また今日もポケモンたちの分布調査に出かけようとする。
ボールからオニドリル――オドルをボールから出し、そのオドルのがの肩を掴もうとする。
と、ふとたちの足元が暗くなった。
「おーい!ー!」
笑顔の理由
頭上から聞こえたのは聞きなれた声。
笑顔で顔を上げればそこには、少年――レッドも笑顔で
に笑顔を向けており、また手を振ってくれていた。バサリバサリと大きな音と風を起してプテラがゆっくりと高度を降ろしていく。
それによって段々とレッドの顔が確認できるようになっていく。
レッドもまたの顔が確認できるようになったようだった。
「…?あれ、レッド日に焼けたの?」
「へっ!?あっ、いや、か、かもな!」
少し赤くなったレッドの顔。
それを心配してかが少し不安げにレッドの顔を覗きこんでくるが、
レッドはヒョイと体を避けてから逃れる。
今度は不思議そうには首を傾げるわけで、それがまたレッドにとってそれは――
「(可愛い…)」
そんな事を思う相手に顔を覗きこまれてしまっているのだから、
照れないわけもなくレッドは顔が赤くなり、最終的には日焼けという事でごまかしたわけだった。
「そ、そう言えば、はこんなところでなにしてるんだ?」
「え?ああ、これからポケモンの分布調査に出かけようと思って……」
「へぇ〜…ブラウンさんの手伝いか?」
「ええ、ほとんど自主的になんだけどね」
少し照れくさそうに笑う。
彼女の言う通り、確かにこれはのかなり自主的な調査ではあるが、
ブラウンの研究におそらくは役にだっているだろう。レッドはブラウン――母親の話にが笑みを浮かべられる事にほっとしていた。
が親の事を嫌っていることは知っている。故にのその笑顔が嬉しかった。
「へへっ…」
「レッド?」
「なんか、のブラウンさんの事で笑ってるのが嬉しくてさ」
昔は、話すだけでその表情が歪んだ。なのに今は笑みすら浮かべられる。
無意識だったということは、それだけ母親に対する抵抗が薄れているという事なのだろう。
「レッドはやっぱり素敵だね」
「………へっ!?」
「私が気付かない私に気づいてくれるんだもの」
「いや、それは…その……」
「ありがとうレッド。嬉しいんだよ私」
たんっと地を蹴りはオドルに掴まる。
オドルの翼がバサリと羽ばたきレッドはバッと顔を上げた。逆光での顔はいまいち確認できないが、どことなく赤い気がした。
「それじゃ私、お母さんの手伝いに行ってくるね!」
「お、おう!」
■いいわけ
母親を嫌っていた夢主が母親を拒絶しなくなったんだよ。って話。
レッドも「事情」を知っているので、色々な意味で嬉しいのだと思います。
でも、どーせならもっと普通の夢書けやって話ですよね。