【 ピグイノスと一緒 】

 

【ジロー】
 やっはり、ポルフィルンが一番馴染む…。
【レイリ】
 …馴染むって何よ。

 

 一応つっこんでは見るものの、私のツッコミなんて耳に入っていないようで、
ジローは相変わらずピグイノスたちと戯れることに夢中になっている。
……まぁ、これは想像の範疇ではあるけれど。

 

【ジロー】
 一度に全種類のピグイノスと出会えるなんて……。
俺、今まで生きてきた中で一番幸せだ…。
【レイリ】
 いや、今アンタ生きてないでしょうに。
【ジロー】
 まぁ、人としてはな。
だが、嬉しいとか面倒くさいとかって感じられるということは、「生きてる」という証拠だ。
生きてピグイノスたちを戯れられるなら俺はそれでいい。
【レイリ】
 物凄い柔軟性……。その柔軟性をユートにも見習わせたいわね…。
【ジロー】
 ユートは真面目で頑固だからな。
利益のために自分の「決まり」を壊して、新しいものを受け入れるなんて――
そう簡単にはできないだろうな。
【レイリ】
 ……意外にユートのこと、分かってるのね。
【ジロー】
 一応、俺の命の恩人みたいなものだからな。
自然と目で追っていたというか……。無意識に恩を返そうとしていたのかもしれない。
【レイリ】
 義理堅いのね。
【ジロー】
 意外か?
【レイリ】
 ……そんなこともないわね。
面倒くさい、面倒くさいといいながら――店の経営を手伝ってくれているわけだし。
【ジロー】
 ……追い出されるのは勘弁だからな。
【レイリ】
 それを言われなくても手伝っていた気が、今ならするわね。
【ジロー】
 買いかぶりすぎだと思うが?
【レイリ】
 失礼ね、これでも人を見る目はあるんだけど?
【ジロー】
 アンデットだけどな。
【レイリ】
 揚げ足取るなっ。二度とここに連れてこないわよ!
【ジロー】
 ははっ、悪かったよ。

 

 

【Gallery TOP】  【TOP】