松本 : そいではー!ここから本格的に競技に入っていきたいと思いまーす!
綱海 : よっしゃ!やっとだな!
松本 : …いや、綱海お兄やんの出番まだらしいよ?
綱海 : マジでか!

 

第3種目 : 障害物競走

 

松本 : 運動会ではまず徒競走からが通例だけど、
      徒競走なんてしもて仕方がないから障害物競争からスタートだよ!
綱海 : なんだよ〜オレの出番まだかよ〜〜。
松本 : あーもうっ、綱海兄やん!こんなとこでダレないの!
      仕方ないでないの!次の競技は足の速さがものを言うんだもの!
      ――ま、それだけでダメだけどね。
綱海 : そうそう、ただ足が速いだけじゃヒーローになれねーのが障害物競走の醍醐味だよな!
松本 : まぁ、早いに越したことないけどね。
      運命走と違って運じゃなくて身体能力を問われるわけだから。
明那 : 運動オンチかどうかがこれでハッキリするよねぇ〜。
松本 : ……!(←グサリとささる明那のセリフ)
綱海 : どっ、どうした松本?!
明那 : あ、アレ!?な、なんかトラウマ抉っちゃた…!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

松本 : ほ…ほいでは……っ、しょ、障害物…走、はーじーめーるーどぉ…!
全員 : ( いったいなにがあったんだ…(滝汗) )
松本 : …じゃ、先に選手を紹介しておきましょうか――
      さぁ!気持ちを切り替えて!!イナズマジャパンは!
      元陸上部の俊足!疾風ディフェンダー風丸一郎太を筆頭に吹雪士郎!鬼道有人!基山ヒロトの4名!
      そして!クセモノイレブンは!褐色の弾丸ガール!ステラ・マノンを中心に、
      御麟澪理、双樹望、谷田野九郎という布陣となっております!
風丸 : 4人…ということは、2レースやるのか?
松本 : まっさかー。2レースもできるほど――コース、短くないぜ(ニヤリ)

 

作者権限的強制場面転換技。

 

選手一同 : うわああああああああああああああああ――――(←フェードアウト)
栗松 : 落ちたーッ!?!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

− 数分後、選手組 −

 

澪理 : 風丸…かーぜーまーるー。
風丸 : ぅ……ぅ、う〜ん……。
澪理 : …はぁ、やっとこ起きたわね。
風丸 : ん…?御麟……?ぇえ…と……。確か俺たち……障害物競走の――
      ――…ん?…どうして競技もはじまってないのに落とし穴に……?!
澪理 : 松本が、乱暴だけど手っ取り早い方法で、私たちを会場に運んだのよ。
風丸 : …ってことは……ここは…アリーナの地下…?
澪理 : そーいうこと――ただ、まともな地下空間ではないわね、この感じは。
風丸 : まとも…じゃない??…一体どういうこと―― 
?? : ハーハッハッハー!!やっと目覚めたかね!少年少女諸君!
全員 : !?

 

悪い冗談以外のなんでもない。

 

?? : おーっと、驚かせてすまない。私は第三種目「障害物競走」の審判を任された者だ。
      ノリはめっちゃ軽いけれど――競技自体はDeliegioの技術の粋をずずずいーと集めた一級品だ!
      5位入賞者までにポイントを与え、その総合点数によってチームの勝敗を決する!
      全力で競技に挑んで是非研究のいしず――じゃなかった、チームの勝利に貢献してくれたまえ!では!

 

− 審判、颯爽と退場 −

 

鬼道 : ………最後、思いっきり「研究の礎に」…とか言っていたが……。
九郎 : Deliegioの――って言ってましたから多分、Deliegioの研究室か開発室の人かと……(苦笑)
望 : 優木Deliegioって大本は医者の家系だからマッドな人多いんだよなー。彩芽ちゃんみたいに。
九郎 : いや、澪理のご両親、Deliegioに勤めているだけで優木の家の人じゃないから…――って、澪理…?
澪理 : …………ッ!(←苦虫を噛んだような顔)
鬼道 : ……まさか………。
澪理 : …奇才の過ぎるうちの母です………(←今にも死にそう)
彩芽 : きゃー!さっすがうちの子ー!!
      変装した上に変声機まで使ってるのにお母さんだってわかるだなんて!
      これはもうマリアナ海溝よりも深い親子の愛が成せる業よね〜!!
澪理 : ………。(←真っ白に燃え尽きている)
ステラ : ちょっと、澪理!競技がはじまる前から燃え尽きないでよ!!
望 : あ!わかった!澪理にとってこの障害物競走で一番の障害、彩芽ちゃんだ!
澪理 : っ………!!
九郎 : ああっ!また望は笑顔でなに言ってるの!!
彩芽 : そうよそうよ!酷いわ望ちゃん!お母さんである私が娘の澪理にとって一番の障害だなんて!
      お母さん、(自分の研究優先しつつ)澪理の力になるためにたくさん働いているのに!
吹雪 : ――でも、親が人生のしょうがいってなんだからドラマチックですねっ。
九郎 : ぇ…ええっ…?!ふ、吹雪くん、な、なにを言って……!?
彩芽 : 人生のしょうがい…!支援者であり、立ちはだかる最大の壁…!
      そう…!そうだったのね!澪理の辛辣なツンツンツンデレは照れ隠しじゃなくて、
      お母さんわたしを超えたいっていう反抗ライバル心の表れだったのね!!
澪理 : ――はぁ?!
彩芽 : ごめんね…ごめんなさいね、澪理…!
      おかーさん、澪理の気持ちをわかっているつもりだったけど、全然わかってなかったみたい…!
      これからはおかーさん!澪理に(できるだけ)ベタベタしないわ!
      ちゃんと…ちゃんとおかーさんとして――澪理の人生のしょうがいになるわ!
澪理 : ( 思考が変なところに着地したー!? )
彩芽 : さぁ!いざ受けなさい!母の愛の試練を!!
澪理 : ちょい待てェ!!母の愛の試練とかいうなら!無関係な少年少女を巻き込むなっ!
彩芽 : まあ!おかーさんが子離れしようとしたら急に甘えんぼさんになるなんて!澪理もまだまだ子供ね!
      でも大丈夫よ!おかーさん――上手に澪理だけに愛情しれん注げるから!――はい、ポチっとな。
全員 : っ!?

 

− 一瞬、強い光がほとばしった――かとおもうと、目を開いた次の瞬間、
澪理たちの前にはマ○オもビックリなアスレチックワールドが広がっていた −

 

望 : ホッホウ!(←どこぞのちょび髭風)
澪理 : やめいっ!緑の帽子と青のオーバーオールでちょび髭つけるぞ!
風丸 : いや御麟?!その方が危なくないか!?色々と!
鬼道 : …しかしよくこれだけの機材を地下に……。
ヒロト : いや、鬼道くん…。それよりも背景が……おかしくないかな…(汗)

 

3Dになった時期から急激に増えた空中ステージ。

 

− 頭上と足元に広がる澄んだ青空 −

 

鬼道 : …………彩芽、さん…。
彩芽 : あら?なにかしら有人くん。
鬼道 : …なぜ、地下に青空が広がっているんですか…。
      というか、足元にすら空というのは………っ?!
彩芽 : うふふ、言ったでしょう?Deliegioの技術の粋を結集したって♪
      これがDeliegioで開発中の箱庭アークシステム――
      全然完成してないから見かけビジュアルを偽る程度のことしかできないんだけどねー?
鬼道 : !

 

− ポップなマ○オワールドが一瞬にして物々しい機械が並ぶ空間に切り替わる――
――が、また一瞬にしてマ○オワールドに切り替わる −

 

彩芽 : 全てを箱庭システムで構築する――っていうのが理想なんだけど、
      理論的にも、技術的にも色々問題があってそこまではまだできないのよねぇ〜。 
鬼道 : …いえ、これだけで十分すぎるほどに凄い技術だと思いますよ……(滝汗)
彩芽 : まあ、ありがとう!――でも、競技では手加減できないから覚悟してね♪
九郎 : え、試練は澪理だけなんじゃ……?
彩芽 : ええ、試練は澪理にだけだけど――
      ――このコース、ナチュラルにワールド8の最終コースぐらいの難しさなのよっ。
九郎 : ええぇっ?!どう見てもこのグラフィックはワールド1なのに!?
彩芽 : だっていきなり溶岩ぐっつぐつのワールド8な見かけしようになんてしたらみんな引いちゃうでしょ?
鬼道 : …いえ、コースがワールド8相当のレベルという時点で引きますよ……。
澪理 : 何言ってんのよ鬼道、エクストラレベルじゃなかっただけマシじゃない。
鬼道 : ………お前は時々意味のわからない方向で前向きだよな。
澪理 : ――というか、見かけがマ○オ仕様だろうと、やることは火室山での修行と大差ないのよ。
風丸・ヒロト : …火室山?
鬼道 : …沖縄にある明那さんの実家――の裏にある特訓場…みたいなものだ。
澪理 : 風丸たちにもわかりやすく言うなら、
      ナニワランドのトレーニングマシンを流れの中で一気にこなす――って感じね。
風丸 : なる、ほど……な(汗)
彩芽 : それじゃっ、競技をはじめる前に――それっ。
澪理 : っ!?(←急にガクリと膝をつく)
ステラ : 澪理!?どうしたのよ?!
彩芽 : うふふっ、大丈夫大丈夫〜。
      澪理のアタマ制御イタズラして重力負荷がかかっている――ように錯覚しているだけだから♪ 
ヒロト : っ!? そんなことができるんですか!?
彩芽 : まだまだまだ試作っていうか実験段階なんだけど――試運転も兼ねてねー。
九郎 : え、ちょっ…試運転って…?!澪理にな、なにかあったらどうするんですか!!?
彩芽 : え……その時は娘だからどうとでも。
九郎 : なんか恐ろしいこと言い出したー!!
澪理 : ……うっさいわよ九郎っ…。
      …この、程度で………私がどうこうなるわけないでしょ…っ。
九郎 : ………そう…言う割にだいぶ辛そうですが……(滝汗)
澪理 : …っ、これは肉体的負荷の方よっ……!
      …まぁ、厳密言ったら脳が引き起こしてる現象なわけだけど…っ。
鬼道 : ……本当に大丈夫…なのか?
      どれほどの負荷がかかってるかはわからないが……負荷がなくともあのコースを完走するのは楽じゃないぞ?
澪理 : …これはお母さんにとって「実験」。
      これが「実験」である以上、お母さんは妥協しないし手加減もしない――
      ――被験者モルモットは黙って言うこと聞くしかないのよ。
鬼道 : …………。
望 : 「親が親なら子も子」!
九郎 : だからなんで急にことわざに強くなってるのさ望はー!!
ヒロト : ( エイリア時代に、緑川と一緒に勉強してたみたいだったからなぁ……(苦笑) )

 

因みに、涼野は朔の手による強制参加。
――が、大概睡眠学習。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彩芽 : ――全員、スタート位置についたわね?
      それじゃ、第三種目「障害物競争」!よーい――スタート!

 

ガコン

 

全員 : ガコン?

 

− 全員が音の聞こえた方向――後ろへと視線を向けると、
そこには巨大な顔の描かれた砲弾キ○ーが迫ってきていた −

 

九郎・風丸 : わー!?
彩芽 : マ○オと言ったらやっぱり強制スクロールだもの!その再現として用意してみましたー!
      ――あ、キ○ーそれにぶつかったら一発アウトでリタイア扱いだから気をつけてね〜。 
九郎・風丸 : どうやって?!
ステラ : とにかく!当たらなければいいんでしょ!なら、さっさと前に進めばいいだけ――にゃっ?!
澪理 : …アンタは望とセットっ。ここから走ってたんじゃ、最後までスタミナ持たないっ…!
ステラ : えー!私もマ○オコースで遊びたい〜!!
澪理 : ワガママ言わないっ。
      私たちが勝つにはステラが一位になるのが大前提なんだから…!
望 : 澪理がこんなんじゃ、全員入賞は難しいもんなー。
澪理 : うるさいっ(怒)
望 : おっ?殴られたのに全然痛くない!
九郎 : あー…ってことは、頭にイタズラされて普段の半分ぐらいの力しか出せない…って感じなのかな(苦笑)
澪理 : ッ…!――無駄口叩いてないで走れー!!(←出遅れてる+キ○ーが迫ってる)

 

 

 

 

 

吹雪 : あはは、なんていうか危機感のないチームだね〜。
ヒロト : 望はいつものことだけど、谷田野くんはちょっと以外だったね(苦笑)
風丸 : …気配りと危機管理能力は別物――なのかもしれないな(苦笑)
鬼道 : …他人の心配をしている余裕はないぞ――障害物ギミックだっ。

 

彩芽 : マ○オと言えば手に汗握る空中戦!前半は回転する足場!
      後半からはリフトが出てくるから冷静な判断の中にも思い切りも必要になってくるわよ〜。
      ――ただ、みんなはBダッシュジャンプとかできないから、現実な高さと飛距離設定だから安心してねー。

 

風丸 : 実際にゲームの世界を前にしてみると――マ○オって凄いな(苦笑)
吹雪 : 短足で若干小太りでおじさんなのにねー。
鬼道 : コースの感想は競技が終わってからだ!このままリードを保つぞ!
風丸 : ! あ、ああ!
ヒロト : ハンデを貰ってるのは御麟さんだけで、望たちにはなんの枷もない――
      望のハチャメチャな身体能力なら、女の子一人ぐらい背負ってもさして問題ないだろうし…(苦笑)
吹雪 : それに、九郎くんの跳躍力は、この競技ではかなりの脅威――
      ――ただ、ハンデ有りの御麟さんを放って勝ちにはこないから――ボクたちにも勝機はあるけどね。
鬼道 : 澪理がハンデを負ったことでかなり俺たち側に有利な形にはなっているが、
      アイツが無策で――真っ向勝負を挑んでくる可能性が低い以上、油断はできないからな。
吹雪 : 基礎スペックはクセモノイレブンの方が有利だからねー(笑)
鬼道 : …その上、アイツらの方がこの手の特訓になれているようだしな(汗)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ステラ : そーれいけー!ノゾム号ー!
望 : よーしっ!二段ジャンプで一気突破――
澪理 : っだー!もうちょっと慎重に進めこのおバカ!残り0機で一発アウトの状況なのよ?!
望 : えー、でもヒロトたちよりも先にゴールしないと勝てないじゃん。
澪理 : …だからって、焦って足滑らせてリタイアでもしたら意味ないでしょっ。
望 : あ、やっぱり滑りやすくなってるんだ。双子の弟の宿命だよなっ(←どこか満足げ)
澪理 : ………は…?
望 : あれ?澪理知らないの?
    双子の弟ル○ージって双子の兄マ○オよりもジャンプ力と滞空時間が長いけど、ブレーキ力が弱いんだっ。
    だから独特な操作感覚があってさ――
澪理 : ちょっと審判おかあさんっ!?試練ハンデは私だけじゃなかったの?!
彩芽 : そうよ?試練ハンデは澪理だけよ?
      でも、マ○オのルールおやくそくは全員に行使される――設定ルールなのっ♪
澪理 : ……ってことは、厳密にいったらその設定ルールは士郎くんにも適応されてるわけ?
彩芽 : そうよ〜。ただ、士郎くんは双子のお兄さん・・・・だから、なんの変化もないけどね〜?
望 : じゃあさ、じゃあさ彩芽ちゃん!彩芽ちゃんの装置でオレの姿、ル○ージ風にできる?!
彩芽 : それはもちろん♪
      ――でもそうなると、同時に士郎くんもマ○オ風になるけどいいかしら?
吹雪 : …………(←物凄いどす黒い笑顔)
望 : ややや、やっぱりいいですッ!!
澪理 : くっそぉ……。望がブレーキ利きにくいとか致命的じゃない…!
九郎 : で、でも、望のジャンプ力×ル○ージの滞空力(?)っていうのは強み――
澪理 : 望の猪突猛進×ル○ージのブレーキ力低下は、このルール下では最大の欠点よっ。
      ……ただ、あのみょーな望のルイージへの入れ込み様……。…もしかしてアイツ、ル○ージ使い?

 

思いのほか似合いっているソウジュブラザーズ。

 

九郎 : ――って!それゲーム変わってるし!
      ス○ブラソッチでは復帰力高いけど、本家では復帰とかないからね!?
望 : あー…そう言えば――ぅわ〜い滑る〜(笑)(←超楽しげ)
澪理 : ……気にしすぎだったかな…。
九郎 : うーん…かもしれないね……(苦笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

− 一方、早々に空中戦エリアを突破したイナズマジャパンチームは―― −

 

彩芽 : はーいっ、続きましてはコンベアーエリアでーす!
      本当は自走する足場とか滑る床とかやりたかったんだけど、競技と技術の問題で実装できなかったの!
      マ○オにしてはぬるい仕様だから――追加オプションで障害物キ○ーがみんな目掛けて飛んできまーすっ。

 

鬼道 : ……ぬるいか?
ヒロト : 障害物が追加されたことで一気に鬼の仕様になったね(苦笑)
風丸 : …しかも前後でコンベアーの方向が横と縦に切り替わってるな(汗)
吹雪 : キ○ーこれにホーミング機能がついてたら最悪だったねぇ。
風丸 : え、縁起でもないこと言うなよ…(汗)
彩芽 : あ、そうそう。時々、追尾機能付きキ○ーあかいこが出てくるから気をつけてねー?
風丸・鬼道 : …………。
吹雪 : え、これってボクのせいなの?
ヒロト : …あの、この小さいキ○ーは踏みつけたらどうなるんですか?
風丸・鬼道 : !
彩芽 : それはもちろん、ルールに則って「倒した」って判定になるわよっ。
      因みに、ぶつかったら即アウトだけど、かすった程度ならセーフだから、
      テクニックに自信がある子はガンガン進んじゃってもいいと思うわよ。 
吹雪 : …意外と、ここがボクたちにとっては正念場かもね。
風丸 : ああ、そうだな。
鬼道 : よし!いくぞ!
ヒロト : ああ!

 

− 個々でコンベアーエリアに攻略にかかるヒロトたち −

 

望 : おお〜!すげー!キ○ーが大量にいるー!
ステラ : 彩芽ちゃん!コレ、連続で10回以上踏みつけたら一機アップする?!
彩芽 : うふふ、ゴメンね〜。競技の仕様上、スコアアップも一機アップもないのよ〜。
      残念よね〜こんなにキ○ーが大量にいるのにね〜。
望・ステラ : ね〜。
澪理 : …なに遊ぶ気満々の会話してるのよっ…!
      ここで引き離されると後が辛いんだから――って、ぅおー!?

 

− なんの前触れもなく迫ってきた赤いキ○ー −

 

澪理 : ちょっ、な?!ここ安全域じゃないの?!!
彩芽 : あ、ごめ〜ん。そこの設定仕込むの忘れてたみた〜い(笑)
澪理 : デバッグしっかりせェー!
九郎 : もう一発きたー!!(泣)

 

− スタートする前から大変なことになっているクセモノイレブン −

 

吹雪 : ぅーわ〜。
ヒロト : あー……(苦笑)
鬼道 : …っ同情している暇はないぞ。中間地点にいる俺たちもアイツらと条件は同じ――
吹雪 : ――違うんじゃないかなー?…今、赤いキ○ーが一斉放射されたよ?
鬼道 : ?!

 

− 中間地点より前にある砲台から一斉に放射されるキ○ー(しかも赤い) −

 

彩芽 : こ、これはお遊びで組み込んでおいたレアイベント!
      さすがうちの子!強運でこんな奇跡を引き寄せるなんて!
澪理 : 奇跡?!どこがよ!!?これは低確率で起きるバッドイベントでしょうがッ!!
      ――クリアして、ボーナスでも付くならともかくなっ!

 

− 先に飛び出した九郎たちに僅かに遅れる形でコンベアーエリアに突入する澪理 −

 

望・ステラ : いーち、にーぃ、さーん、しーぃ――

 

− キラーを踏みつけながらコースを進む望 −

 

九郎 : ――っと!――澪理!大丈夫?!
澪理 : っ…大丈夫だから前見て!
九郎 : ぅおっと!

 

− キラーを踏んで道を確保する九郎と、その後をなんとか追いかける澪理 −

 

ヒロト : なんていうか、本当に望と谷田野くん向きの競技だね…コレ(苦笑)
鬼道 : …これにハンデなしの澪理がいたら、確実に俺たちの勝ちはなかったな(汗)
吹雪 : ――でも、御麟さんがチームの足を引っ張ったまま終わる気はしないよね。
鬼道 : ?!
吹雪 : さ、呼吸も整ったことだし、急ごっか。

 

− そう言ってコンベアーエリアの後半へ飛び込む吹雪 −

 

風丸 : ……デジャブが起きないといいな(汗)
鬼道 : …………(滝汗)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彩芽 : さぁ〜ここが最終ポイント!何でもあり障害物!
      山あり谷あり!ワ○ワ○!ジュ○ム!ドッ○ン!再現できるものはみんな再現してみました!!

 

− コース上にわらわらしているマ○オに出てくる敵モンスターたち −

 

彩芽 : さぁ!ここで勝負が決まるわよ〜!ラストスパート頑張ってー!
鬼道 : …一見、シンプルなコースだが――
ヒロト : コンベアーを走った後に坂の上り下り――後半、まともに足が動くかちょっと不安だね。
風丸 : まずはこの前半をクリアしてしまおう。その方が休む時間も増えるからなっ。
鬼道 : よし!必ず勝つぞ!
3人 : おう!

 

− イナズマジャパン到着から遅れてクセモノイレブン到着 −

 

澪理 : 二回連続でレアイベント発生ってなによ?!レアじゃなくて通常イベントじゃないの!? 
望 : う〜…さすがにこれは疲れた〜。ステラ重い〜。
ステラ : ちょ?!なんですってー?!私のどこが重いってのよー!!
九郎 : ス、ステラっ、落ち着いて!
     今までずっとステラ背負って走ってきたんだから、望が疲れるのは当然だよ(苦笑)
望 : うー九郎交替〜。
九郎 : ぇ、あ…お、俺はそれでも構わないけど……。 
ステラ : ってゆーか!もう自分で走るわよ!
       ここがラストコースでしょ?!なら私の足でかっくじつに1位を――
澪理 : …あの坂、自力で登ってその後まだ走る元気残ってるって?

 

− 鎮座する向こう側が見えないレベルの山 −

 

ステラ : ……………。
澪理 : 確実に一位を取るなら、中間ポイントに着くと同時にスタートするのがベスト――
      ――ま、ここでその差を埋められなきゃ、意味ないけどね(ニヤリ)
望 : あ、澪理がめっちゃ悪い顔してる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

吹雪 : ふぅ〜…。ゲームマ○オではなんでもない坂も、現実だとやっぱりキツイね〜(苦笑)
風丸 : 前のコースの疲労もあるから余計にだな…(汗)
鬼道 : …あとは障害物をかわしながら真っ直ぐ走るだけだが……。
ヒロト : ワ○ワ○とドッ○ンは一定感覚で動いているだけみたいだけど……。
      …ジュ○ムがなにを投げてくるかがちょっと心配なところだね。
風丸 : 普通は棘の玉パイポで、それがト○ゾーになるわけだが…。
吹雪 : なんか、ボ○へいとか投げてきそうだよねー。
3人 : …………。
吹雪 : …別にボク、フラグ建築士じゃないよ?
風丸 : まぁ、歩き回るト○ゾーよりも、爆発して終わりのボ○へいの方がある意味で楽だけどな(苦笑)
鬼道 : …確かに、コースいっぱいに敵がいるような状況になることを考えれば、ボ○へいの方がありがたいな。
吹雪 : ――じゃ、一足先に行かせてもらうね。
風丸 : ! 一人で行くのか?!
吹雪 : ステラさんを温存されてる以上、少しでも差を大きくしておきたいからね。
ヒロト : なら、オレも一緒に行くよ。2人の方が、確率も上がるからね。
鬼道 : …体力は大丈夫なのか?
ヒロト : 大丈夫だよ。だてに毎朝走ってないからね。
鬼道 : そうか――なら2人は先に行ってくれ、俺と風丸はもう少し休んでから追いかける。
吹雪 : うん、了解――行こっか、ヒロトくん。
ヒロト : ああ、急ごう!

 

− 鬼道たちを中間地点に残して最終コース攻略向かって走っていく吹雪たち −

 

風丸 : …すまない、鬼道。(←俊敏性は抜群だが、スタミナ面に欠けるザ・短距離選手)
鬼道 : …これも俺たちが勝つための策の内だ。
      ――それに、俺の体力が回復しきっていないのは事実だからな。
風丸 : ……そう言ってもらえると助かるよ。ありがとう、鬼道。
彩芽 : ――素敵に友情を深めているところにごめんなさいねー。
鬼道・風丸 : !!
彩芽 : とっても申し訳ないんだけど、決着間近で致命的なバグが起きちゃってね〜。
風丸 : ……致命的な…バグ?
鬼道 : …なにかコースで問題が起きたんですか…!?
彩芽 : コースは大丈夫、とっても正常運行――バグったのはアッチ。

 

− そう言って彩芽が指差す先には――坂の頂上で仁王立ちしている澪理の姿があった −

 

鬼道 : なっ………!?ま…まさか…っ!?
彩芽 : そーなのよ〜。あの子、「気合じゃー!」とか言ってシステムからのハンデ、打ち破っちゃったのよ〜。
      ただ、常に気合でハンデを跳ね除けてるわけだから、体力の消耗は尋常じゃないと思うんだけどね〜?
風丸 : い、意外とトンデモな無敵理論じゃないんですね…(汗)
鬼道 : …だからこそ、不味いんだ。
      追い詰められた時のアイツの底力ほど――厄介なものはないからな…!(←コースに飛び出す)
風丸 : き、鬼道?!
鬼道 : 少しでも先を急ぐぞ!
風丸 : わ、わかった!(←鬼道を追う形でコースに飛び出す)

 

 

 

 

 

澪理 : ………こっちも急ぐわよ。 
九郎 : ……大丈夫?
澪理 : …これぽっちも大丈夫じゃない。正直、動きたくないわよ。
      つか、負荷元に戻せっつーのよ…!(←ハンデに抵抗したためハンデの出力を上げられた)
ステラ : でもそれ、ルール違反に対するペナルティなんじゃないの?
澪理 : はァ?ハンデを自力で克服したんだからルール違反じゃないわよ(怒笑)
3人 : ( へりくつだ… )
澪理 : ――ま、なにはともあれとにかく勝つわよ!(←坂からジャンプ)
望 : よっしゃー!逆転だー!!
九郎 : ああっちょ澪理!!体力の配分考えないと!?!
ステラ : ハイヨー!クロウ号ー!!
九郎 : 俺、馬?!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

− その頃、第二区間ジュ○ムエリアまで進んだ吹雪とヒロトは―― −

 

吹雪 : あはは、やっぱり御麟さんはただで終わらなかったね(笑)
ヒロト : うう〜ん…(苦笑) これって笑い事で済む話なのかな…。
吹雪 : ――というか、笑って誤魔化すしかないってやつだよ(笑顔)
ヒロト : あー…――
ステラ : おっ先にー!(←一瞬で通り抜けていく)
吹雪 : …………。
ヒロト : ……………(苦笑)
鬼道 : 足を止めるな!先を急げー!!(←彼方から聞こえる鬼道の声)
吹雪 : 体力を温存していたにしてもアレはないよね。
ヒロト : うん。温存していたとはいえ、
       あのスピードにあのボディバランスはないなぁ。(←猛スピードでコースを攻略していくステラの後姿を見つめながら)

 

− 小さなため息を付いた後、一気に飛び出す吹雪とヒロト。
それから僅かな間を置いて―― −

 

風丸 : うわああぁぁ!!!(←大絶叫)
鬼道 : 落ち着け風丸!あれはデカいイノシシだと思え!
風丸 : 余計に落ち着けないと思うぞ!?
鬼道 : とにかく自分のペースを崩すな!あのイノシシのことは気にせずに前だけを見ろ!

 

阿呆みたいな勢いで追ってきます。(超高速飛行船的な)

 

彩芽 : まさかこのモードを使うことになるなんて思わなかったわ〜。
      みんな、ホントに足が速いわね〜。
澪理 : ――まさしく「脱兎の如し」ね。
彩芽 : うふふ〜ホントね〜。
      特に風丸くんの脱兎感が半端ないからウサ耳でもつけちゃいましょうか(笑)
澪理 : …それは――望むところね(←いい笑顔)
風丸 : やめてくださいッ!!(激怒)
鬼道 : ! 風丸!前!!
風丸 : あっ――(←目の前にジュゲムの投げたパイポ)
澪理 : っ――ッらァ!!
九郎 : ぅええええぇ―――!?!(←澪理に襟首掴まれてブン投げられる)
風丸 : ぅわっ!!

 

− 投げ飛ばされた九郎に巻き込まれる形でぶっ飛ぶも、
間一髪でパイポに接触せずに安全地帯に入った風丸 −

 

鬼道 : 澪理…。
澪理 : 今のミスの原因の一端は私だもの。
      これで風丸がリタイアすると、姑息な手を使って勝ったようで、私の評判落ちるのよ――
      ――それに、今ので鬼道と風丸(を九郎が)抜いた!(←立ち上がりが九郎の方が早かった)
鬼道 : あ゛!
彩芽 : はーい!ここでステラちゃんゴールイン!
望 : おー!さすがステラ!
澪理 : さて、ここまでは順調――あとは鬼道と風丸を入賞させなきゃ私たちの勝ちよ!
鬼道 : くっ…!そう簡単に抜かれて堪るか!!

 

− ゴールに向かって一直線に走る選手たち――の前に立ちふさがるのは、無数に配置されたドッ○ンたち。
交互であったり、同時だったりとランダムに上下運動を繰り返していた。 −

 

望 : ぅーわっ!朔が得意なヤツだ!
澪理 : …要するにアンタは苦手なヤツね。
望 : うん!
澪理 : ……(汗) ――なら、私の後についてきなさいっ。
望 : 了解っ!
澪理 : 九郎っ!なんとしてもそのリード保ちなさいよ!!
九郎 : 元陸上部のスプリンター相手に澪理も無茶言うな〜(泣笑)
      …ただ、才次のこともあるから――負けたくはないけど…っ!
風丸 : ! まだそれだけのスタミナを?!
鬼道 : っ…!そもそもハンデを負った澪理にペースを合わせていたんだ!谷田野は最初から本気じゃなかったんだ!!
九郎 : そ、そんなことないよ?!セーブはしてたけど真剣にとりくんでましたよー!
彩芽 : 続いて!吹雪くん、基山くんがゴール!
      さあさあさあ!障害物競走を制すのはどっちだー!?
鬼道 : ( よし…!このままいけば風丸が5位に―― )
望 : キ○ー望!いっきまーすっ!!(←澪理に胸倉掴まれ)
澪理 : き あ い じゃア――ッ!!(←望ブン投げ)
望 : キャッホーゥ!!
風丸 : ッ!?!
九郎 : ぐごはっ!!(←背中に望激突)

 

 

 

 

 

This is パワープレイ。

 

 

 

 

 

彩芽 : はーい、なんか若干競技の趣旨を履き違えてる感があるけど――競技終了〜!
      さぁさぁ有人くんも澪理も早くゴールしちゃってね〜。
鬼道 : ………澪理(滝汗)
澪理 : アレも策の内よ(しれっ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彩芽 : はいっ、では早速結果発表〜!
      まず、一位はぶっちぎりでステラちゃ〜ん!
      続いて、二位に吹雪くん、三位に基山く〜ん。2人とも立派にリードを守りきったわね!
      そして、四位は九郎ちゃんで五位は望ちゃんでしたー!
      最後の2人はだいぶ力技だったけど――絵的に面白かったからセーフ!
風丸 : ( どういう審査基準なんだろう…(汗) )
彩芽 : 一位5ポイント、二位4ポイント、三位3ポイント、四位2ポイント、五位1ポイントで総合すると――
      ――イナズマジャパン7ポイント!クセモノイレブン8ポイントで!クセモノイレブンの勝利ー!
望・ステラ : やったー!!
澪理 : はー…危なかった危なかった。
九郎 : うん…俺の腰が危なかったよ…!!(泣)
澪理 : …一応予告はしておいたじゃない、最悪望をぶつけて勝つって。
鬼道 : ……本当に策の内だったのか…(汗)
九郎 : き、聞いてはいたけど、あそこまで思い切りぶつけられるとは……(汗)
澪理 : …私も限界が近かったのよ――…ッ!!(←唐突にべしゃっとつぶれる)
風丸 : な゛っ――御麟!!?
彩芽 : あ、そういえば澪理にかけた負荷、最大にしたままだった。
澪理 : ………ッ…!(←怒りと自嘲の混じった表情)
九郎 : いやー!!澪理がつぶれるー!!

 

第3種目「障害物競走」結果――クセモノイレブンの勝利!

現在の結果 : 1戦中、イナズマジャパン0勝、クセモノイレブン1勝