「やだー!くんの葉ちゃんったら素敵すぎー!!」
葉――ジュカインの首元に抱き付きキャーキャーと完成を上げているのは、
ハクタイジムを纏め上げているジムリーダー――ナタネ。今の彼女では、それだけの大役を立派に務めている用には見えない。
しかし、彼女のそんな様子を全く気にしないのか、
少年――はナタネと葉の様子をニコニコと眺めていた。
照れてない
『……俺をボールに戻せ』
酷く不機嫌そうにに頼みことのような、命令のような言葉を投げる葉。
しかし、まったくの方は脅えることもせず、
また葉の要望を聞くつもりないようでのほほんとした表情で葉を宥める様に言葉を返した。
「いいじゃないか、男の人に抱きつかれてるわけじゃないんだし」
「ん?ん?なになに!
くんってば葉ちゃんとなに話してるの!?」
ナタネが嬉々とした様子でに尋ねてくる。
そう、葉――ポケモンの声はナタネには聞こえず、にしか聞こえないのだ。そのこともあり、期待を抱いた視線をに向けるナタネだったが、
ナタネの思っている葉の心の中と、葉当人の心の中はまったく盛って逆だろう。
しかし、その言葉を伝えるべきか悩むと思われただったが、予想外に簡単に口を開いた。
「ボールに戻してくれだそうです」
「………」
はっきり事実を言ってしまった。
だが、その顔に一切の戸惑いや躊躇と言うものは覗えず、
自身は嘘をついてもいないので悪いことをしたとは思っていないのだろう。だが、そこで急に申し訳なくなってきたおのは葉なワケで、
ふと顔を下げたナタネについつい心配そうに視線を向けた。
「もー!葉ちゃんったら照れ屋さーんっ!」
『むおっ!?』
「あはは、ホントですよね〜」
再度キャッキャッと喜ぶナタネを見て葉は、少しでもナタネのことを心配した自分を責めた。この超ポジティブシンキングな思考を持つナタネがこれしきの言葉で落ちこむはずがない。
だというのに、心配してあんな視線を向けてしまっては今更にすら弁明ができないだろう。だが、元々ポケモンと人間は言葉が通じないのだから、
実力行使で本心を伝えればいいのだ。
「あはは、本当に葉は照れ屋だな。ポケナビだと冷静って表示されるのに」
ナタネを引っぺがしてに後ろから抱きついた葉。これが葉にとって最終手段とも言える抵抗だった。ナタネは、この葉の抵抗の意味を理解したようで、呆然と立ち尽くして葉とを見ている。
因みに、は現在のことの状況がさっぱり読めていない様だった。
「……葉ちゃん!
いくら葉ちゃんといえど、くんにそこまでくっついちゃうのはバツ!」
「えー??」
『…………頭が痛い』
ナタネの言葉にへたり込んで頭を抱える葉だった。
■いいわけ
アニメのテンションが高いナタネさんがベースです。
一応、ナタネさんは夢主が好きってことなのですが、葉(ジュカイン)も大好きです。
っつーか、なに突然ポケモンで男主×女キャラやってんでしょうね。