「採集と仕入れが終わったら、
 次は営業するか【豪雷亭】に行くかを決めるんだ」
「?おい、営業はもちろんわかるが、
 なぜこの場面で【豪雷亭】へ行くんだ?」
「意外だとは思うけど、【豪雷亭】には店の売り上げを伸ばす方法があるんだよ。
 でも、まずは店で営業することを選択したときのことを説明するね」
【 営業カットイン 】
「……でも、営業は営業よね?」」
「うん、営業は営業だけど、
 営業にレイリが加わることによって売上が上がるんだよ」
「……レイリが加わるだけでどうして売上が上がるんだ?」
「この街でレイリは美人吟遊詩人ってことで知られているから
 お客さんの興味を惹きつけ易いんだ。
 だから、レイリが営業に入ると、
 お店にやってくるお客さんの数を増やすことにつながるんだよ」
「店の売り上げが上がるほど私の顔って知られてるの?」
「うん。だってこの街に来るたび、
 色々なところで歌ってるからかなり顔は知られてるよ」
「…そういえば、聞いた話だが、レイリのファンクラブもできているらしいぞ」
「……なんとまぁ…」
「物好きもいるものだな」
「確かに、レイリの内面を知ってファンなら物好き以外のなんでもないよね」
「オイ」
「……ずいぶんと含みのある言い方だなシロー」
「だってレイリは吸血鬼の真祖だからね、外見だけは整ってるし、
 外見と歌声だけなら簡単に魅了されちゃうよ。魔力抵抗のない人間はね」
「なんだろうね、物凄く貶されている気がするのだけど」
「貶してはないよ。本当のことを言ってるだけで(笑顔)
「…………」
「とにかく、レイリが店の営業に加わることによって、
 お店の評判ポイントが一時的に大きく上昇するんだよ」
「シロー、評判ポイントというのはなんなんだ?」
「あ、説明してなかったっけ?評判ポイントっていうのは、
 その名のとおりにお店の評判を現したポイントなんだ。
 このポイントが高ければ高いほど、お店に来るお客さんの数が増えるんだよ」
「要するに、レイリが営業に入ると、その評判ポイントが上昇して、
 一時的に店の売上が向上するということか?」
「そう、そのとおり。
 ここで注意してほしいのは、この評判ポイントの上昇はあくまで一時的。
 明日になれば元々の数値に戻ってしまうってことなんだ」
「レイリの営業参加はドーピングに近いということだな」
「うん。根本からの評判ポイントの向上には繋がらないけど、
 一時的にでも売上が上がるから、お金がどうしても必要なときとか、
 暇なときは積極的にレイリは営業に参加した方がいいよ」
「なるほどね……。
 ところで、根本から評価ポイントをあげるにはどうすればいいわけ?
 まさか、適当に営業していれば上がるってわけじゃないんでしょう?」
「それはもちろんだよ。お店の評価ポイントを根本から向上させるには、
 【豪雷亭】の存在が大きくかかわってくるんだ。
 ……ここで話しても仕方ないし、【豪雷亭】で説明するね」
一同、冒険者の宿兼酒場【豪雷亭】へ移動。
「あ、レイリさんいらっしゃい!」
「こんちには、アキ。今日も今日とて可愛いわねぇ」
「もう、レイリさんいつもそうなんだから。
 ところで、みんなユートくんも一緒でどうしたの?」
「(……昔はいちいち慌ててくれたのになぁ…。寂しい……)
 ここに店の評判を向上させる方法があるって
 シローが言うからその方法を確かめにね」
「お店の評判……。あ、もしかして依頼書のこと?」
「うん、そのことなんだ」
「…依頼書って……。
 え、なに、冒険者まがいなことを私にしろと??」
「そうじゃないの。シローさんの言っている依頼書って言うのはね、
 アイテム合成の依頼のことなの」
「アイテム合成の依頼?」
「そう、お店から個人まで、いろんな人が依頼書を送ってきているんだよ」
【 依頼選択画面 】
「ん…?報酬が安くないか?」
「あ、それはお店が売上分の一割を仲介料としてもらっているからなの」
「依頼を受けて商品を納入するよりも、お店で売った方が売上は上がるけど、
 依頼で商品を納入するとお店の評判ポイントが向上するんだよ」
「ふむ、長い目で見たら依頼を受けた方が店のためかもしれないわね」
「ただ、それは他の魔法店にとっても同じことだから
 依頼書は基本的に早い者勝ちなんだ。
 だから、依頼書を見つけたらすぐに商品を納入する必要があるんだ」
「そうなると、
 依頼されている商品が用意できている状態じゃないとダメってことね」
「すべての商品の在庫をある程度確保しておかなくてはいけないな」
「……ところで、この依頼の横に【★】がついているけど、
 これには何の意味があるわけ?」
「あ、これはね。【イムペリウム魔法店】の噂を聞きつけたお客さんが、
 指名して送ってきた依頼っていう目印なの。
 この依頼は他の魔法店にとられることはないんだけど、
 期限があるから気をつけてね」
※解説
 【★】付きの依頼書は、キャラクターイベントの存在する依頼です。
この依頼をこなすことによって、キャラクターごとのストーリーが進行します。
「……しかし、依頼書の大半がうちの店にはない商品だな…」
「どの商品も知ってはいるけど……レシピまではさすがにわからないわね……。
 もっと高等魔術とか妖術の媒介系の素材のレシピならわかるんだけど」
「…そういうものの依頼は高名な魔法使いのところに直接くると思うぞ」
「あはは、レイリの知識は偏ってて困るよね」
「…シローも人のこと言える立場じゃないでしょうに」
「まぁね、だから今回はボクが商品の合成レシピを調達することにしたんだ」
【 レシピ購入画面 】
「え、なに?ちょ、シロー、どうしてお金取るのよ」
「だから、ボクは『調達』してくるんだよ。サエウム侯爵のところからね」
「あー…それなら仕方がないわね。
 というか、お金で解決できるならお金で解決した方がいいわ(真顔)
「(いったい何者なんだ……サエウム侯爵…)」
「そうそう、レシピも毎日同じレシピが並ぶわけじゃないから気をつけてね」
「……何故に?」
「ボクの気分が毎日に変わるからだよ」
「(なんだその理由は……)」
「シロー、お前の言っていた他の仕事というのは、
 このレシピ調達のことだったのか」
「うん、そうだよ」
「……レシピを調達する程度なら、それほどの時間は要さないと思うんだが」
「調達先が普通の場所だったらね。
 というか、レシピを格安で提供してもらえる代わりに、
 住み込みで研究の手伝いをすることになっちゃって」
「……シロー………、丸坊主にされないように気をつけるのよ」
「こ、怖いこと言わないでよっ…!」
「(あのシローが……)」
「(脅えてる……)」
「私も昔、血を搾り取られて生死の境をさまよったことがあるのよねぇ……」
「白狼族の体毛……か…。
 確かにサエウム侯爵の知的好奇心を刺激するだろうな…」
「ううっ……今回ほど自分の血を恨んだことはないよ……」
「まぁ、血も涙もないように見えて、
 血も涙もちゃんとあるからそんなに心配しなくて大丈夫よ」
「本当かなぁ……。
 あ、そうだ。闇の日はずっと屋敷にいるように言われてて、
 ボク【豪雷亭】にくることができないから注意してね」
「…………(合掌)
「レイリ……本当に怒るよ……?」

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