟さんが悪いんだもの。ある意味。
澪理 : は?
松本 : 某鬼の人はこの手の企画に最後まで抵抗するけど、
御麟さん、この手の企画、結果的に楽しんじゃうタイプだしょ。
澪理 : ………(汗)
松本 : だから、某鬼の人は自分が我慢してまで庇ってやる必要ないって判断したんですよ。
澪理 : …………(滝汗)
霧美 : ふふふ、要するにうちらは巻き込まれ事故――ってことやねぇ。
澪理 : どふぉすっ。(←霧美の言葉のボディーブローがクリーンヒット)
海慈 : まぁ俺たちはいいけど、守くんたちはトンだ災難だねぇ〜。
澪理 : ふんぐっ。(←海慈の言葉のボディプレス炸裂)
松本 : おう、源津兄妹の言葉のジェミニアタックだよ。
吹雪 : 御麟さん、そんなに落ち込まなくもていいと思うよ?
内容はともかくとして、霧美姉さんたちと勝負できるっていうのは、
結構ボクたちにとって嬉しい経験だから。
円堂 : そうだぞ御麟!御麟や海慈さんたちとサッカーできないのは正直つまんないけど、
海慈さんたちと運動会ができるのは俺、嬉しいぞ!
澪理 : …………ん?運動会??
円堂 : ん?十一番勝負って身体動かす競技でだろ?だったら運動会みたいなもんじゃないか!
澪理 : …………(汗)
鬼道 : …一応、安心していいぞ澪理。
俺たちはなにも強制的に参加させられたわけじゃないからな。
澪理 : …は……?ちょっ、鬼道!アンタ気は確か?!
鬼道 : …もちろん、反対しなかったわけじゃない。
だが、海慈さんや明那さん、幸虎さんと競い合える機会というのは、
円堂たち にとっては貴重なことらしくてな。
澪理 : だとしても止めなさいよ!!
これからアンタたちにどんな災難 が降りかかると思ってんのよ?!
豪炎寺 : …そう、鬼道を責めるな御麟。
鬼道は最後まで「やめた方がいい」とみんなに言い続けていた。
澪理 : じゃあなんで司令塔におんぶに抱っこのイナズマジャパンがここにいるのよ!
豪炎寺 : 影のブレインが本領を発揮した。
− そう言う豪炎寺が指差す先には―― −
澪理 : …………。
豪炎寺 : ――それに、俺も明那さんと勝負してみたかったしな。
澪理 : おい!それで仲間たちがかわいそうな目に合ってもいいって言うのかお前はっ!
豪炎寺 : 吹雪曰く――おそらく、そうはならないそうだ。
澪理 : …はい?
豪炎寺 : 松本のメインターゲットは俺たちじゃない――だそうだ。
澪理 : !
松本 : 御麟さん、気づくの超遅い。
第壱回に続く…