「このアタシに自分のタイプをわかって勝負いどんできてるなら、アンタ相当の馬鹿よ!」
そう強い口調で言う少女に、ナギサシティでジムリーダーを務める電気タイプの使い手――
デンジは、ただただ唖然とするのだった。
変化か豹変か
出会ったのは、自分に勝利したトレーナーであり、自分が思いを寄せる少女――。
久しぶりに出会ったということもあり、挨拶代わりに勝負を挑んでみたのだが、
やはり四天王に勝利した存在というだけあって完膚なきまでにデンジはに完敗してしまった。しかし、以前自分にかったときは、無表情というか、感情の突起の少ない少女で、
勝利してもまったくといっていいほど喜ばなかったのだが、今の彼女はどうだ?
勝利に喜んでいるどころか、デンジに対してどちらかといえば、馬鹿にしているようだった。
「…………」
の変貌ぶりに口をパクパクと開いたり閉じたりしているデンジ。
どうやらことの状況が飲みこめていないようだ。だが、不意に小ば馬鹿にしたようなの表情が、不意に無表情に変わり、
一息ついた後にデンジを真っ直ぐ見て口を開いた。
「って紅霧が言ってたよ」
「紅霧!?」
紅霧――のトリトドンが言った。
そう言われて慌ててデンジが紅霧に視線を向けると、
紅霧はの横で高笑いをするかの様に顔を上げて体を揺らしてケラケラと笑っていた。人間がポケモンの言葉を理解する――、の予想以上の演技力――
色々と突っ込むところはあるが、
それよりもデンジは自分が好いたがいなくなっていないようことにホッとしていた。
「……なにビックリしてるの」
「い、いや、ビックリするだろ。いきなりお前らしくない口調で怒鳴られたんだからさ」
「…まぁ、そうだね」
「紅霧のマネしただけなんだけどね」と紅霧に言いながらは不思議な顔をしている。
きっと何事にも察しの悪いのこと紅霧がそれほど悪いことを言ったとは思っていないのだろう。よくよく考えれば、紅霧にはかなり酷い事を言われているのだが――
「まっ、の顔に免じておくか」
「ッ――!!」
「紅霧??なに怒ってるの?」
後ろからに抱きついたデンジ。それを見た紅霧がギャーギャーと騒ぐが、
それほど大きさのないトリトドンではデンジをから引き剥がすことはできない。また、水鉄砲でも泥爆弾でもぶつけてやりたいところだが、にあたっては一大事。
紅霧はなにもできない自分に相当の葛藤を抱いているのか、ジタジタと暴れていた。だが、デンジの天下もそう長く続くものではなかった
「ごふっ!」
「…あれ?緑翼??どうして出てきてるの?」
気付けばフライゴン――緑翼がその長いしっぽでデンジの顔に重い一撃を決めていた。
■いいわけ
夢主のポケモンはレントラーを除いてすべて♀なのですが、夢主に対する執着は以上です。
して、下手に夢主に近づくと、一切の手抜きなく攻撃されます。
この後のおそらくデンジの頬ぷっくり腫れておるかと思います。