全国に多数の店舗を抱える大手カフェチェーン店「イレブンカフェ」。
イレブンカフェは、各店舗によって制服、内装、接客などが違うという特徴があり、
自分の趣味趣向に合った店舗を探すことがブームとなり、
現在では大きな人気を誇るカフェチェーン店となっていた。
そういった強い個性を売りにしているイレブンカフェだが、
その裏には徹底的な個性の追及があり、
イレブンカフェ各店舗の個性は自然に成り立ったものではない。
しかし、従業員たちの個性を潰したわけではなく、
彼らの素や内側にある個性を引き出して、それを店の個性に活かしている。
そして、その従業員の個性を最大限に引き出しているのが――

 

新人店舗には、中堅かベテランをつけるべきじゃないのかねぇ。

 

本社から派遣されるマネージャーなのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イナズマイレブン×カフェ
雷門イレブン編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カランカラーン

 

 

 

店員一同:いらっしゃいませー!

 

 

 

円堂:って、なんだ御麟かー。
はい、円堂減点。
円堂:えー!!
風丸:いや、それは普通だろ…。
円堂のそれは長所といえば長所だけど、個性として成立してないとただ馴れ馴れしいだけよ。
    もうかなり自分がこの店の従業員ってことを自覚しなさい。
円堂:へーい。
………。
風丸:ま、まぁ、御麟。千里の道も一歩からっていうか、なんていうか…。
なに?私はそんな険しく長い道のりを歩かないといけないわけ?
風丸:こ、言葉のあやだが……近からず遠からずでは…あるかな…?
よし、じゃあそこまでいうなら――風丸もみちづれだ。
半田:あ、いいなそれ。
マックス:風丸はフロアチーフ兼円堂担当ってことで(笑)
風丸:おいっ、2人とも!
半田:なんだよ、なんでそこで抵抗するんだよ。
    実際、風丸は円堂の扱いなれてるし、任されて問題あるもんじゃないだろ?
風丸:た、たしかにまぁそれはそうだが…。
    フロアチーフと兼任っていうのはどうなんだ?!
マックス:問題ないよー。ね?
ないわね。寧ろ、苦労人キャラが固定化されていいんじゃない?
風丸:おい!
そう悲観したもんでもないわよ。さっさと自分のポジション決めた方が後々いいんだから。
風丸:とてもそうは思えないポジションなんだが…。
半田:でもさ、「もうかなり」たったら円堂もしっかりするだろうから、
    そんなに心配する必要ないんじゃないか?
風丸:……そ、そうかな…。
(「もうかなり」が日常になって、店の個性になりそうな気もするけどねぇ)
マックス:じゃ、風丸にはこれをプレゼントっ。
風丸:なっ。

 

 

 

 

 

 

半田・わー似合ってる、似合ってる。
風丸:それ、褒められてもあんまり嬉しくないぞ!
マックス:もー、風丸は贅沢だなぁ〜。
      円堂担当になりたり子がいっぱいいるっていうのにねー?
……なぜ私にふる。
マックス:の反応を見てみたかったから(笑)
それを言ったら――

 

 

 

 

 

 

……松野、間違ってもお客様相手にこういうイジり方はないように。
マックス:心配しなくても、にしかこんなことしないよっ。
:逆に性質悪いわ。
夏未:!!一体これはどういうことなの!!?

 

 

 

 

 

 

どういうこともこういうことも、私権限で作らせた特別仕様制服
夏未:お店に私情を持ち込みすぎではないかしら…?!
お店の個性を立たせるための処置ですー。(棒読み+明後日の方向を見て)
夏未:なら私の目を見て言いなさい…!
秋:夏未さんっ、落ち着いて!
冬花:その制服、夏未さんに合ってますし、そんなに怒ることは…。
壁山:そ、それにお客さんからの評判も凄くいいッス!
栗松:可愛いし、目じる――ふげっ!
宍戸:(バカ!それ言っちゃダメだろ!!)
少林寺:(夏未さんの制服が「半人前」の目印になってるのは内緒だって言われただろ!)
栗松:ごもももっ〜!(そうだったでヤンス〜!)
夏未:…栗松くん……?なにを言おうとしたのかしら…?
栗松・宍戸・少林寺:ひゃーー!!
円堂:似合ってるんだからいいじゃないか!
夏未:っ〜〜〜!!
(天然って恐ろしい…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一之瀬:お待たせいたしました!
…………。
一之瀬:俺を睨まれても!
………はぁ〜…。2人は?
一之瀬:思いっきり断られたよ。
     俺も一応引き止めようとしたんだけど、取り付く島もなく逃げられたんだ。
…まったく、なめられてるわね。一応、本社のマネージャーなんだけど、私。
一之瀬:新人だけどね!
…一緒にきなさい。(一之瀬の襟首を掴んで)
一之瀬:わわっ?!ちょっ、
アンタたち3人まとめて説教してやるわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

豪炎寺!染岡ァ!!

 

 

 

 

 

 

染岡:チッ、きたか…。
コラ!舌打ちするな!
染岡:しかたねぇだろ。お前見てるとイライラすんだ。
はァ?イライラしてるのは――
豪炎寺:御麟、なんの用だ。俺たちも暇ではないんだが?
(……なんで私が怒られるの?説教にきたはずなのに!)
一之瀬:、本題本題。
…だから、なんで私がアンタたちに諭される形になってるのよ…!
    初めから豪炎寺なり、染岡なりが出てくればよかったものを…!!
豪炎寺:俺たちはこの店の軽食とスイーツを2人で作ってるんだ。
      配給を手伝っている余裕はない。
染岡:まったくだ。配給は一之瀬たちウェイターに任せとけばそれでいいだろ。
イレブンカフェ素人基準で判断するな。
    私はマネージャーとして、意味のあることを指示してるんだから、
    自分の勝手な判断で、私の指示を意味がないと判断しないで。
染岡:うっ……。
豪炎寺:なら、お前の指示にはどんな意味があったと言うんだ?
イレブンカフェの基本は、従業員全員で「店」を作ること。
    それは店員たちの意識はもちろんだけど、
    お客様にも「店」を作っていることを理解してもらう必要がある。
    たとえバックヤードだろうと、店の従業員であれば
    表に顔を出してお客様に顔をしてもらう必要があるの。
    だから今回、私は2人が店に顔を出すきっかけをつくったの。…おわかり?
染岡:そ、そんな理由があったなら、最初からそういやいいだろっ…。
:言わずとも端から出て来い。
染岡:あぁっ!?(怒)
一之瀬:まぁまぁ染岡、落ち着けよ。
豪炎寺:お前の意図はわかった。これから――
もう遅い。
豪炎寺・染岡・一之瀬:……は?
次の店舗に移動しないと打ち合わせの時間に間に合わないのよ。
一之瀬:…意外とってお役所仕事?
違う。次の店舗は本社が力を入れてるから、それこそ「勝手」ができないのよ。
豪炎寺:…どこの店舗なんだ?
聞いてどうするのよ?
豪炎寺:ただの興味本位だ。
一之瀬:俺も聞きたいな!
染岡:俺も聞きてぇな。それでお前が本社からどれだけ信用されてるかわかるからな。
ホントに染岡は私のことをなめきってるわね。
染岡:お前の経歴が不詳すぎるんだよっ(怒)
豪炎寺:それで――お前の次の現場はどこなんだ?
……帝国イレブン第7支店。