「少しは自分でブラッシングとかした方がいいと思うよ」
オーバのミミロップのブラッシングをしながらそう言うのは。
からの言葉を受けて彼女の横に座っているオーバは面倒くさそうなものにその表情を歪めた。
「俺の性にあわない」
「そういう問題じゃないよ」
誰のために
大雑把な性格をしているオーバ。故にこういった細かい作業は得意ではないのだろう。
それでも、はオーバの行動をよしとするつもりはないようで、きっぱりと切り捨てるように言をいい放つ。
そんなの対応を受けてオーバは肩をすくめて困ったように笑った。
「別にブラッシングなんてしなくてもポケモンたちにはなんら問題ないぜ?」
「……ミミロップの今の姿を見てそんなこと言えるの?」
動かしていた手を止めてはオーバのミミロップを指差す。
がブラッシングしてくれたおかげでだいぶ落ち着いているが、
まだところどころ毛が絡まりあって毛玉になっている部分が見受けられる。
確かに、そのままでも特に問題ないといえば問題ないかもしれないが、やはり見栄え的には最悪の状態だ。
「これじゃ、四天王って名乗ってもかっこつかないね」
「………」
ミミロップのブラッシングを再開しながらは呆れた様子で言う。
に言われて返す言葉が見つからないオーバは少しのあいだ沈黙するも、
数秒後にはにかっと笑ってを肩を抱きながら言葉を返した。
「俺がやらなければ、お前がやってくれるだろ?」
「………ミミロップのためにね」
「素直じゃないな、顔赤いぜ?」
「っ!?」
オーバに言われての体がビクリと反応する。
そんな滅多に見られないの反応が面白かったのかオーバはケラケラと笑う。
そこでは自分がオーバに遊ばれたことに気づく。当然、の気分は悪くなるわけで、が不機嫌そうな表情をオーバーに向けると
オーバは「悪い悪い」と相変わらずケラケラと笑いながら言葉を返した。
「これからも頼むぜ?」
「もう、知らないよ」
そう不機嫌に言葉を返しながらも、の手は止まらずにミミロップのブラッシングをしているのだった。
■いいわけ
なんとなくオーバには大雑把な、もっというと豪快なイメージがあります。
なのでポケモンのブラッシングとかサボってそうなイメージがあるのです。
ミミロップのブラッシングをサボったらモコモコの部分が酷いことになりそうですよね。