「チャモ!スカイアッパー!」
勢いよくチャモ――バシャーモにそう命令を下したのは少女――。チャモはの命令に素早く従いタンッと素早く大地を蹴り
自分が攻撃する相手――ハリテヤマとの間合いを一気に詰め、
その勢いのままスカイアッパーを決めた。チャモの素早い攻撃にハリテヤマは防御することすら間々ならず、また抵抗することも許されずにその直撃を受ける。
その一撃の重さを生々しく語るようにハリテヤマはその一撃で地へと沈んだ。
隠れた本音
「っしゃー!」
「くぅ〜、やっぱは強いな」
「なーに当然のこと言ってくれるのよトウキくん」
青年――トウキに褒めたれた嬉しさを本人は隠しているようだが、
それはまったくできておらずは上機嫌でチャモのもとに駆け寄るとチャモの手をとって嬉しそうにくるくると回る。
チャモもが喜んでくれていることが嬉しいのか、
優しい笑みを浮かべてと一緒にバトルに勝利したことを喜んでいた。だが、不意にはチャモから手を離すとそのまま器用にくるりとトウキの方に向きかえる。
そして、てくてくとトウキの方へと歩み寄ってきた。トウキはなにか言われるのかと少し不安に思ったが、の目的はトウキではなかった。
「ハリテヤマもかなり強くなったよねー」
トウキのハリテヤマが起き上がるのを手助けしながらは言う。
まさか、ハリテヤマのことをが褒めてくれるとは思っていなかったトウキはきょとんとした表情を浮かべる。
だが、不意にの言葉に引っかかるものがありオウム返しにことを放った。
「ハリテヤマ…も?」
「え、いや、も、もじゃなくて……っ!」
トウキの問いにしどろもどろになる。その動揺は「肯定」と受け取ってよいのだろう。
トウキはニカッと笑い、顔を赤くして言い訳をしようと必死になっているに抱きついた。突然抱きつかれたは「うわぁっ!?」と色気のない声を上げるが、
のそんなところを気に入っているトウキは「照れるなよ〜」よ笑いながらの頭をガシガシと撫でる。
すると、不意にトウキの後にどす黒い殺気を放つ影が現れた。
「シャーッ!!」
「うぉわぁっ!お、おちつけってチャモ!!」
「バッシャーモ!!」
トウキに殺気を向けたのは言うまでもなくチャモ。
大切な主人を困らせたうえに、セクハラまがいなことをされて、至上主義のチャモが大人しくしているはずがない。
寧ろ、今までよく我慢していた方だろう。
からトウキが離れても興奮気味にトウキを警戒するチャモ。
そのチャモの気迫に完全に気圧されたトウキはジムの隅っこに追いやられ、このムロジムのリーダーとしての威厳はゼロに近い。
流石にそれは可哀相だと思ったのかはチャモにおちつくように言う。
すると、チャモは少し納得できていない様子ではあったが、が言うならば――と言った感じで大人しくなった。
「ひ、ひとつ言っておくけど、別にトウキを褒めるつもりはなかったんだからね」
顔を薄く朱色に染めてはそっぽを向けて言う。
その様子がたまらなく可愛らしくてトウキはまた抱きつきたくなる衝動にかられるが、
照れているの後で「シャー!」と敵意をむき出しにしているチャモを見て思わず踏みとどまった。そして、にひとことお礼の言葉を返した。
「ハリテヤマのこと褒めてくれてありがとな」
「う、うん」
はそう照れくさそうに言葉を返した。
■いいわけ
世にも珍しいトウキ夢。マイナーもマイナー。どマイナーだと自分を褒めいた気持ちです。
しかしまぁ、紅玉夢主がいい感じにツンデレ風味になってしまって残念なできありになってしまいました。
でもマイナーなトウキ夢だからいいか!とか思っているダメ人間でした。