「黒鴉、つばさでうつ」
「ハリテヤマ!あてみなげ!」
ポケモンとポケモンがぶつかりあう。それがポケモンバトルだ。今はムロタウンのムロジムに来ている。勿論その理由はバッチを得るためだ。
そして、今はそのバッチを得るべくジムリーダーのトウキとバトルに全力を注いでいた。
彼の噂話
「はい、これがムロジムのバッチ、ナックルバッチだよ」
「ありがとうございます」
トウキのポケモンたちを全て退けたはトウキからバッチを受けとり、
ホウエンを旅する前に先輩ポケモントレーナーであるからもらったバッチを保管するケースにバッチをしまう。
これでバッチは3個目。ポケモンリーグへ挑戦するにはあと5個のバッチが必要だ。だが、確実にポケモンリーグへと駒を進めていることを感じ取っているは、
バッチを見て嬉しそうににこりと笑った。
「の後輩トレーナーってだけあってやっぱり強いな!」
「トウキさんも噂に違わない強さでした」
「噂?」
「はい。さんがよく話してくれていました」
が「」という単語を出すとトウキはあからさまに嬉しそうな表情をその顔に浮かべた。
はそれには気付いたがトウキがなぜ喜んでいるかまではわからず不思議そうな表情を浮かべて首をかしげていた。
「…トウキさん?」
「あっ、いや、ゴメンよ。いやー、でもが俺の噂話かぁ〜」
「はい、『ウザいけどポケモンバトルの腕は本物だ』って言ってました」
ピシィ!先ほどまでルンルンだったトウキがピシリと固まる。
ギギギ…と首を動かしてに顔を向けてトウキは「マジで?」と問う。
問われたは相変わらず不思議そうな表情を浮かべて「はい」と言葉を返す。
すると、トウキは一気に崩れ去り、が気付いたときにはトウキはジムの隅っこで「の」の字を書いていた。それをパートナーであろうハリテヤマがオロオロしながら慰めていた。
「ウザいってか……オレ、そんなにウザいのか…!?」
ブツブツと呟くトウキには一瞬キョトンとするが、
徐々にトウキが落ち込んでいる原因が自分だと自覚したようで「えーと…」と言いながらの言葉を思い出していく。
そして、は今のトウキに有効であろう言葉を見つけ出し言った。
「でも、「気さくで話しやすい」とも言ってました」
「……オレ、ウザくない?」
「はい、まったく」
が言葉をトウキに返すとトウキは立ち直ったようで、
嬉しそうに「そっか!」と声を上げた。それを見ては「ふぅ」と安堵の息をついた。
「それでは、私はここで失礼します」
「おう!旅先でにあったらよろしく伝えてくれな!」
上機嫌のトウキには「はい」と言葉を返してムロジムを後にするのだった。
■いいわけ
トウキが酷い言われようですが、一応彼の夢小説です。
もっというと、メイン夢主は紅玉夢主。金剛石夢主はあくまでパイプ役みたいなものです。
金剛石夢主はトウキが紅玉夢主に好意を抱いていることにまったく気付いてません。鈍感娘ですみません。