「【魔法店】は商品を売って利益を得る販売業だから、まずは商品を用意――
 と、いきたいところなんだけど、その前にやっておくことがあるんだ」
「?やっておくこと??」
「うん。まずは、マジックアイテムを作るために使う
 材料を集めいないことにははじまらないよ」
「地下の倉庫にある材料じゃ、売り物は作れそうにな――」
ゴッ!
「お前は自分の立場を考えてものを言ったらどうだ」
「まぁまぁ、落ち着きなよユート。ジローの言うことも尤もなんだから」
「…材料採集……ねぇ…。
 材料費が浮くのは魅力的だけど、労力がなぁ……。
 それに店を空けることになる分、営業時間も削られるし……」
「レイリ、こういうときの魔物手だよ」
「……誤解なきよう男手といいなさいな。
 でも、その案はいいわね。どーせシロー以外はまともに接客できないし」
「…………」

「(あ、自覚あるんだ)」
「ただいまー」
「コージロー?…どこ行ってたのよ?」
「シローに頼まれて【ディロスの森】にな。
 シロー、頼まれたとおりに材料を取ってきたぞ」
「――こんな感じで【ユート】と【ジロー】と【コージロー】に、
 材料採集に出かけてもらえばいいんだよ」
「…ちょっと待て、どうしてお前は除外されているんだ」
「ボクは他に重要な仕事があるんだよ。
 だからこの作業にボクは参加できないから、除外してるんだ」
「それで、全員に材料採集に行ってもらうわけ?」
「ううん、それだと都合が悪いから、
 3人のうち1人に材料採集に向かってもらうよ」
【 採集係選択画面 】
「個性がバラバラの3人だからね、調達の成果にも特徴が出るんだよ」
【ユート】 : 全てにおいて平均的。バランスよくアイテムを採集してくる。
【ジロー】 : 基本的に採集してくるアイテムの数と種類が少ない。
        だが、時々希少価値の高いアイテムを大量に採集してくる。
【コージロー】 : たくさんアイテムを採集してくるが、
           種類は少なく、希少価値の低いアイテムを採集してくる。
「確かに、個人の性格が如実に表れる気がしないでもないわね」
「誰を採集に行かせるかを決めたら、今度は採集先を三箇所決めるんだ」
【 採集場所選択画面 】
「場所によって全然採集できるものが違うから
 色々と調べておかないといけないわね」
「うん、材料の詳細を調べるとどこで採れるかを調べられるから、
 ちゃんと前日のうちに調べておいてね」
「合成したいアイテムのことを頭において採集の指示を出さないと、
 材料が足りなくて何もできない――
 なんて無様な状況にもなりかねないから考えて行動しないとダメね」
「そうだね。必要の無いものを採ってきてもらっても意味が無いからね」
「…なぁ、シロー。採集に向かうのはどうしても一人じゃないといけないのか?
 もう1人ぐらいいた方がいいと思うんだが…」
「確かにもう1人採集要員がいるとすごく助かるんだけど、
 2人が抜けると店番係と荷物持ち係が確保できなくなるんだ」
「…?店番係はともかく、荷物持ち係とはなんだ?」
「その名のとおり、荷物を持つのが仕事の係だよ。
 市場にしか売っていない素材もあるから、仕入れの仕事も必要なんだ」
「……別に俺たちの誰かがついていかなくてもでどうにかなるだろ。
 ハルナならともかく、レイリは人間じゃないんだ」
「労力的には問題ないんだけど、ビジュアル的に問題があると思わない?
 女の子が平然とした表情で大量の荷物を持って歩くの」
「…確かにそれは問題があるな。
 レイリが吸血鬼だってことはあまり知られていないんだ、
 街の人たちを不必要に驚かせてしまうぞ」
「レイリの怪力を気味悪がってお店に人が来なくなったら一大事だからね。
 それを防ぐために、荷物持ち係は重要な係なんだよ」
「(…怪力……。まぁ…人の基準で見れば怪力か……)
 そういえばハルナ、ここの店で贔屓にしてる仕入先ってないの?」
「贔屓…っていうか、昔から面倒を見てもらっているお店はあるよ。
 えーっと…市場のこの辺でいつもお店を開いてるよ!」
【 材料購入画面 】
「ああ、ここの店なら大体相場の値段で取引しているから問題ないよ」
「なら仕入れはこの店のお世話になりましょうか」
「あ、そうだ。
 市場での仕入れに関してレイリに注意しておきたいことがあるんだ」
「?なによ?」
「まず、市場では毎日に同じ商品が売っているわけじゃないんだ。
 滅多に市場に並ばない材料とかもあるから、ちゃんとチェックしてね」
「なるほど、そうなると市場でしか手に入らないレアモノは、
 見つけたら買い込んでおいた方がいいかもしれないわね」
「でも、使いもしない材料買っても仕方ないからそこは気をつけてね」
「…さすがにそこまで無計画な買い物はしないわよ……」
「それと、材料の希少価値の基準についても教えておくね。
 ☆の数が多いほど希少価値の高い材料なんだけど、
 ☆の数が一個の商品は、市場でしか手に入らない商品って意味なんだ。
 だから、☆が一個だけど珍しい材料っていうのもあるから見逃さないようにね」
「材料調達にもなかなか頭が要りそうね」
「レイリならすぐに慣れるよ。
 それよりボクはジローがこの昼間の肉体労働に順応できるかが不安だよ」
「………ガンバリマース(棒読み)
「…どデカい悩みの種が出現した気がするわねぇ…」
「あはは、そこはレイリの腕の見せ所だよ」

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