飛行船を降り、マキシと分かれたを迎えてくれたのは一人の女性だった。

 

「お久しぶりね、
「はい、お久しぶりです。イブキさん」

 

笑顔でを迎えた女性――それはフスベシティのジムリーダーにして、
ジョウト地方最強のジムリーダーとして君臨しているイブキ。
イブキの兄弟子に当たるワタルとが親しいのだから、イブキもと親しいのは当然で、
イブキの顔にもの顔にも再会を喜ぶ笑顔があった。

 

「リオ殿から連絡があって迎えに来たわ。さぁ、フスベシティに向かいましょう」

 

そう言うとイブキはモンスターボールを放る。ボールから飛び出したのは一体のカイリュー。
自分が放たれた理由を理解しているようで、イブキたちが乗りやすいようにすぐに身をかがめてくれる。
それに答えるようにイブキは身軽にカイリューの背に乗ると、に「さぁ」とカイリューの背に乗ることを促した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

使いの約束

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イブキのカイリューの背に乗ってがやってきたのは、竜使いの里と呼ばれているフスベシティ。
の出身地であるコキアケタウンと姉妹都市関係にあるにとって馴染みのある街だ。
ただ、はイブキのように竜使い一族の跡取とか、長一族の人間というわけではないため、
実際にフスベシティにやってくるのは初めてのことだった。
イブキと面識があるのは、あるときにイブキが、
フスベの竜使い一族の族長と共にコキアケを訪れたときに顔を合わせたからだ。
それ以降は、フスベジムとコキアケジムの交流試合のときに会ったりしている。
会った回数はさして多いものではないが、バトルを通して育まれた信頼は薄いものではなかった。
イブキに案内されては、認められたトレーナーしか入ることを許されていない場所――竜の穴へと足を踏み入れる。
ドラゴンポケモンの好む独特の雰囲気をある空間にの気持ちは落ち着いていく。
それを思いながらは自分が根っからのドラゴン使いなのだと思っていると、
カイリューがゆっくりととある建物の前に降り立った。

 

「ここがフスベの竜の祠よ。さぁ、長のところへ」
「はい」

 

カイリューから降り、はイブキに促される形で竜の穴のほぼ中央に存在する建物――竜の祠へと足を踏み入れる。
荘厳な雰囲気に気圧されながらも、は部屋の中央に正座する。
すると、何かを遮るように下ろされていたすだれがゆっくりと上がっていく。
すだれの奥――壇上の上には1人の老人が笑顔を浮かべて座っていた。

 

「お主がリオの娘か」
「はい。といいます」
「ふむ……。外見はヒイナによく似ておるが、雰囲気はリオに似ておるな。
…しかし、優秀なドラゴン使いと思っておったが――なぜドラゴンポケモンを連れておらぬのだ?」
「…!?、本当なの!?」

 

静かに言葉を投げた老人――フスベの竜使いの長。
その彼の問いに驚いたのはよりも、その側にいたイブキ。
酷く驚いた様子でイブキがに問いを投げると、は少しの間をおいてからコクンと頷いた。

 

「…お主もカナメと同じというわけか」
「いえ、今は事情があってドラゴンポケモンたちは父の下に預けているだけで、
姉のようにドラゴンポケモンが嫌いなわけでは…」
「もしや……、リオのポケモンたちの故障か!」
「……、………はい…」
「ほんに好調と不調の差の激しい男だ……。
…しかし、その年でリオを満足させるドラゴンポケモンを育てるとはのぉ」

 

を見ながら長は楽しげな笑みを浮かべる。
そして、不意にイブキを側に呼ぶと彼女に一通の手紙を渡す。
長から手紙を手渡されたイブキは、長に軽く会釈をすると、
の側へとやってきて長から渡された手紙をに渡した。

 

「その手紙はヒワダにいるガンテツというボール職人への紹介状じゃ。
良いボールが必要になったときにでも行ってみなさい」
「ありがとうございます。是非、行ってみます」

 

が長の心遣いに笑顔で礼を言うと、ゆっくりとすだれが下りていく。
完全にすだれが降りきるまで待ち、長の気配がなくなったとことでイブキが立ち上がり、に祠から出るよう促した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの…イブキさん。……あの人、ドラゴン使いの方じゃないですよね…?」

 

竜の穴を出る途中、の目に不意に入ったのは赤い髪。
ドラゴン使いとは明らかに毛色の違う存在には首をかしげてイブキに質問してみると、
イブキは赤紙の青年の姿を見て「ん?」と声を洩らしたが、の疑問に納得いったのか、説明を始めた。

 

「ん?ああ、ソウルのこと?アイツは確かにドラゴン使いではないのだけど、兄者の弟子なのよ」
「ワタルさんの……」
「ふふっ、興味があるようね」
「……バトルメンバーだったら是非バトルしてみたかったです」
「はぁ…残念だわ。私もとバトルするのを楽しみにしていたのに」
「あの…もう少し待ってもらえませんか?必ずイブキさんの相手ができるレベルになって戻ってきます」

 

自信に満ちた表情でイブキにそう言ってかえすに、イブキは不意に笑い出した。

 

「もう少し――そんな短時間で私の相手が勤めるレベルにまでもってこれるなんて、生意気ね」

 

コツンとの額を小突いて言うイブキだが、はそんなイブキに対して自分の言葉を取り下げることはせず、
あくまで「もう少し」で彼女の相手が務まるレベルにまで到達するつもりのようだ。
相変わらず自信に満ちた表情を浮かべているに、イブキは降参したように「わかったわ」と言葉を返した。

 

「いいわ、『もう少し』待ってあげる。
だから、私をガッカリさせるような成果なんて持ってくるんじゃないわよ?」
「はい、もちろんです」

 

そう言葉を交わし、イブキとは握手を交わした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■いいわけ
 はじめは擬人化のダイヤ軍ジョウト編連載でのみ公開しようと思ったのですが、
擬人化キャラが一切出ていないので、友情夢というかたちで夢小説にランクアップ(?)しました。
イブキさんはHG・SSになって異常に可愛くなった気がするので、また書いてみたいです(笑)