「レイリ、あんな大金、返す当てはあるの?」
「無くはないけど、いつもの資金調達じゃ、過労で死ぬわね。私が
「吸血鬼に限って過労死っていうのはないと思うけど、
 いつものやり方じゃ能率悪いよね」
「……今一応つっこんでおくけど、
 吸血鬼だって過労で死ぬことぐらいあるわよ?」
(無視)そこで提案なんだけど、
 ハルナちゃんのお店を本気で経営してみたらどうかな?」
(あえてつっこまず)
 ハルナの店……。【イムペリウム魔法店】を?」
「うん。ハルナちゃんは学校が忙しくて
 お店、ほとんど機能してないから借りても問題ないと思うんだ。
 それに、そもそもことの起こりはハルナちゃ――」
「それ以上言ったらのしつけて村に送り返すわよ」
「……。
 で、お店を経営するっていうボクの案はどう?」
「…まぁ、それはありよね。ある程度の基盤はあるから
 まったくのゼロからのスタートじゃない分、手間も経費も掛からないし」
「じゃあ、ボクの案は採用かな?」
「ええ、そうさせてもらうわ。ハルナから許可がもらえたら即実行ね」
「……ところで、レイリってお店の経営なんてしたことあるの?
 奉公に出たって話は聞いたことあるけど」
「販売員や会計はやったことあるけど、
 経営となるとさすがに経験ないわ…」
「ならボクがレクチャーしてあげようか?」
「……どーして雪原の皇子様が経営のレクチャーをできるのよ」
「個人的に商人の道も楽しそうだなーっと思って勉強した時期があったんだ」
「…シローが商人……。
 是非、取引相手にしたくないわねぇ」
「そう?利害が一致したらすぐにハマりそうな気がするけどな。
 とにかく、ハルナちゃんも、ユートも当てにならないから、
 ボクが魔法店経営のイロハを教えてあげるね。」
「…さらりと酷いこと言ったわね」
「あはは、ボクは事実しかいわないよ」

 

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